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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

ヘルメットの「MIPS(ミップス)」とは?

2025-01-16 | 競馬

引っ越しで倉庫を片付けたとき、いくつもヘルメットがあって自分でもあきれた。

バイクに乗っていたときのフルフェイス。

登山していたときのロッククライミング用。

トライアスロンに出ていたときの自転車用。古いのはただの発砲スチロールを袋状の布で包んだもの。新しいのは、発砲スチロールを樹脂でコーティングしたもの。

カヌーや乗馬のときには、この新しい方の自転車用ヘルメットを使ったりしていた。

特に危ないスポーツを好んでやってきたつもりはないのだけれど・・・・

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最近手に入れたのはスキースノボ用;笑

プロのインストラクターが逆エッジで後頭部を打つのを動画で観て、スノボにはヘルメットが必須だと思うようになった。

そして実際一度、逆エッジで後頭部を打ってヘルメットに救われた。

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競馬の騎手が使っているヘルメットはこういうものらしい

ヘルメット専門メーカーが開発に関わった、とされているが・・・・MIPS対応とは紹介されていない。

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MIPSって何?

あなたを守る最新ヘルメットテクノロジー「MIPS(ミップス)」とは?

           ー

乗馬用でもMIPSに適合したヘルメットもある。

これは41,250円、そんなに無茶に高くない。

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高速で走り、蹄鉄を着けた馬の集団の中で落馬する可能性がある競馬の騎手は、頭部へ硬い蹄が当たる、食い込む損傷を受ける可能性もある。

カーボン製の乗馬用ヘルメットもある。

261,250円!

カーボンは今や軽くて、最も強度にすぐれた素材なのだろう。

かつて「走る棺桶」とさえ呼ばれたF1のレーシングカーは改良に改良を重ねて安全対策がとられてきた。

事故が起こるとタイヤが車体から外れることで力が分散され、

F1パイロットが乗り込んでいるコクピットはカーボンで造られていてドライバーを守る。

ドライバーは車体が燃えることに備えて不燃性のバラクラバを被っている。

それでも死亡事故は起こりうるのだが・・・・・・

私はアイルトン・セナと同い年生まれなんだよ。

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話がそれた。

少しでも対策がとられて、騎手の事故が減ることを願っている。

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地元獣医師会の総会があり、ちょっとした講演をさせていただいた。

仕事中は、想い出話をしない、あいまいな話やいい加減な記憶で症例や調査研究の話をしない、をモットーにしてきたつもりだったが、今回だけは想い出話をさせてもらった。

宿泊を用意してくれて、オーシャンビューの部屋に泊めてもらった。

YOGIBOも初体験!

いいな、これ。

 

 

 

 


有馬!

2018-12-23 | 競馬

手術しているのでなければ、重賞レースくらい観たいと思っている。

珍しく今日は家で観てた。

オジュウチョウサンは、これまでを知ってうちの奥さんが応援している。

レイデオロは、そのキャップを私はかぶっているのだし(ジャンバーは息子が気に入って持って行った;笑)。

キセキだって応援したい。

そして・・・・

ブラストワンピース、おめでとう!

大竹正博先生、おめでとう!!

やったね!

 

 

 

 

 


再生工場

2015-06-10 | 競馬

今朝も出勤したら繁殖雌馬の結腸変位の開腹手術中。

朝に予定していた関節鏡手術は午後にずらしてもらう。

昼前に2歳馬のDDSPの軟口蓋Laser焼烙。

先にやった別の馬はすっかり良くなってトレーニングセールで良い値段で売れたとのこと。

午後は子馬の肢軸異常の診察。

外反ではなく外向で、外科的に治す方法はない。

あるにはあるが、骨切り術になってしまう。

それから、午前に予定していた6歳競走馬の球節chip fracture の関節鏡手術。

シボレているというより、やつれている。

臼歯のすきまを拡大する処置を行った。

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そういうと先日は腕節の関節鏡と同時に去勢した。

JRAを3歳未勝利に終わることが決まった馬も次々に帰って来ている。

また故障を治して、心機一転がんばってくれ。

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モーリス! おめでとう!!

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右回り左回り 右手前左手前

2010-11-10 | 競馬

馬は駆け足、襲歩で走るときには右手前左手前といって、走り方が左右対称ではなくなる。

右回りに回るときは右手前、左回りに走るときは左手前で走ることになる。

 科学的に調査されたことがあるのかどうか知らないが、どうやら左手前を得意とする馬の方が多いようだ。

左回りの方を好むという点では人と同じ。

左手前とは左利きのように思えるかもしれないが、駆け足で一番負担がかかるのは反手前前肢、つまり左手前では右前肢。

それから考えると、馬も右利きが多いので、左手前、左回りが得意なのかもしれない。

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 競馬に右回り左回り、両方があることについて、

「馬体の左右のバランスをくずさないため」

「どちらが得意な馬にもチャンスを与えるため」

「予想を複雑にするため」

などの解釈もあるようだが、

地方競馬所属の馬では調教も競走もどちらか回りしかしない競走馬も多いし、そういう馬が左右のバランスが崩れているとも言えないので、

右回りにするか左回りにするか、よく考えられていなかったし、データの蓄積や分析もされてないし、今となっては競馬場ごとの右回り左回りを変更もできない、というのが実状ではないだろうか。

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右回り左回り 人の得意な回り方

2010-11-09 | 競馬

 右回りも左回りもある競馬だが、では人間の競技はどうか?

陸上のトラック競技は左回り。

スピードスケートもショートトラックも含めて左回りだけ。

陸上競技などはかつては右回りで行われることがあったようだが、今はIAAF(国際陸上競技連盟)のルールで左回り left hand inside と決められているそうだ。

どうやら左回りの方が良い記録がでるのでそうなってきたらしい。

 なぜ人間は左回りの方が得意なのか?

右利きの人が多いので、脚も右が利き脚だから、強い脚を外側に使える左回りの方が回りやすいという説が有力なようだ。

では、左利きの陸上競技者、スピードスケーターは不利なのかというとそうでもないらしい。

心臓が左にあるので、そちらが下になるように傾く方が自然だという説や、遠心力から心臓を守るために左回りが良いという説、もあるらしい。

が、どうも説得力にかける。

 道路が、イギリスや日本のように左側通行の国では、左カーヴの方がカーヴがきつくなる。右カーヴの方がコーナリングが楽なのだ。

しかし、車やオートバイの自損事故は右カーヴの方が多いのだそうだ。

もちろん、右側通行の国でも同じだそうだ。

車やオートバイの運転でも左回りの方が回りやすいとなると、利き脚や心臓の位置とは関係ないのかもしれない。

 ついでに、USAの自動車レースは単純な楕円形のコースで行われるレースが多いのだが、すべて左回り。

だから有名なインディカーレースなどでは、車そのものが左カーヴを回り易い様に車の重心を左に寄せていたりする。

 美術館などでも展示の回路は左回りで設定するらしい。

 目隠しをして歩くと左側へ曲がって行く人が多いそうだ。

 ということで、理由はわからないが人間は左回りの方が得意なようなのだ。

当然、騎手は左回りが回りやすいのだろうが・・・・・・馬はどうなのだろう?

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  午前中、繁殖雌馬の開腹手術。

 午後、下顎骨折のプレート固定手術。大手術になった。

やれやれ、1日2頭も!急患の手術をすると、春はよくあんなに仕事できるものだと思う(笑)。

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