私が大学を卒業する頃、博報堂や電通といった広告代理店は学生の就職希望企業の上位にランクされていた。
もっとも獣医科学生だった私はそんなことに興味もなく、知りもしなかったけど。
これは私よりいくつか年下の電通に長く勤めた人が、新入社員時代から激務の中で飛び回るようす、広告業界の異様な?仕事の進め方、そして定年前に退職したようす、家庭が崩壊し自己破産までするようすを書いている。
登場人物は仮名ということになっているが、関係者には誰のことかわかってしまうだろう。大丈夫なのか?
企業名やタレントも私でも想像がつく。
今、問題になっているN君も登場するよ。
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電通は広告代理店の最大手だが、その業務の内容や社員の働き方には非常に問題がある(あった?)
過労死する社員が何名も出たし、
東京オリンピックにまつわる汚職と不正とも密接な関係があった。
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私はカヌーに乗っていた頃、広告代理店のサラリーマンたちが忙しい仕事の合間を縫って各地でカヌーによる川下りをするシリーズ本を好んで読んでいた。
徹夜の仕事明けに河原へ向かい、激流で”沈”しながらヘトヘトになるまで遊び、焚き火臭い体のまま東京での勤務に戻っていく様子が書かれていた。
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広告業界、コマーシャル、宣伝、というのがどうしてこういう業界なのかはわからないが、商品の販売にはとても効果があり、巨額の費用が費やされる一方で、予想も評価も難しいことに一因があるのだろう。
そして流動的で、目新しいもの、変わったものが好まれ、同じものが評価され続けることはなく、次から次へと斬新なものが好まれるので忙しい。
サラリーマン転覆隊の面々が、カヌー本には描かれない部分でどのような仕事をしていたのか、この「電通マンぼろぼろ日記」を読んで知ることができた。
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ぼろぼろ日記を読んで知ったのは、この作者の仕事がたいへんなのは広告という業務の本質によるものではなく、
クライアント(広告主)、メディア(新聞、テレビ・ラジオ)、クリエイター(?)、そして様々な電通マンなどの人間関係によるものだということだ。
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やがて作者はアルコールに溺れるようになり、会社で左遷され、家庭は崩壊し、離婚し、自己破産していく。
本人のだらしなさ、社会人としての脆弱性と責められるか?
別れた奥さんへの一文が後悔の深さを表していた。
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この本はシリーズもののようだ。
メガバンク銀行員
住宅営業マン
大学教授
介護ヘルパー
タクシードライバー
消費者金融
ディズニーキャスト
コンビニオーナー
派遣添乗員
障害者支援員
ケアマネージャー
交通誘導員
コールセンター
非正規介護職員
マンション管理人
バスドライバー
保育士
メーター検針員
出版翻訳者
警察官
などがある。
読めば社会勉強になるかもしれない。
(このシリーズの中でも「電通」と社名が出ているのは特異だ)
「馬医者〇〇△△日記」もいけるかな;笑
「ヨレヨレ」「テゲテゲ」「よちよち」「のろのろ」「ヨボヨボ」「オロオロ」「はらはら」「もやもや」「ヘトヘト」「ざわざわ」「ごたごた」「ぎりぎり」「こそこそ」「ぺこぺこ」「ずるずる」
さあ、どういう表現が適切ですか?
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1/23 5cmほど新雪が降って、やっと冬景色になった。
冬はこうでなくっちゃ。
と思っていたら、日中は暖かくなり、積もっていた雪も融けてしまった。
ほんとに気候がおかしいよ。
トランプさん、パリ協定離脱してる場合じゃないよ。
USAだって無事じゃないと思うぞ。