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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

AO動画 スクリュウとプレートによる内固定は絶対的安定性を提供する

2025-03-11 | technique

こちらは本家AOによる動画。獣医用ではない。

内固定の実習に出たことがある獣医さんは、「あ~、あのプラスチックモデル」と印象に残っているかも知れない。

AO Internal Fixation with Screws and Plates Providing Absolute Stability

lag screw の原理、使い方。

骨折面に垂直に入れないと、骨のズレを作りだしてしまうこと。

screwの形状と使い方。

プレートによるコンプレッションのかけ方。

実践的な脛骨近位骨端・近位骨幹部骨折の固定方法が説明されている。

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今シーズンのスキー・スノボは終了。

地元のスキー場ももう閉まるだろうし、雪があっても雪質が悪くなるし、

別な事情もあって・・・・

スノボのバインは固定スクリュウを緩めておいた。

キツくボードに固定されているので、そのままにしておくとボードが傷んでしまうのだそうだ。

 


Locking Plate Used in Bridging Mode 動画 架橋モードでのLCPの使い方

2025-03-10 | technique

LCPは支柱性を構築することができるので、粉砕骨折部や骨欠損部を架橋する内固定において利点がある。

この動画で紹介されているのは、大腿骨粉砕骨折で、髄内ピンを入れておいて、Locking Dynamic Plate で架橋する方法。

髄内ピンだけだと、荷重に耐えることが難しい(支柱性がない)。

そして、回旋に抵抗することも難しい。

LCP/LHSを使えば、支柱性を構築し、回旋に抵抗することもできる。

Locking Plate Used in Bridging Mode (Veterinary Instrumentation Orthopaedic Technique Overview)

ただし、LCPとLHSに強い力が働くことを認識しておく必要がある。

一度の大きな力で崩壊するか、繰り返される荷重で金属疲労により破損する可能性がある。

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薪の原木を蝕(むしば;虫食む)んでいた 

カミキリムシの幼虫のようだ

割るまではわからない

金属疲労による破損にも似て

 


Locking Plate Used in Neutralisation Mode 中和モードで使われるロッキングプレート

2025-03-07 | technique

DCPの使い方を説明しているYoutube動画を紹介したので、Locking Compression Plate の使い方を説明している動画も紹介しておきたい。

この動画ではDynamic Locking Plate と呼ばれている。

LCPと構造や設計は違いはないように見える。

Locking Plate Used in Neutralisation Mode (Veterinary Instrumentation Orthopaedic Technique Insight)

モデルに使われているのは、小動物の脛骨のプラスチックボーンのようだ。

lag screws の入れ方もていねいに説明されている。

そして、Locking Plate を中和プレートとして使っている。

lag screws がしっかり効いているし、斜骨折なのでcompression はかけない。

contour はプレートベンダーで行っている。

大動物で使われる4.5/5.0というサイズのLCPでも、ナロー(薄くて幅が狭い)ならプレートベンダーでcontour できると思う。

plate screws は全てLocking screws を使っている。

これには是否、賛否、メリットデ・メリットがあるだろう。

(大動物で内固定の対象になりやすい仔馬・子牛でネジ山の低いLocking screwsがしっかり効くか?

1-2本でも通常のscrewsを入れてLCPを骨に圧着させることは強度を増す上でも利点がある)

骨折部にはscrewsを入れていない。

(小動物は骨が細いからね)

empty holes (plate screws を入れない孔)を残している。

小動物では、固定の頑丈さが問題になることは少ないのだろう。

体重が軽いし、肉食獣(イヌ・ネコ)は骨折していたらほとんどの時間を寝てすごせる。

              ー

残念ながら、LCP/LHS はとても高価で、黒毛和種子牛でも経済的に見合わないだろう。

しかし、サラブレッドでは内固定のかなりの症例はLCP/LHSで行われるようになっている。

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この辺りを車で走っていて、馬運車とすれ違うようになってきた。

「種付けに行くんだろうな」と思いながら見ている。

家畜高度医療センターも忙しくなってきただろう。

差し入れを持って陣中見舞いに行ってきた。

220kgの黒毛和種子牛の中足骨骨折近位骨幹端骨折をT-LCPとDCPで内固定した症例とか

繁殖牝馬の第一趾骨粉砕骨折をlag screws とTransfixation Pin Cast で固定した症例などのXrayを見せてもらった。

かつては助けることができなかった症例だ。

がんばれ後輩たち!

             ー

おそくなっちゃったけどひな祭りでした、ね。

2/26はブログ開設19周年でした

 

 


DCPを概説する動画 Dynamic Compression Plates (Veterinary Orthopaedics Instrumentation Overview)

2025-03-04 | technique

Dynamic Compression Plates (Veterinary Orthopaedics Instrumentation Overview)

これは、Dynamic Compression Plate の使い方の基本を説明した動画。

よくできている。

5分で学べる。

1:50あたりで”すべての軟部組織と骨膜は骨の表面から除去して・・・・” と述べているが、これには異論を唱えておきたい。

骨膜は骨に血流や神経分布を提供しているだいじな組織。

除去してしまうと骨癒合、骨再生を遅らせる。

無理に剥がせば骨壊死が起きかねない。

ひょっとすると馬と小動物では考え方や手技での優先度が違うのかもしれない。

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地獄の鬼の金棒、らしい

骨折したら金棒(DCPでもLCPでも)入れて治しましょう!

 

 


Nerve blocks in equine lameness examination 神経ブロック 基本と実例と

2025-02-15 | technique

これはPretoria 大学の動画。

Pretoria って南アフリカだそうだ。

Nerve blocks in equine lameness examination

近位部から神経の走行をきちんと説明している。

実際の、重度の跛行馬の動画も示されている。

(どうも途中で動画が左右反転されているように思う)

よく使われる下肢部の穿刺ポイントも説明されている。

そして・・・疼痛部位が特定され、X線撮影で跛行の原因が判明した!

             ー

骨折の疑いがある場合は神経ブロックよりX線撮影を優先させた方が良い;笑

そして、DRが普及した現代では、X線撮影はかつてより簡便に省力化して短時間に即時的に行うことができる。

神経ブロックと画像診断のどちらを先行して行うかはその状況で判断して良いだろうと思う。

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瀧落ちて群青

 世界とどろけり

           ー

怖いような深い水の色、そして周囲にひびく水による振動

「世界」という表現も好いね