朝は急患の連絡。
生後4日目の仔馬が怪我をしたという。
来てみるとどうやら親に踏まれたような傷。
折れないで良かった。
私は馬が人を踏むのを何度も観たことがあるし、
母馬が仔馬の肢を踏むのを見たこともあるし、
他の馬に蹴られた仔馬を治療することもしばしばだ。
だから、交通事故避けに車に蹄鉄を付けたりは絶対しない;笑。
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そのあと眼球婁の検査と治療。
深屈腱切断術。
春先の蹄葉炎に気をつけなければ。という記事を書いたのにな~
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そのあと、繁殖雌馬の結腸便秘。
「この季節、青草を食べていて便秘になるかな?」と話していたが、
来て直腸検査してみるとたしかに結腸骨盤曲に便秘している。
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午後は3歳競走馬の喉頭片麻痺のTieback & Cordectomy
今週3頭目。
しばらくは麻痺がひどくて、背側披裂輪状筋がほとんど残っていない症例が続き手術が楽だったが、
今日の症例は不全麻痺で、背側披裂輪状筋がほとんど残っていた。
手術はやりにくい。
披裂軟骨筋突起は筋肉に埋まっているし、
背側披裂輪状筋の上に糸をかけることになるので、手術後に筋萎縮が起これば糸がゆるむ要因になるだろうから強めに牽引したいし、
筋肉を養うための血流も多く残っているので、出血もしやすい。
いつものように喉頭切開してlaserでの声帯切除もする。
(左)
切り取ると縮こまりますが、
切り取る前は気管の入り口でV字型をしています。
脂肪組織ではありませんが、とても柔らかい組織です。
声帯切除すると馬はヒヒ~ンと高い声で鳴けなくなりますが、
それが声帯切除の目的ではなく、
競走中に声帯が虚脱して気道を狭くすることもあることが知られているので、
それを防ぐのが目的です。
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自分でうちました。
このシール。
デザインでもなんでもないマークが
今となってはかえって斬新だね;笑。
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狂犬病予防注射など必要ないと主張する人たちもいるようだが、
私はフロリダ大学へ研修に行くとき、「狂犬病の予防接種をして来い」と言われて、予防接種を受けていった。
狂犬病が撲滅されている国や地域は世界の中ではかえって少ない。
世界中でいまだに撲滅できない、かかってしまえば治療法もなく死ぬのを待つだけの病気だ。