出勤したら、午前中は当歳馬の尺骨骨折のプレート固定をやるとのこと。
来院したら、その当歳馬はまともに歩けない。
人に押されて、やっと横へ横へ動く。
尺骨骨折にしてはおかしい。痛みが強すぎる。
fragments がある尺骨骨折だが、肘関節へ到る部位ではない・・・
橈骨近位成長板も損傷したのだ。
この部位は Salter-Harris 損傷の1型か2型であることが多い。
この症例では、骨端部(成長板より関節側)が関節腔へと割れてしまっている。
だから・・・・3型だ。
割れて開いているのは内外側。外内側成長板は潰れているか・・・
だから内外側にプレートを当てて、成長板がそれ以上開かないようにするとともに、割れた部分を押しつけて関節面に段差ができないように固定したい。
そして尺骨骨折も固定するが、それは尺骨を骨癒合させるだけでなく、尺骨頭部を橈骨と尺骨遠位部に固定することで、橈骨骨折を固定するようにしたい。
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DCPのcontour はたいせつ。
橈骨の近位骨端部に入れるscrewの位置と角度はとてもたいせつ。
そしてlag screw として入れる。
これだけでも大手術なのだが、尺骨もプレート固定しなければならない。
尾側からアプローチする。
月齢から判断して、尺骨遠位部を橈骨へしっかり固定してもかまわないはず。
しかし、橈骨頭側皮質まで貫通させる必要はないだろう。
これで橈尺骨骨折を、互いに垂直の位置になるダブルプレートで固定したことになる。
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手術後、この当歳馬の歩様はかなり良くなった。
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カシワの落ち葉が溜まっている。
六花亭の店舗の大きなドア一面にカシワの落ち葉のレリーフが彫刻してある。