馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

大腿骨SCLのscrew固定

2018-12-01 | 整形外科

調教を始めたら跛行した1歳馬。

中くらいの大きさの軟骨下嚢胞状病変 SCL が見つかった。

screw固定できそうな位置と大きさなので、

外-内方向でSCLの位置を確認したあと、

尾-頭方向でSCLへの角度を見ながらドリリングして、

screwを入れる。

X線透視装置がうまく使えればさほど難しい手術ではない。

しかし、もう500kg近い大きさの馬だと、このX線透視装置での描出はギリギリ。  

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若いときとちがって、聴きたい音楽が減ってしまっているのだけど

ん~~はまってしまった。

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第一指骨縦骨折と両前球節のDJD

2018-11-28 | 整形外科

8歳の競走馬。

左前の第一指骨の縦骨折でキャストをして競馬場から帰って来た。

この馬、両前球節は丸くない。

ジャガイモのようないびつな形をしている。

どうなっているかというと・・・・

こうなっている。

”チルドレン”の局所投与をしていたらしい。

骨の吸収を司る破骨細胞の活動を抑える薬だ。

こんなになってしまったことと無関係ではないように思う。

                 -

左前第一指骨は近位関節面から縦骨折しているのは間違いない。

跛行も左前。

私がX線透視装置を見ながら左前第一指骨のスクリュー固定をしている間に、右前の関節鏡による関節内cleaning手術をしてもらう。

それぞれが終わって、今度は左前の関節鏡手術。

馬外科医3人がかりだ。

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母が、胆石から胆管炎を起こしたようで救急車で運ばれた。

私は馬の手術終了を見届けず、苫小牧の二次診療病院へ向かった。

 

 

 

 

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X線透視装置を使った第三中手骨外顆骨折スクリュー固定

2018-11-20 | 整形外科

日曜日、

地方競馬から第三中手骨外顆完全骨折で帰って来た競走馬の内固定手術。

完全に割れてしまっていたが、

関節面のずれはなく、

関節面の骨折線にピースがないことを確認できたので、

関節鏡を球節に入れることはなくスクリュー固定することにした。

X線透視装置があるのでスクリュー挿入位置の確認は容易。

X線透視装置は、手術室においてあって、「これなんですか?」とよく訊かれる。

うちではおかげさまで、たいへん重宝して使わせてもらっている。

整形外科のスクリューやプレートの使用量は我がセンターが最も多いとのことだ。

手術中の画像モニターが適切に撮れれば、内固定手術は順調に進む。

専用の充電式ドリルTRSもとても使い勝手が良い。

馬の内固定手術を30年。牛の内固定手術を15年。

やっとここまで来た。

私が初めてサラブレッド子馬の橈骨骨折のプレート固定手術をしたときは、手回しのドリルでやったんだよ;笑

                 -

この競走馬、キャストではなく伸縮性包帯で球節を締め付けて帰されてきた。

皮膚は紫っぽく変色し、内出血した斑が散在していた。

バンデージで強く締め付けて骨折した肢を守ろうとするのは無理がある。

皮膚がひどく損傷したら内固定手術も難しくなる。

危なかった。

                 -

日曜日午後はこじれた跛行。

細菌性種子骨炎と判明した。

月曜午前は2歳競走馬のTieback&cordectomy。

午後は、1年越しの篩骨血腫、食道内視鏡検査。

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とうちゃんはやすみのひはまきわりしてる

こんなわりにくいたまはおらもかじっててつだう

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重症の腸骨体骨折

2018-10-27 | 整形外科

後肢を前へ出せず、後膝や飛節、球節を曲げることができない2歳競走馬。

立位で内側膝蓋靭帯を切断したが、それでも曲げられるようにならなかった。

危険を覚悟で、全身麻酔して骨盤のX線撮影をしたら、

右の腸骨が股関節近くで折れて、ひどく変位していた。

変位した腸骨が大腿骨に当たっている。

それで大腿骨を前へ出せなかったのだ。

この2ヶ月近くが可哀想だが、これではまともに歩けるようにはならない。

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あれっ、この牛、角はえてる・・・・

歩きを見ていると、左前肢の跛行していた。

Dyson Grade で直線常歩4/8の跛行だった。

シカは速歩はせず、ピョンピョン跳ぶが、そうなると跛行はわからなかった。

「常歩の跛行が、速歩させると悪化するとは限らない。」

Dyson先生の指摘は、シカの跛行にも当てはまる。

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上腕骨へのアプローチ

2018-10-16 | 整形外科

では、上腕骨の頭側へプレートを当てるために、どこからどのようにアプローチするか?

これはNixon先生のEquine Fracture Repair に詳細な記述と図示がある。

上腕二頭筋 biceps brachii muscle のやや外側を切皮するのが良いと思う。

上腕頭筋 brachiocephalic muscle は薄くて広い肩を覆っている筋肉なので筋繊維に沿って切り広げて良い。

上腕二頭筋と上腕筋 brachialis muscle の間を分ける。

上腕骨近位部は上腕二頭筋と上腕筋の間から上腕骨にプレートを当てる。

三角筋 deltoid muscle は三角筋粗面 deltoid tuberosity から少し剥がして良い。

遠位部は、上腕筋と橈側手根伸筋 extensor carpi radialis muscle の間を分ける。

ここは丈夫な筋膜で覆われていて、境目がわかりにくい。

上腕筋の遠位には橈骨神経 radial nerve があるので注意。

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もう20年以上前に、こんなに詳細に上腕骨へのアプローチを書いた本が出ていることが驚きだ。

そしてNixon先生は新版を出された。

生涯をかけて馬の骨折治療に取り組んで来られたのだ。

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もう1ヶ月以上跛行しているという2歳馬。

当初は「右腸骨の痛みだった」とのこと。

右の臀筋の著しい萎縮。

右の腰角はひどく下がってしまっている。

左の仙結節はずいぶん高い。仙腸関節が脱臼しているようだ。

跛行は膝蓋骨上方固定様なのだが、原発による跛行とは思えない。

それでも内側膝蓋靱帯切断術をやることにした。

・・・・しかし、右後肢を曲げられるようにならなかった。

腸骨骨折して、大腿の筋肉を使えなくなって、萎縮してしまっているのだろうか・・・

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ここのところ、忙しくて時間通り食事にありつけない相棒・・・・と私。

満面の笑顔で迎えてくれるのは、食事がうれしいんだね。

 

 

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