ひきつづき仙腸部の障害の診断について。
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超音波検査は背側仙骨靭帯の状態についてより詳しい情報を与えてくれる。
より周波数の高い(10-15MHz)リニアプローブを用いた背中からの経皮的超音波画像は背側仙骨靭帯と仙結節への付着部の評価に非常に役立つ。
横断像は靭帯を確認し、そのサイズをチェックし、これらの組織の左右を比べるのに用いられる。
可笑しなことだが原本の図の指示が間違っている。勝手に訂正して図の説明を訳しておく。
おまけに各図の中で、Rightが左にあり、Leftが右にあるので混乱する。ご注意を。
[ 右最上図。
1.背側仙骨靭帯の短枝(DSL)
2.長枝。Lleftに比べてRightのDSLが大きいことと、内側のエコー発生性が落ちていることに注意。
しかし、Rightの骨の辺縁はLeftより滑らかで、正常である。仙結節はより不整である。
上の図より尾側の横断像。
骨の辺縁はもう見えない。
靭帯だけが見えており、仙結節と仙骨の背側突起の間を横切っている。
RightのDSLはLeftと比べて大きい。
2番目の画像よりさらに尾側の横断像。
DSLは正中線にある仙椎背側突起に付着し始める。
ここでもまたRightの靭帯の大きさが大きくなっていることに注意。
しかし、両側の靭帯にエコー発生性の喪失が認められる。
縦断像。
RのDSLではエコー発生性と靭帯線維の整列が失われている。
それは、DSLの靭帯炎を示している。]
超音波ドップラーでこれらの組織と付随する筋組織を評価することは、この部分の血管の活性について有益な情報をあたえてくれる。
縦断像は組織の配列の評価と仙結節の骨の輪郭の観察に優れている。
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あまり仙結節や背側仙骨靭帯を超音波で観ている獣医師はいないだろう。
みやすい部分だと思うが、評価するにはかなりの経験が要るように思う。
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今日は、3歳競走馬の腕節の関節鏡手術。
めずらしいことに橈骨の盤状骨折だった。
いろいろな角度でX線撮影しても骨折線は鮮明には描出できなかった。
しかし、関節鏡で観ると盤状骨折の骨折線を確認でき、
そこへ骨起子を入れてこじると骨片というには大きすぎる部分が動く。
スクリュー固定はできそうにないし、まったく変位していないので、より辺縁の骨片を摘出し、盤状骨折は温存した。
昼前、3歳馬のTieback&Cordectomyのre-check.
良好!!
午後、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
左右。
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今年初めて春を感じさせる日だった。
どんどん雪が融けて・・・・・
さて泥々の季節がやってきそうだ。
どうする?