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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

COVID19が続く夏、そして納骨

2022-08-21 | ワンコ修行

爽やかな朝もあるけど、

晴れると日中は暑い。

といっても、20℃台なので、本州の方にはもうしわけないくらい。

雨が多くて、3日と続けて晴れることはなかった。

「ことしの牧草は敷き藁だ」、というあきらめの声も聞こえる。

そんな夏ももう盛りを越えたようだ。

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実習生の第一陣が来て、帰っていった。

職場を知ってもらって、志望してもらわないと続いていかない時代になっている。

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covid19の蔓延はおさまらない。

病原性は落ちてきているし、ワクチンの履歴で免疫も記憶されているのだろうが、まだ「ただの風邪」でもない。

うつらず、うつさず、を続けていくしかないのだろう。以前よりはゆるく。

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明日からサマーセールだ。

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庭の隅に、穴を掘って、

相棒の骨を骨壷に入れて、埋めた。

石の墓標を積んだ。

真ん中の石は相棒の姿に似たものを選んだ。

むこうを向いて、背中むけてるのさ

いつもそうしてマッサージをせがんでいたからね

 

 


お別れ そしてペットロスのこと

2022-03-09 | ワンコ修行

逝ったのが金曜日で、土曜日曜と安置して、月曜日に町の火葬場で骨にしてもらった。

このペット火葬場はたいへん助かる。

この季節だと埋めてやるために地面を掘ることもできない。

1頭ずつ焼いてもらえる。

・・・でもゴールデンレトリーヴァーだと肢を曲げていてぎりぎり。超大型犬は厳しいかも。

仏様になった相棒。

第二頚堆だ。のど仏と近い場所にあるが、のど仏は軟骨だから焼けてしまうので別物。

仏様の頭に見えるのは第二頚堆歯状突起。ここ馬でよく折れるのよ。

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宗教心はないが供養してやることは喪失感を癒してくれる。

先立ったペットは、虹の橋のたもとで飼い主を待っていてくれる、という話も慰めになってくれる。

泣きたいときは泣き、悲しいときは悲しむだけ悲しんだ方が良いのだろう。

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相棒が残していった大量の毛。わが家では”どぅくげ”と呼ばれている。

そのうち娘がフェルトにしてマスコットを作ってくれるそうだ。

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帰ってきても、相棒は居ない・・・・

そのことを受け入れることもたいせつ。

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飼い主のペットロスに対応してあげるのも獣医師の守備範囲なのだそうだ。

しかし、獣医師にできるのかな、と思う。

獣医師と飼い主をつないでいた動物はもう居なくなっているのだし、

獣医師は人の精神衛生について学んではいない。

          ー

ペットロスでひどく落ち込み、ふつうの生活が営めなくなってしまう人も多いらしい。

核家族化で家族の死を経験することが少なくなり、

近所づきあいが希薄になって近所の親しい年寄りが亡くなる経験も持たなくなっていることも関係するかもしれない。

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ペットが死んだことを認めることができなかったり、

ペットの死を誰かのせいにして悲しみを怒りに代えたり、

病気に気づいてやれなかった、安楽殺するしかなかった、充分に供養してやれなかった、と自分を責めたり、

落ち込んで飼い主自身が健康を害したり、生活が営めなくなったりする。

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悲しいときには泣いていいし、おおいに悲しんだらよいのだそうだ。

想い出を話し、それで悲しくなるならまた涙すればいい。

ひとりなら思い出をつづり、あるいは写真を見返せばいい。

少し元気が出たら、新しいことを始めるのもいい。

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私は、獣医師として経験してきたことで救われているかなと思う。

たくさんの馬が死ぬのを診てきたし、

生き物が死ぬのは誰のせいでもないし、誰かを責めても詮無いことだし、

死が生命活動の終わりだということも理解している。

いつかまた犬と暮らしたい。

相棒を心の中で見送って、相棒が想い出になったら、だ。

 

 

 

 

 


訃報 そして慟哭

2022-03-05 | ワンコ修行

オラ君こと我が家の愛犬、私の相棒Duke でゅーく が旅立ちました。

このブログで皆さんに可愛がっていただき、ありがとうございました。

           ー

獣医師で、飼主、という立場でどうしたか、というのを書き留めておこうと思います。

1/11 突然、元気食欲がなくなり、心拍数が増え、口粘膜が白く、ただごとでないと小動物病院を受診しました。

腹腔内で出血している、脾臓に腫瘍がある、ということで、緊急で脾臓摘出手術を受けました。

1/14 退院し、1/18 病理検査の結果を聞きました。血管肉腫という悪性の腫瘍でした。

抗腫瘍剤により治療する方法もありますが、うまく行っても数ヶ月の延命治療にすぎず、抗腫瘍剤の副作用は個体差が大きいとは言え、多かれ少なかれ体調を落とすでしょうから、苦しい期間を延ばすだけ、と考え抗腫瘍剤治療はしないことにしました。

手術後の痛みが消えていくのか、元気を取り戻し、ほとんど元の生活に戻ることができました。

1/25 にまた貧血し、食べられなくなりました。危ないかな、と思いましたがまた復活しました。

もう、私と行動をともにして車で行き来するのはやめにして、自宅で過ごさせることにしました。

それからは、調子の良い日もあるし、体調が悪化して嘔吐や下痢したり、また食べられるようになったり・・・

2/11は体調が良く、娘を苫小牧に送っていくのに一緒にドライブ。それが最期のドライブになりました。

2/27は私の居なかったのですが、近くの丘の上まで散歩に行けたそうです。

自分で歩きたがった、とのこと。

腹が張ってきているのに気づいていたので、3/2に小動物病院を受診し、緩和ケアとして腹水を抜けないか相談しました。

腹水を抜くと出血量が増えること、しかし胸水を抜けば呼吸が楽になるかもしれないので、腹腔と胸腔を穿刺してもらいましたが、どちらもほとんど血液。

これでは抜くのは危険、ということになりました。

止血剤も、輸液も、死期を延ばし、苦しい期間が長くなるだけ、と考え断りました。

3/2は少し食べたり飲んだりもできましたが、3/3はほとんど飲めず、食べられず。わずかに食べたものも吐いてしまいました。

雪の上が良いらしく、夜になっても林の中でうずくまり、それでも夜中はよろよろ帰ってきて寝所に居て。

3/4朝、私が外に出たら、よろよろ車まで歩きました。ドアを開けてやってももう自分では上れず。

前足と腰を持ち上げてやったら車の中で寝ました。

こんななのに車に乗りたくて、私に置いていかれるのが心配で、と思うとけなげで。

私も車の中でずっと一緒にいてやりました。

午前中は苦しい呼吸で、午後はさらに唸るような息遣いになり、

午後2時半、ちょうどじいちゃんとばあちゃんがショートステイから帰ってきたタイミングで横に倒れ、呼吸が止まりました。

聴診するとまだ心拍はありましたが、やがて痙攣するような心音になり、それも止まりました。

          ー

何かしてないと声を上げて泣きそうになるので、遺体をいつも居た場所へ運んでやり、

花を買いに行き・・・

死に際には間に合わなかったけどにいちゃんも帰ってきて、

丸くなった姿は生きているようで、でも撫でるたびに冷たくなっていきました。

           ーー-

Duke おまえはいいイヌだったよ

いつも、なんでも喜んでくれた

明るくて

無邪気で

人が大好きで

みんなに愛された

ありがとう

うちに来てくれて

いつも一緒にいてくれてありがとう

おまえは最高の相棒だったよ

 

 

 

 

 


相棒の大病

2022-01-19 | ワンコ修行

11日におかしくなって、

その夜に開腹手術してもらい、脾臓を摘出して、

14日に退院して、

少しずつ元気になって、

18日、病理組織検査の結果を聞くのと血液検査に行ってきた。

結果は・・・・血管肉腫。

覚悟はしていたが、たぶん最悪の結果だ。

平均で1-2ヶ月。

抗腫瘍剤が効けば5-8ヶ月延命できることがあるが、それは様々だし、副作用もある。

           

抗腫瘍剤治療はしないことにした。

           ー

食欲もあるし、散歩も行ける。

以前と変わらないようにも見える。

病気に侵されるというのはこういうことなのだろう。

           ー

年老いて、

顔が白くなって、

歩くのに難渋したり、排泄に苦労するようになっても面倒みてやるぞ、と思っていたのだが・・・

そういう日々は迎えられそうにない。

         /////////

年が明けてから、診療はさほど詰まっていない。

関節鏡手術や、そのほかの整形外科の手術に、疝痛馬が来たりもするが、例年よりslowかもしれない。

那須の研修は中止になった。

残念だが仕方がない。

実習を中心にした研修だから完全な感染対策は望めない。

           ー

ある日の骨柩掻爬と腐骨の摘出。

           

 

 

 


相棒の急変

2022-01-13 | ワンコ修行

私が休みの日、昼前から元気がなく、食欲もなくなった。

小動物病院を予約したが、混んでいるようで夕方、合間に診てくれることになった。

結果・・・・超音波検査で、腹腔内出血を起こしていて、脾臓に塊があるのも見つかった。

その夜、緊急で開腹手術してもらうことになった。

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脾臓に3cmの塊ができていて、そこから出血していたそうだ。

脾臓には他にも5mmの塊が2つほど。

肝臓には、同じ性質のものかどうかわからないが小さい塊があった、とのこと。

夜11時に手術が終わり、夜中1時頃に意識が戻ったそうだ。

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翌朝、会いに行った。

座っていたが、私の顔を見て立ち上がった。

腹腔内には800mlほど出血していて、危ない量だったそうだ。

その血液を静脈へ戻す処置をした。

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2/3の法則、というのがあるらしい。

犬の脾臓腫瘍の2/3が悪性腫瘍で、その2/3が血管肉腫。

現実には効果的な治療法がない腫瘍なのだろう。

病理組織検査してもらうが、結果が出るのはあとになる。

入院前、元気を取り戻していた。

昼に食べなかったフードも、病院へ来る前に完食してきていた。

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4月には10歳になる。

神様からの贈り物と言われる時間を過ごせると思っていたのだけれど・・・ 

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輸血体制が整っているのは大学病院なのだそうだ。

しかし、大学病院への受診を待っていたら、夜中に死んでいただろう。

夜間に開腹手術してくれた先生に感謝したい。