三石川上牧場さん、おめでとう!! カワカミプリンセス! 6月生まれの牝馬がやってくれました。
遅生まれにも、牝馬にも生きる権利を!!!!
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USAでケンタッキーダービー馬Barbaroがレース中に骨折した。
次のサイトで骨折の状況を見ることができる。
http://video.msn.com/v/us/v.htm?g=4afe694b-538f-4f1c-a732-809ec514a9c5&f=&fg=copy
レースを見ている調教師夫妻。事故に気がつき大急ぎでその場を離れる調教師。残された奥さんの顔がゆがむ・・・・・
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AAEP(アメリカ馬臨床獣医師会)は各競馬にスーパーバイザーを置いていて、ケンタッキーRood and Riddle のDr.Bramlage の意見もあり、Barbaro はペンシルバニア大学New Bolton Center へ送られた。
New Bolton Center はこのブログで以前に紹介した骨折の馬を麻酔から覚醒させるためのプールさえある動物病院である。
右後第一趾骨が粉砕している。第三中足骨も折れていたようだ。皮膚は破れていなかった。しかし、振り回したせいもあって軟部組織の損傷もひどく、肢先の血行が失われることも心配されている。
手術は長時間を要したようだ。
球節と近位趾骨間関節を固定してしまう手術を選択している。
用いられているプレートは Locking compression plate と言って、最新のタイプだ。
スクリューは、プレートを当てる側の骨皮質にしか入れない。その代わりプレートにもネジが切ってあり、スクリューそのものがプレートにねじ込まれて固定される。
麻酔からの覚醒にはこのブログでも紹介したプールが利用された。
麻酔から醒めて、無事に立ち上がれるかどうかが、一つの大きな関門なのだ。
ただ、安心はできない。
蹄までの血行が維持されるか、蹄葉炎を起こさないか、感染しないか、良くなってきた頃に寝ようとして、あるいは暴れてさらなる骨折をしないか、etc.
関門はいくつもあるのだ。
競走復帰は望めない。
種牡馬になれるかどうか。命がけの日々は始まったばかりだ。
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実はこのブログで紹介した立位での関節鏡手術をやっているのがこの先生。
また、以前紹介した橈骨骨折症例に親切かつ有益なアドバイスをくれた先生のひとりでもある。
現在のUSA、いや世界の馬整形外科学の頂点、先端にいる人だ。
私が保証してもしょうがないが、コメントしておく。どんな結果になろうとBarbaroは現在の世界最高水準の獣医療を受けていると。
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事故の状況を見たら考えていただきたい。
AAEPのスーパーバイザーDr.Bramlage、骨折馬に寄り添う関係者、騎手を抱いて背中をたたく調教師、馬用の救急車、そしてNew Bolton Center、 Dr.Richardson。
日本には必要ないか? 日本では無理か?
ヌレイエフも19年前に瀕死の重傷を負いながら奇跡的に種馬として再起したと言うケースを知っているだけに、今回も奇跡を信じたいと思います。
ゲートを飛び出したときにヒビでも入っていて、興奮していて痛みもわからず・・・・は考えられますね。
再スタート前は大丈夫だったというコメントも出されているようですが・・・・
私は「奇跡」ではないと思っています。
今、何か変わったのだろうか?
変わっていると願いたいですね。
日本の大学はますます小動物化傾向が進んでいます。
獣医学科を持つ日本の16大学に、きちんと設備とそれを扱える獣医師が一人づつでも配置されていれば、日本の生産地から競馬場までカバーできると思いますが・・・。
とてもムズカシソウ・・・・
右後第一趾骨のレース中の骨折は珍しい部類に入るのでしょうか。
私が少し書物を調べた限りでは、前肢が2.4倍発生率が高いとしかわかりませんでした。
前肢ではなく、後肢だったというのは、ゲートを破ったという普通とは違う動きと関連があると考えられるのでしょうか・・。
アメリカの馬臨床体制はスゴイですね。
だけど、日本にはそのような体制を整えられるだけの馬文化の背景が欠如しているように思います。
大学では馬医療を教える価値が低くなっています。大学でエキゾチックアニマルの診療を教えないのと同じレベルになってしまっているように感じます。もし「正しい」馬臨床学を大学で教わることができたとしても、それを使うことができる現場は極めて少なく、そしてそれを教わることを望む学生も少ないというのが現状です。
結局は、競走馬が大勢を占めるという日本の馬文化の浅さというのが、日本の馬医療の発展を阻む最大の要因と考えています。
生意気な発言になってしまってスイマセン。
どの大学でも馬の臨床を教えるというのは無理で、またその必要もない。ということなのでしょう。馬の臨床を研究、教育できる大学を指定し、学びたい人はそこへ行く。というのが良いのではないでしょうか。
USAの馬獣医師の間でも事故の原因についてメールが飛び交っています。「再スタートの前に跛行していた」と言う人もいます。結果論で言えば、後肢を傷めていたのでしょう。「しかし、それは競馬が持っているリスクのうちなのだ」と言う意見に同調します。
日本の馬文化も多様化して欲しいとは常々思っています。
の違和感断言しました。
第一印象というのか、診た瞬間のイメージって大切にして思った、感じたとおりに他の人に話す事を心がけていきたいと思っています。言葉や表現を選ぶと違う方向に進んで行く事があります。(私の場合)
全米が一頭の馬を心配しているのでしょう。ケンタッキーダービー馬に幸運を。
それはすごいですね。ただ、USAの著名な獣医師が今回の件で、「競走前、歩様の異状を示す馬はいる。それらの馬のほとんどは無事にレースを終え、中には勝つ馬もいる。」と言っていました。
ネット検索で、偶然こちらのブログを見つけて、大変興味深く拝見させていただきました。 現在は、大動物診療(馬、牛)の世界からは、少し離れていますので、こちらで、higさんの記事を読ませていた抱けた幸運に感謝します。 今まで、こういう馬専門のDr.のブログに遭遇したことがなかったので、大変嬉しいです。
近い将来は、小動物か大動物かという選択も再考中で、色々勉強させてください。
僭越ながら、拙記事にTBさせていただきました。
また、もしよろしければ、拙ブログにこちらのブログをリンクさせていただきたく存じます。
私のブログは、ほとんど趣味の域のスタンスで書いている内容の記事が多いので、専門的なテーマについては、突っ込みどころもあるかと思いますが、これからどうぞよろしくお願いいたします。
はじめまして。どうぞ、どうぞリンクしていただいてかまいません。
そのうちゆっくりブログ見せていただきます。最近、仕事で寝不足で・・・・いえ、W杯のせいじゃありません。