馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

馬の歯式

2006-05-20 | 歯科・口腔外科

さて、馬の歯が何本あるかご存知か?

上、下の顎、左、右にそれぞれ切歯が3本、犬歯、狼歯(第一前臼歯)、前臼歯が3本、後臼歯が3本。

雌でも犬歯が生える馬がいるそうだし、狼歯は生えない馬もいる。

 最近、馬の歯を番号で表記する方法が定められた。ようだ(誰が提案し、誰が承認したのか知らない)。

_1 右の上顎を百番台、左の上顎を二百番台、左の下顎を三百番台、右下顎を四百番台で表わす。

 真ん中の切歯が1、その次が2。一番前の臼歯(第二前臼歯)が6。一番奥は11。となる(左)。

Photo_75  左よりの歯の番号はそれぞれ右下の図のようになる。

「311が伸びすぎていて、309と310の間にすき間があるようです」などと表現するようにすれば、慣れてさえいれば手っ取り早いかもしれない。

これからは、この表現でいきましょう。

 そういうと、小学生の頃、歯科検診で歯医者さんが虫歯を番号で読み上げていたなァ。

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P5200043 今朝は5時半に呼ばれた。夜間放牧を始めたばかりの馬の外傷。

朝飯前の一仕事にしてはちょっとヘヴィーだった。


11 コメント

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勉強になります。 (豆作)
2006-05-20 18:31:31
勉強になります。
私もこれから採用したいと思います。
でもしばらくは、カルテにはカッコつきで
左上顎臼歯(211)とか書かねばいけませんか。
これが、請求には関係ないほうの、学術的な記載の改革ですね。
組織の上のほうの人たちは、この辺にも力を入れて欲しいですね。
イヤー、ホームページのことしっかり申し伝えます。 (癒やし系獣医師)
2006-05-20 18:36:17
イヤー、ホームページのことしっかり申し伝えます。
>豆作先生 (hig)
2006-05-20 18:54:51
>豆作先生
 重種の歯は診たことがありません。やっぱり丈夫なんでしょうか。
 競走馬や乗馬はほんとにちょっとした歯科ブームが続いています。

>癒し系獣医師さん
 お願いしますよ。頼りにしてるんですから。
アホな話ですが、昔々国家試験がはじまる10分前に... (風来坊)
2006-05-20 20:07:49
アホな話ですが、昔々国家試験がはじまる10分前に馬の歯式を聞かれた記憶があります。犬や猫や牛を覚えても馬は覚えない方が結構いたようで・・・。
馬って、獣医学科でも特殊でしたね・・・。
授業もほとんどやらなかったし・・・。
授業で学んだ時間より、乗っていた時間のほうが多かったな・・・。
>風来坊さん (hig)
2006-05-21 06:46:12
>風来坊さん
 う~ん、馬のウェイトはますます減らされているんでしょうね。しかし、人が乗れる唯一の家畜であり、獣医学の歴史的背景から見ても・・・・、競馬は一大産業であり、生き残っている貴重な奇蹄類としての馬は・・・、もっとも個体診療が求められる大動物であり・・・・
 馬の数が増えてもらうしかないか・・・・
自分が学生の頃ですから3年くらい前のことですが、... (風来坊)
2006-05-21 12:28:16
自分が学生の頃ですから3年くらい前のことですが、馬を実習として扱う総時間は、16大学で一番少ない大学ですと6年間で5時間だそうです・・・。
自分の大学も、解剖で1日・外科実習で1日・病理解剖の見学で2時間でした。

外科実習も130人で1頭です。
もっとも、やりたがる人間も、自分と馬術部の二人でしたので、心置きなく実習できましたが・・・。

ある空港で着地検疫中のお話
採血に来た新人獣医さん。
採血する直前馬にかまれそうになり逃げました・・・(泣)
本当に日本の大学(特に関東)では全く馬については... (S.I)
2006-05-21 16:53:45
本当に日本の大学(特に関東)では全く馬についてはやらなくなりましたね。国家試験勉強のために少し馬を勉強するくらいのものです。もっとも国家試験のウエイトもほとんど小動物になりましたが。
さて歯式の記号なのですが、左の下顎が三百番台ですよね。一応念のため・・・


>S.I先生 (hig)
2006-05-21 17:46:12
>S.I先生
 そうですか。国家試験の内容もシフトしているんですね。
 ご指摘有難うございました。左下が三百番台。訂正しておきます。
いつも拝見させてもらっております。 (ニコリ・ボルコフ)
2006-05-22 11:35:58
いつも拝見させてもらっております。
コミック「動物のお医者さん」に、馬の歯の本数の暗記の方法がネタになっていて、「江川の耳」「掛布の耳」「大耳」といった感じで紹介されていました。やはりそういった暗記法で覚えたのでしょうか?

閑話休題。昨日のプリークネスSのバーバロのアクシデント。普通なら予後不良の重傷だそうですが、回復の可能性はあるのでしょうか?アメリカの最新の技術を信じたいものです。
>ニコリ・ボルコフさん (hig)
2006-05-22 18:49:50
>ニコリ・ボルコフさん
 その暗記法は知りません。私だって馬については必要だから知っているものの、他の動物についてはすっかり忘れました。というより覚えた記憶も・・・・
 Barbadoについては記事を書きましょう。

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