▼仕業(しわざ)……2

 

 朝夕の涼しさに深まりゆく秋を感じて暮らしていて、街角で黄色い花を見つけるとドキッとし、通りすぎた夏の炎天下にもう一度連れ戻されそうな気分になる。




六義園界隈で見かけた黄色い花たち



 通りに面して作業場が開け放たれていた。立ち止まってじっと眺めているといかにも不審者然とした自分の姿が思い浮かぶので、そそくさと写真に撮らせていただいた。ここにもまた興味尽きない人の仕業(しわざ)の痕跡がある。



 近くの商店街で店を構える青果店の倉庫なのだろう。突き当たりにある冷蔵庫には、おそらく自家製漬け物が仕込まれており、扉手前の石は漬け物の重し、上のホワイトボードには仕込みの記録が書かれているのだと思う。
 9月18日の自分の日記をもう一度転記するなら、
「暮らしの中にある仕業の痕跡を眺めると、やはりレコード盤を針がなぞるように、懐かしさで胸がみたされる」
というような、心に働きかける言葉が、この風景の中にもある。

 

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