つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

冬林檎

2009-05-31 | 
 知り合いの俳人Tさんが、十年ぶりに句集を出版され、贈って下さいました。タイトルは、

鬼房逝く冬林檎ひたすらに噛み

から「冬林檎」とされました。
 彼女は80歳を越えてなお句作に励み、更に岐阜県俳句作家協会事務局長として、毎年県下の俳人の作品をまとめ、句集発行責任者の任務もはたしておられます。
 「冬林檎」の最初の頁には、書家である夫君による彼女の句の水墨作品が掲載。
地名のある私の好きな作品より

金星に近き斑雪の伊吹かな

春夕焼富士は妖気をまとひをり

焼岳の匂ひをはこぶ驟雨なり

木曾馬を見守りてをり朴の花

白梅や大和石仏やはらかに

(伊吹山も焼岳も昔登った山ですし、富士山麓にも大和にも度々出かけています)

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 都忘れ | トップ | 続 夏渡り橋 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (平安人)
2009-05-31 09:21:40
お早うございます
俳句は全く判らない私ですので コメントする資格はないのですが 挙げて頂いた句の中で
 白梅や 大和石仏やはらかに
が 自分にはすぅーと入って来ました
作者はどの辺りの石仏を仰っているのかと思いつつ 私は柳生街道の仏達が目に浮かびました 
返信する
Unknown (平安人)
2009-05-31 09:29:16
書き忘れておりました
毎回記事をご覧頂まして有難うございます
私は 神仏習合とか 廃仏棄釈など民俗学の先生の話を聞いたりしているせいか 興味があるのです また地方の草深い所の土着の宗教にも関心を持っております
返信する
平安人さま (matsubara)
2009-05-31 15:29:01
他にも秀句がいっぱいありましたが、地名を入れた作品は比較的親近感がありますので選びました。前回の句集も頂いていますが、10年前はまだブログを開設していませんので・・・

平安人様は向学心がお強いと聞いて陰ながら尊敬しています。
返信する
日本語の美しさ (大五)
2009-05-31 17:52:56
何時もおもうのですが、短歌、俳句には日本語の美しさを感じさせられます。
特に文語調には響きを感じさせられます。
ちょっとオーバーの表現かもしれませんが,侘び、寂びの表現が出来る日本語は世界一の言語と思います。(日本語以外知らないのですが)

歌を為さる方、大五と太極拳をやっている仲間(彼女は俳句)からも感じるのですが語彙の豊富な人、とっても尊敬してしまいます。

「匂ひをはこぶ驟雨」きれな日本語ですね
雰囲気が伝わってきますね。

「鬼房」って師と仰ぐ歌人のお名前なの?
返信する
大五さま (matsubara)
2009-05-31 19:46:03
本当に文語調は美しいですね。いつもそう思いながら歌を読んだり作ったりしています。

佐藤鬼房氏は、宮城県に住んでおられました。俳誌「小熊座」を主宰しておられ、蛇笏賞も受賞された人で、1/19に亡くなられました。
返信する

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事