つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

私が「日本人だ」と答えると・・・

2024-07-08 | Weblog

丸谷さんのメルマガより

ある日、私は戦跡調査から
帰る途中に車がパンクし
身動きが取れなくなってしまいました。

すると突如として、
森の中から現地部族の
男たちがゾロゾロと姿を現し、

あっという間に
取り囲まれてしまったのです。

多勢に無勢…

共にいた警察官は
危険を察知し、
腰に下げた拳銃に
手を伸ばします。

そして、もう一丁の銃を
私に手渡し、こう告げました。

「何かあったら、撃て」

私は、手渡された
ショットガンを見つめ、
困り果ててしまいました。

すると、
現地部族の男がこう訪ねます。

「お前は中国人か韓国人か
 それとも、マレーシア人か」

私がすかさず、

「日本人だ」

そう答えると、
無表情だった男たちの
態度は一変。

急に笑顔に変わり、
私を取り囲み、次々と
質問を始めたのです。

「日本軍はどうして
 いなくなったんだ」

「日本はどれぐらい遠いんだ」

「日本の兵隊は
 いつ戻ってくるんだ」

なぜ、今さら
日本軍の話をするのか…

なぜこんなにも
日本へ関心を持っているのか…

その時の私には
検討も付きませんでした。

さらに、
そうこうしている間に、

今度は現地部族の女が
銀のたらいを持ってきて
無言で差しだします。

中には煮たイモが入っており、
私に「食べろ、食べろ」と
すすめてくるのです。

そこで私は、恐る恐る
一口かじってみました。

すると、これが思いの外、美味しい…

「トゥルスイ!(美味い)」

そう、現地の言葉で告げると、

現地民たちは沸き立ち、
一人の男が立ち上がり
こう叫んだのです。

「日本の兵隊と同じだ!!」

私は一体、
何を言われているのか…

写真は宮崎マンゴー

コメント
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