つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

天国からの手紙

2012-06-28 | 
 人に勧められ、武本昌三著「天国からの手紙」を一気に読みました。著者は大学教授でエリート一家だったのですが、1983年大韓航機撃墜事件で、最愛の妻子を喪われました。優秀な息子さんを21歳で喪い、その衝撃は計り知れないほどでした。墜落原因を追究し、米国大統領に直訴されたり、苦難の日々を過ごされていました。でも米ソのなれあいで、事件の真相はナゾに包まれたままです。

 ところが英国霊能者により、霊界の妻子と交信できるに至り、早すぎる死の意味とか、死の受け入れ方も変わり、墜落させた大韓航空や米ソに対する恨みも消えて、納得されたようです。霊界のことを信じない人にとっては、ここまでの道のりが大変だったと思います。知的な人ほど受け入れにくい世界ですから・・・遺された著者と娘さんとの生き方も霊界を知るようになって変わったようです。霊界を知れば誰でも生き方は変わると思います。

 なお、著者のホームページ(http://www.takemoto-shozo.com/)は膨大な情報が入っています。82歳になられるのにこまめに更新されていて驚きます。丁度、この本を読了した6/24に病気で入院。それまで毎日更新されていたのに、ストップしてしまいました。

 大韓航空機の墜落現場のモネロン島付近を見晴らす慰霊碑の文を著者は次のように作られたのに、アメリカを気遣う外務省やソ連を刺激したくない、稚内市の意向で骨抜きになってしまいました。

 「愛しい人たちよ、1983年9月1日の未明、あなた方を乗せた大韓航空007便は安全運航の責任と義務を放棄し、定められた航路から500キロも外れて故意にソ連領空を侵犯しました。そのためソ連迎撃機のミサイルで爆破され・・・・・・・・
 アメリカ政府と軍部はこの領空侵犯を熟知していて、はじめから終わりまで克明に追っていた筈であったのに、なぜ警告して救おうとしなかったのでしょうか。ソ連政府と軍部はこの航路逸脱を二時間半にわたって捉えていながら、どうして軍用機と間違えて撃墜してしまったというのでしょうか。
 愛しい人たちよ、あなた方の生きる喜びを無残にも奪い去った大韓航空と米ソの人命軽視を私たちはあくまでも糾弾し、真相を明らかにすることを誓います。・・・・・・・・どうか安らかにお眠り下さい。」 Gakken発行 332ページ。

 二日ほどお休みします。

        
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川越のお菓子 2

2012-06-27 | わが家
 タイミングよく来客があり、昨日は川越のお菓子を召し上がって頂きました。お抹茶にぴったり。二人とも初めてのようで喜んで頂けました。上の写真は、昨日の箱の右下にあった、「くらづくり最中」です。箱の左上の「べにあかくん」は、スイートポテト。これは絶品でした。

 花は、二杯とも、半夏生(はんげしょう)。これを活けるのはこの時期だけ。花が少ない時なので重宝します。

 とれとれの玉蜀黍を頂きすぐ茹でて賞味しました。下段の枇杷は別の日に頂いたもの。我が家は植えて10年にもなるのにまだ実がなりません。10年ではとても足りないと言われてしまいました。木だけはよく成長しているのですが・・・

 最下段は、頂もののあられ。「あれこれあられが勢ぞろい」とは、面白い表現です。

  
             
          

          
    

        

    

      
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川越のお菓子

2012-06-26 | わが家
 昨日は、思いがけず三重県のブログ友のIさんから、川越の「くらづくり本舗」のお菓子が贈られて来ました。こちらがお世話になっているのに申し訳ないことでした。聞けば、奥様が関東出身で、今そちらにおられ、送って下さったとのこと。益々恐縮しています。

 川越へは東京にいた平成4年に友人と散策して、関東大震災にも倒壊せず残っていた多くの蔵を見学。喜多院にも行きましたが、こんな銘菓があるとは知りませんでした。どれも美味しく頂いています。今日の来客にも、お抹茶と出そうと思います。

 栞には、
「お城のような鬼瓦と黒い壁の家並は、なつかしい昔の情緒をしのばせてくれます。蔵づくり、人づくり、国づくり、かつては江戸の母とうたわれた川越の街づくりは、縁起の良いこの蔵づくりからはじまりました。」
と書かれています。篆刻の印(右側の蓋のもの)の書体が、特に素晴らしいです。

      
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奈良だより 87

2012-06-25 | 短歌
 先日奈良の前田様から、貴重な資料が送られてきました。いつものメールではなくて、大判の封筒に、「石見相聞歌の妹の世界」という学術論文が入っていました。それと下の写真の「よろずは」が添えられていました。これは万葉を訓読したもの。奈良国立万葉文化館館長の中西進先生が題字を書かれています。

 中西先生は、20年前、姫路文学館の館長さんでした。そこでの万葉講話は聞きに行ったことがあります。兵庫県にいたので・・・今もお元気に活躍されているようですね。万葉文化館は、平成13年にオープンしたようですが、まだ未訪です。
 前田様によると、「よろずは」は、文化館に団体さんが来ると一時になくなる時があり、バックナンバーが揃わないそうです。詳しく万葉歌が解説してあります。

 資料の石見相聞歌は、巻二の131-140 の、柿本人麻呂が奥様を詠んだ作品のこと。詳しい解説と背景が述べられています。万葉古代学研究所年報の抜刷。筆者は、竹本晃氏。
 石見相聞歌の歌群の捉え方について、今も意見が一致しないのですが、近年石見国の古代山陰道が提示。山陰道が復元されたことにより、本来の研究視角が可能となり、筆者はそれを検証されました。
 得難い文献、ありがとうございます。



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岐南さくら南保育園開園式

2012-06-24 | 岐阜県
 民生委員を承っていたころは、毎年開園式の来賓招待を受けていたのですが、今年は4年ぶり。昨日は、夫が老人会代表のため、その代理で出席しました。
 この間には、民営化され、式の様子も以前とはすっかり変わり、フルートのデュエット・コンサートまで催されました。プログラムは、ヴェルディの「乾杯の曲」に始まり、子どもたちのために「トトロ」も・・・本来はピアノ曲ですが、フルートによるモーツァルトのトルコ行進曲もよかったです。子どもたちも小さい頃からクラシックに触れるのは、よいことだと思いました。

 来賓室には子供と先生とで抹茶とお菓子を接待。これもおいしかったです。帰りは手土産まで頂き、恐縮してしまいました。4年前までは、鉢植えの花でしたが・・・この保育園はブログも公開されています。

 午前中開園式に出て午後、所用で岐阜に行こうとすると、なんと名鉄の車中でばったり、小島信夫文学賞受賞者の小島正樹さんに遭遇。(6/3に紹介) びっくりしていると、「これから授賞式に行くのです」と言われ、しばしお話しました。最下段は、今朝の中日新聞記事。

  

           
            フルートデュエットの河田さんと平野さん

          
   
    慶祝うどん


中日新聞岐阜県版 6/24付け
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湯葉料理 2

2012-06-22 | 学校
 昨日は、放送大学心理学サークルの食事会がありました。今年5/12に紹介した小山田先生のご高著「詩歌療法」の講義の後、近くの「梅の花」に行くことになりました。
 ご著書は、ブログには紹介したものの、まだ深く読み込んでいないところのがあり、忸怩たる思いでした。講義終了後行った「梅の花」のことは、昨年12/16にも書いています。湯葉料理が先生もお気に入りのようですので、同じ場所になったようです。出版祝賀会と申しましょうか。90歳の青木さんもヘルシーと言われお気に入りの様子でした。帰りには、前回と同様川田さんからまたミックスジャムを頂きました。
 上の写真は、部屋の床飾り。軸の絵柄は三枚の小皿。

 昨夜は、ふれあい福寿会館でのワンコインコンサートにも出かけ、雨の夏至の前夜を楽しく過ごしました。久保田巧さんのヴァイオリンによる、シューベルトとクライスラーは素晴らしかったです。ピアノ伴奏は、村田千佳さん。シューベルトのセレナードの生演奏も久しぶりでした。一時間程度でしたが、ワンコインでクライスラー二曲のアンコールは申し訳なかったです。でも拍手が鳴りやまないのです。
 
  
   手前の小皿は湯葉入りのおから

      

  
   前回(12/16)はうなぎでしたが、今回は黒米入りごはん

         
          デザート

              
             スモークツリーがうまく活けてありました。

         

              
    
   
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鎮守の森の物語

2012-06-21 | 
 この「鎮守の森の物語」ーもうひとつの都市の森ーも、向田講師がDVDの講義の中で紹介されていました。これも図書館にありました。植物好きの私にとっては興味深い本でした。著者の阪大教授・上田篤氏は、1970年の大阪万博でお祭り広場を提唱した人。学者らしくあちこちの鎮守の森を調査。恐らく地元の人さえ知られていない神社を隈なく踏査されています。伊豆や若狭の神社の創立年、参拝の方向、祭神、名前の由来まで・・・参拝の方向は、山、海、湖、古墳とか・・・中には不明もあるようです。創立は、日本書紀の書かれた時代まで遡れる神社があります。

 明治政府の神社合祀令により、数多くの神社がなくなりました。19万も神社の森があったのに、今は10万。明治政府の要人は、学問する人がいなかったので、というより文化財に対する意識がなかったのか、神社の価値も分からなかったのでしょう。廃仏毀釈も同じです。丁度中国の文化大革命により、貴重な文化財が破壊されたと同じように・・・今頃悔やんでいるようですが・・・
 著者が踏査された、若狭の美浜町は、明治政府の神仏合祀令に従わなかったため、多くの神社の森が残っています。昭和天皇にも会ったと言われる南方熊楠も合祀に反対した一人でした。

 著者は、神という言葉はともかく「金銭に象徴されるような現在の物質社会を超えるもっと美しいもの、もっと永遠なるものを求める」と言えば、誰しも納得するのではないか」とも言われ、更に、ニュートンもアインシュタインもすぐれた科学者であったが、どうじに熱心な神の信奉者でもあったと、言われています。また、最先端の科学であるヒトノゲムを解読した村上和雄は、それは人間がつくったものでなくて、「サムシンググレートである」といっている。それはもはや「神」といっていいのではないかと、言われています。思文閣出版発行。297ページ。

   
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夜と霧

2012-06-20 | 
 先日、向田講師(記事は2010.10.22) の講義のDVDを見ていた時、フランクルの「夜と霧」に触れられたので気になり、早速図書館で借りることにしました。一言で言えば暗いです。でも避けて通れない気がしたのです。
 著者は、ナチスのユダヤ人殺害計画の中に入っていたのですが、幸運なことに、アウシュビッツから辛うじて生き伸びました。精神科医師ですので描写がなまなましいです。本の表紙の番号(写真下)は入墨された囚人ナンバー。極限になると人間はどうなるのかということが、赤裸々に書かれています。普通では考えられないことが脳裏に浮かぶようです。

 アウシュビッツを出て、次の収容所に移送されるときは、かまどと煙突がないところで嬉しかったそうです。もう焼かれることはないから・・・しかし、ここでも発疹チフスの病み上がりの状態で医師をされ、死体の収容とか・・・人肉を食べさせられる寸前までの極限状態でした。
 死体を2体運び出したところで、赤十字の車が来て救援。その後も想像できない人間の心理が描かれています。

 ウィーン大学精神医学の教授であったのに、ユダヤ人ということで、突然妻子とともにナチスの強制収容所に入れられます。妻子とは別のところに収容。持物、衣類は全部没収され、身分を示すものは何もなく、名前もなく、119104という番号だけで、すべてが処理されるのです。数年の間極限状態に置かれると、人間は解放されてもしばらくは現実と幻想と区別できなくなり、誰もが放心状態になるようです。
 ナチスの犯した罪を記録しようと速記録が残され、この本が出版されたのですが、最愛の妻も子もガス室で処刑されてしまいました。

 この本は池田香代子さんが翻訳されていますが、初版の訳者は、霧山徳爾さん。彼は著者のフランクルに会いにドイツまで行き、親交を深めておられます。世界中に翻訳され、600万部出た大ベストセラーなのに知らなかったことを恥じています。ナチスについての記録として、アンネの日記とともに広く読まれているようです。

 これを読んで思ったことは、日本兵をシベリアへ抑留した理不尽なロシアのことも、こういう形で記録されて、世界に訴えたらよかったのに・・・日本人はそれが今も出来ていないことが残念です。国際条約違反だと叫んでも、世界に伝えられないのがくやしいです。

 池田香代子訳。みすず書房。170ページ。

        
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神戸新聞の100日

2012-06-19 | 災害
 元記者の則本さんから紹介された「神戸新聞の100日」がアマゾンから届き、一気に読み終えました。(表紙の写真は6/6) DVDの「神戸新聞の7日間」より別の意味でのすさまじさが感じられます。
 100日というタイトルですが、7日間の内容が9割を占めています。DVDと重ねて見ると余計理解しやすいです。無論いつも写真を送信下さる、則本さんも登場されます。

 震災一週間目(1995.1.24) に、神戸在住の作家、陳舜臣さんが特別寄稿をされています。(最下段の写真) その日の新聞記事が、そのままこの本の巻頭言になっています。本には、記事掲載までのいきさつも書いてあります。まだ存命しておられたのですね。私は神戸にいた40年前、陳さんの講演を聞きに行ったことがあります。詳しい内容は忘れましたが、司馬遼太郎さんよりよかったです。
 陳さんが、どんなに神戸を愛しておられたかがよく分かりました。

 神戸の人が、どんなに地元を愛しているかは、つとに知られています。他市に住む人に比較して、愛郷心は並でないのです。神戸だけではなく、兵庫県全体の人が兵庫を愛しているのです。そこに住んでいた頃もそれは感じていたのですが、最近ネットで調べ物をしていたら面白いページにたどり着きました。
 東京の人が管理しているサイトで、地方を悪く言うページがあり、そこには各地方の悪口雑言が呆れるほど書かれています。ところが兵庫県のページだけは、管理者の東京人と東京を、滅茶苦茶こきおろしているのです。これは痛快極まりないです。都会人奢るなかれということらしく・・・

 この本により、神戸新聞は、明治31年創刊、松方コレクションで有名な松方幸次郎氏が初代社長であったことなどを知りました。114年間、戦時中でも休刊しなかったという誇りと愛社精神が、あの大震災後の極めて困難な状況の中にあっても、新聞を発刊させたのでしょう。なお一層団結力が強くなったのではないでしょうか。
 前日に震度1の地震があったと言う小さな記事も、後から考えると意味がありそうです。

 新聞会館のあの見慣れた富士山のモザイク画を作った職人さんの娘さんが、新聞社に出した手紙に、父曰く、「オレが死んだあとでも富士山は残ると思っていたのに・・・」と、書かれていたそうです。社屋も昭和29年としては斬新で、強健だったのに・・・
 神戸新聞社著。プレジデント社。281ページ。

  
  第一章 本社崩壊

      
      巻頭言の陳舜臣さんの「神戸よ」
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デュオ・コンサート

2012-06-18 | 文化
 昨日は、高校同窓会でピアノを演奏下さった久野さん(記事は、2011.8.8と、2012.6.3)が、28年率いておられるピアノグループ「えすぷり」によるデュオコンサートがあり、招待されたので、名古屋のしらかわホールに出かけました。数年前に行った時は、時間がなくてホール外観を撮らなかったのですが、今回は早めに行き道路反対側から撮影。建物の正面から見ると、パイプオルガンのイメージ。(写真上) 入り口もモダンです。椅子は、シートの三分の一だけ跳ね上がるので、物を置いても隙間から落ちません。

 プログラムは、シューベルトの鱒からスタート。この曲を聞いたのは久しぶりです。43年前、夫が初めてヨーロッパに出張した時、ドイツで、「鱒」のカセットテープを買ってきてくれました。本場の演奏をしばらく楽しみました。同行した東大教授のI先生に勧められて買ったようです。
 二台のピアノを4人で演奏。つまり、8手で弾かれました。

 次は、ドヴォルジャークのスラヴ舞曲。久野さんと、大学名誉教授の藤本さんとの連弾。それから、ミヨーのスカラムーシュ、シューベルトの幻想曲。これは、久野さんと大阪音大後輩の福田さんとの連弾です。最後は、ブラームスのハイドン主題による変奏曲でした。

 デュオですから、二台のピアノが並んでいます。メーカーは、ベーゼンドルファー。久野さん以外は全部女性の華やかなコンサートでした。彼は、大阪音大岐阜支部演奏会を毎年開催されているだけでなく、「えすぷり」も主宰。その上、大学の講師までされています。白髪が輝いて見えました。こういう年のとり方はすばらしいです。9人による素敵なコンサートでした。

 昨日は、もうひとつ嬉しかったことがあります。最下段の写真は、息子夫婦からの父の日のプレゼント。

     
      しらかわホール入口

          
           インフォメーション

    
     開演20分前

           
            父の日のプレゼント
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