伊藤先生を私に紹介下さった岡田先生の歌集「盡光集」です。194ページ。1989年刊。この前に出版された「拓韻集」と、この後に出された「惜命集」の3部作は、たぐい稀な才能の片鱗を思わせるものがあります。神戸市のK大学教授でしたが、定年退官され、伊藤先生のように無碍無心の神遊びをされているのではないでしょうか。実に物静かな人という印象で、手紙の文字は端正というべきか・・・右下は平等院で買った文鎮。
朴の花咲ききはまりて散りしとき五月の闇は深みゆくべし
天の声うつつの耳にひびく夜はわがたましひの星辰に似む
しろがねのひかりの空と思ふまで虚空を磨くきさらぎの風
玄黄の天地の間(かん)にたたずみて白き頁の詩集を開く
わがいのちの光尽くさばいつの日かいのちは時間(とき)の光にぞ似む
朴の花咲ききはまりて散りしとき五月の闇は深みゆくべし
天の声うつつの耳にひびく夜はわがたましひの星辰に似む
しろがねのひかりの空と思ふまで虚空を磨くきさらぎの風
玄黄の天地の間(かん)にたたずみて白き頁の詩集を開く
わがいのちの光尽くさばいつの日かいのちは時間(とき)の光にぞ似む
2人は共通するところがあり、お互いに尊敬しておられます。
どちらも孤高の人ですね。
今日は岡田先生の歌集から紹介して頂き有難うございます。
お二人とも、全然知らない方ですが、歌から受けた感じでは、伊藤先生と生き方が似ておられる様に思いました。
特に、最後の「わがいのち光尽くさばいつの日かいのちは時間の光にぞ似む」
読みながらパソコンに打ち込んでみて、素晴らしい歌ですね。このような心境になれたら。