湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

8/5 企業の医療・保健改善支援活動について

2014-08-06 04:48:18 | 地震津波災害ボランティア

2014/08/05 記
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被災地に企業からの支援活動として様々なアプローチがなされている。医療関係もまた、被災地の住民の健康管理をめざすという形で入ってくる。しかし話を聞いてみると首を傾げざるをえないものもある。企業の支援の基本には、Win-Winの関係をめざす。そのために、「自分の企業活動が」公共の利益・改善に役立てないかと論をたてるために、今、被災者が、現在何を必要としているのかというところから離れて、自分の活動の公共性を先験的にたててしまう。これは一般のボランティア活動にもいえることだが、企業側の「Win」は強い。災害の無い場合の企業活動と大差なくなっている例を見かける。その行為が提供者に抽象的な充実感以外の何者をも得ない活動が消えている。

これはきれいごとではない。被災地にかけつけて、ガレキを撤去しても、当人に金が落ちるわけではない。3.11はその意味で、ボランティアという不合理な活動が存在しうることを実証したのだと思う。

実は医療ケアの分野でもそれは起こっているのだが、困ったことに、この分野では受益者がクリティカルな目を持ちにくいために、それを受け入れてしまっている。ある医療機器メーカーが複合商品を出したとする。その商品は長期的な目からすれば、住民の健康改善に役に立つ。しかしそれは、その商品でなくとも単機能機ですむことであっても、その商品のマーケット拡大活動と同じであるのに、健康改善活動として行政のバックアップを得て展開されている。

これはその活動が、誰に主導されているかという点を見失うと住民は羊の群れになってしまう。今、必要なことの優先順位もおかしなものになってしまう。ソーシャル・ビジネスとか、ソーシャル・カンパニーといわれるものが、解決力という魔術によって危うい橋を渡っているのと同質のものだ。

以前も書いたが、被災後半年もたたないうちに、子どもに明るい未来をということで、被災者と近隣の子どもたちに「夢の未来車」を描かせた活動があった。描かれた絵は、宇宙に飛び出せる車や、海中を走る車などが描かれていた。非被災地の子どもと同様の絵が描かれた。

昨年、被災地の子どもが学校で、ハンカチにメッセージの絵を描き、それを販売して、その純益を自分たちでどう地域に役立てるか考えさせる試みがあった。そのハンカチの絵は、あちこちで、あの被災体験が顔をだしていた。

どうして、未来の車とハンカチは、違った傾向を持ったかを考えると、被災後を生きる者としての目と、便利マジックに落ち込んで空を眺める者の目の違いによるものだと思うのだ。

話はもどるが、生活慣習なみに厄介な課題ではあるが、医療ケアの支援活動は、高邁な専門性を持つ行動に従う従順な患者という基盤から距離を置きたい。今起きている避難生活というハイ・ストレスな環境の中で、生まれてくる疾病や、社会的困難に、身体の治療と改善という臨床医学の社会遮断を行わず、コミュニティや社会活動と関連付けた極めてシステマチックな自主活動促進の方向性を前提に持ちたい。

被災者の仮設住宅生活が始まって以降、家庭や私的生活が扉の向こうに分離され、隠れてしまってから、長期戦のボディ・ブローが効いて来ている。家族・仕事・財産の喪失・持病の悪化などの課題が、被災という社会的体験が背景にあることを抜きに私的な問題と解する閉じこもり的な過ちの壁を越えるところで、被災者と出会いたい。

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今日はビッグイシュー誌の配達を行うついでに、藤沢側の障がい者施設と特別支援校に、懇話会と「わーく」の通信を手渡しつつ、医療サポートの必要な障がい者活動の推進者との接点を求める打診を行ってきた。金曜ミニカフェに誘うにしては、場所が遠すぎたが、口コミを拡げて欲しいので紹介をしてきた。題材が高齢者関係が多いので、反応はいまいち。

しかし暑い。風が吹くと目が乾いて霞んだ。視力が落ちているので、バス昇降時につまずいてしまった。こういうことがあると、もし私の目が見えなくなったとき、本は機器の性能の範囲で、制限がきついがなんとかするとして、私を運んでくれる人がいないことに、タイムリミットを感じてしまう。どうしたらいいのかと悩む。手堅い活動はどこにあるのか、つい、眉間に皺が寄る。昨日は落ち込んでいた。こういうときは、ひとに会うに限るのだ。

夜間傾聴>ひとり

p.s.開業医も休むお盆がやってくる。石巻は2宿泊しないと回りきれないことがわかり、予算不足。憂鬱なり。

(校正1回目済み)

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