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こころを上手に読むための10箇条

『精神科医はどのようにこころを読むのか』より

1 人間のこころを読むのは簡単なことではない、ということを知る

 人間のこころを読むというのは、そう単純ではありません。「笑ったから喜んでいる」、「泣いているから悲しいのだ」と単純に決めつけられるものでもありません。たとえば、うつ病の人が、面接の中で「もう大丈夫です」と答えたからといって、安心できるものではありません。更なる苦悩を抱き、自死の覚悟をしたから、「もう大丈夫です」と答えたかもしれないのです。

 話すことや聴くこと、表情や仕草、行動の観察、そして周囲の人からの情報など、さまざまな観察や情報の整理を経て、こころが読めていくという作業ができていくのです。

 こころを上手に読むために、私は、その作業が単純なものではなく、丹念に分析していく過程が必要であることを心得ておくことが大切だと思います。こころを上手に読むコツをすぐに知りたいと思って本書を手に取っていただいた方には、希望に沿わないかもしれませんが、作業を丹念に続けていくという覚悟が、第一に要求されます。

2 こころを読むことは科学的でもあり、非科学的でもある

 こころを読むためには、論理的な思考も必要ですが、一方では情緒的な関わりも大切だということです。こころを読む資料を得るためには、話を聴くことがもっとも重要ですが、情緒的な関わりがないと聴くべき内容を引き出すことができません。

 そうして聴き取った内容や行動の観察を基に、こころを読んでいくことになりますが、この際にはそれらの資料を分析していく論理性が要求されます。また、正しくこころを読み取っているか否かの検証の際にも、エビデンス(実証)を求めながら検証していくという論理性が求められます。

 こころを上手に読み取っていくには、科学的な部分と非科学的な部分がバランスよく遂行されていくことが必要です。

3 こころの病気を正しく理解することが、こころを読むことの助けになる

 本書は精神科医が、どのようにこころを読むのかという主題で、筆を進めてきました。精神科医はこころを読むことで、患者さんをよく理解し、そして診断、治療していこうとします。さらに、こころの病気に罹ることで、こころにどのような変化が生じるのかについて、多くの症例との出会いを通して、知るようになりました。

 統合失調症、うつ病、アスペルガーー障害、境界性パーソナリティ障害……等の多くの病気の特徴や症状を知っているので、精神科医は病者がこのように感じているのだろうと理解しやすいのです。したがって、読者の方は、こころの病気の細かい部分まで知る必要はありませんが、本書に挿入したような病気の事例を理解していると、こころを読むことの助けになると思います。また、専門家に相談したり、アドバイスを受けたりすることもプラスになることを知っていれば、問題の解決に役立つでしょう。

4 先入観をもたないようにする

 こころの病気の知識を有していることは必要ですが、一方で先入観をもって他者を評価しないように心がけることも大切です。この疾患であるから、このように思っているに違いないと断定するのは誤りです。精神科医は、丹念に話を聴きとり、様子や表情を観察し、周囲の人の情報も加えて、病名を診断し、それに基づいて治療を進めていきます。しかし、ある病気と誰かが診断しているから、このように考えているに違いないと断定することはありません。

 つまり、○○病だからこのようなこころの特徴をもっていると考えるのではなく、このような症状や状態の特徴があるから○○病だと考えるのです。逆は真ではなく、そのように考えてしまうと、誤った先入観として働いてしまうということになります。

 一般の人でよく出会うのは、○○病と診断されたから、あの人のこころはこうであるに違いないと決めつけてしまうことです。こころの病気では、たとえ同じ病名でも多様性があり、個々の事例に即して理解を進めていかなければならないことが通常です。

 先入観によって判断してしまうと、こころを深く読めないばかりか、読み間違うことが生じてしまうので、特に注意が必要です。

5 既存の価値基準に左右されないように

 うつ病が発症する要因として、さまざまな出来事との遭遇があります。「失恋した」、「大切な人が亡くなった」、「リストラされた」等ということがあれば、うつ病に罹っても不思議でないと、誰もが思うことでしょう。

 しかし、「努力が認められて昇格した」、「難しい仕事ができあがった」というような、他者からみて大きな喜びを伴う出来事が、時にうつ病発症の要因になることがあります。昇格により給与が上がるのは嬉しいことですが、責任も増え、部下を管理することが必要になります。また、大きな目標が達成できたことは大きな安堵につながりますが、その後、目標を失った虚無感やむなしさを感じた経験のある人も多くいると思います。昇格うつ病、荷卸しうつ病は、精神科の臨床でしばしば見られる病気なのです。

 このように既存の価値基準や自らの価値観に縛られすぎると、他者のこころを正しく読み取ることができなくなります。できるだけ自らのこころを真っ白にして、他者を理解していくように心掛けていくことが必要です。
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石油を使わない超軽量自動車

『再生可能エネルギーがひらく未来』より 新しい火の創造

移動に使われる燃料全体の七五%が自動車を動かすのに使われています。そこで、まずその自動車に石油を使わなくてもよくすることを考えてみましょう。

一般的に自動車を動かすのに必要なエネルギーの三分の二は車の重量に由来するものです。したがって、自動車の重さと空気抵抗を減らすことによって車輪におけるエネルギーを一単位減らすと、車輪に駆動力を伝えるためのエネルギーを六単位減らせることになります。燃料タンクから見ると全体で合計七単位減らせます。したがって、重量を減らすことは非常に重要です。

この四半世紀ほどの間に、車の世界でも肥満が蔓延しており、二トンの鉄製の車が速いペースで二倍に重量を増してきました。しかし、今日では、超軽量、超頑丈な素材である炭素繊維複合材に変えることによって大幅な軽量化を図ることができます。そして、車をよりシンプルに、安くつくることができます。車が軽くなると、その動かす力も少なくて済みます。エンジンを小型化できます。そして、車を電気で走らせることもできるようになります。といいますのは高価な蓄電池が二上二倍小さくなりますので、軽くなり、安くなるからです。この車の値段は今日のガソリン車と同じぐらいで、おまけに燃費も改善されます。

こうした革新により、自動車メーカーにおいても従来の金型、あるいはエンジンの技術で細かくコストを下げるのではなく、ムーアの法則(インテルの創業者ゴードン・ムーアが一九六五年に「半導体の集積度は一八ヵ月で倍増する」と提唱したとされる法則)にもありますような大幅なコスト削減が可能になってきます。

これは、先端素材、製造技術、電動化というそれぞれ三つのイノべーションによるものです。

フィーベートという仕組みがあります。これは効率のいい新車に与えられるリペートのことで、効率の悪い車から取る料金で賄うものです。ヨーロッパの四大フィーベート制度のうち、最大のものでは自動車の効率改善のスピードを最初の二年間で三倍加速させることができました。

先ほどムーアの法則について申し上げましたが、電動化ということになりますと、タイプライターに小さな改良を加えていた頃からコンピュータヘの進化ぐらいの大きな変革になります。もちろんコンピュータやエレクトロニクスはいまやアメリカ最大の産業となり、タイプライターのメーカーは姿を消しています。

車をスリムにすることは肥満を避けるということ、つまり軽くするということです。これによって石油を四〇年で二倍節約することができます。同時に車の電動化か進み、石油の節約がさらに進みます。

アメリカと日本、その両方がこの自動車革命をリードできる存在であると思います。

今、この分野で先端を行っているのはドイツです。二〇一一年、フォルクスワーゲン社は二〇一三年に、一リットルあたり九ハキロメートルの燃費で走行する、炭素繊維(カーボンファイバー)のプラグインハイブリッド車を生産すると発表しました。また、二〇一一年、BMWも翌年には、炭素繊維の電気自動車を大量生産すると発表しました。既に日本の銀座でも広告が打たれています。その中で、この炭素繊維のコスト増分はバッテリーの数量を減らせることによって相殺されるとし、自分たちはタイプライターメーカー・のようになるつもりはないと言っています。ミュンヘンではタイプライターが非常に有名だったのですが、その二の舞にはならない。アウディはその二社よりさらに一年進んでいるということで、パリで炭素繊維のプラグインハイブリッドのコンセプトを採用したSUVを発表しました。燃費は一リットルあたり一一〇キロメートルを超えています。
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パートナーの問題意識

位相化で先行きを示す

 ムバラクの共和政にしても、下からの力で倒すことができた。ただし、新しい体制をどうするかは準備されていない。その部分を位相化で準備しないと、いつまでも、同じところをグルグル回って、破壊だけに終わります。

 それぞれの問題意識をかたづけることで、全体が変わっていく仕組み、上からの課題ではなく、そういう仕組みを作る世界。そのために何が必要か、その前提条件とそれをどのように維持していくのか、

 一番、底辺のところも変えていかないといけない。その部分が一番難しい。今は意志の力ですが、それを存在の力に変えていく。それをどういうカタチでやっていくのか。

 地球原理ではないけど、そこに存在することの意味、そこから考えていかないと。用意された枠組みに入ればいいのでは、何も変えられない。消費されるだけです。

 今までは、拡大基調だったから、消費することがいいことだったけど、拡大しないところでは、争いになります。その意味では、マルクス・エンゲルスの資本論の時と同じような状況です。あのときは拡大する前だった。今は、拡大から縮小に向かっているから、さらに難しくなる可能性があります。

パートナーの問題意識

 パートナーから答えが返ってこない。いよいよ、組織は人格を潰しにかかっているのでしょう。コントロールできるだけの容量を持っていないのに、組織の論理だけで動こうとします。これは、一つの変曲点でしょうから、しっかり、観察しておきましょう。

 問題意識を持つということ。どうやって、問題意識を持つのか。問題意識を持った者が一緒になってやっていくことも難しいです。問題意識を集めて、表現したもののが、キーワードです。

 パートナーの場合なら、観点ですね。ユーザー側から見ています。それは、ファシリテーションで身につけたのでしょう。システムを作ることではなく、使うことにかなり、苦労してきたから。

 だけど、この部署では、作ることしかなく、作ったらおしまいです。そこに、ユーザーの観点をどう入れ込むのかは問題です。それでもって、澄ましている方がはるかに問題です。

 パートナーに構わないようにしようとしたが、気になって、たまらないので、直接、聞いてみた。なかなか、パートナー離れができません。返事はあっさりしたものです。

 問題意識はいいんだけど、一番肝心なところが抜けています。その問題意識をどうやって、わからせるのか。それはデータだけではしょうがないです。思いです。その思いが通じない相手にどうやって、求めていくのか。

 そういう時は、サンドイッチするしかない。Sをせめて、Gを圧縮する。関連部署から、ユーザー部署で問題意識を共有できるところから攻めることです。問題の種類はさほど多くない。

多層的な見方

 単層的な見方から、今の組織は出来ている。利益が一番とか。福祉をする部分も単層的です。だけど、現実は、多層的になっています。各層にインバリアントがあり、それが空間になっている。それぞれは相手が違います。

 元々、単層的になったのは、科学技術です。科学技術を現実にするために、単層的でないと、効率が悪いために、そうなった。

 だけど、科学技術の限界が見えてきた。それだけでは、だれも幸せにならない。次のフェーズに行ったときには、当然、異なります。

 だから、原発を許すか、許さないかの二者択一ではないです。そういうことを議論をしながら、この地域としては、どうするのかを決めていくやり方。それが社会の位相化につながる部分です。これをどうやっていくのかというのは、大きな問題です。

 一次元に居る人が、二次元のことが分からないと同じように、単層化に居る人は多層化のところが分からないのは当たり前です。どうやってやるか。イメージだけで理解することはできないでしょう。

 逆に言うと、位相化しないと、その部分はずーとそのまま、拡大していって、破滅を向かえるだけです。そして、復興という名前で、次の単層化に行くだけです。答えにはなっていません。個人の分化は多層化のベースなんでしょうね。

 だけど、それを証明せよと言われたら、困りますよね。データだけではダメでしょう。心の問題だし、その集合を集合として正規化せずに、位相化して見ている以上は、一番のポイントから、作りあげていくしかない。
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社会の位相化の進め方

社会の位相化の進め方

 関数を集めてから、逆関数化しましょう。そうしないと、拡散します。逆関数は作るけど、まともな方からいくものが必要です。なぜ、位相化が必要なのか。

 販売店の位相化は経営者、情報共有、コミュニティー、スタッフの分化などがあり、かなりややこしい。

 社会の位相化自体は、いくつの位相から成り立つのか。決して、ハイアラキーではないけど、部分は全体よりも大きいのだから、

 ハイアラキーに比べると、位相化は考え方が柔軟だけ難しいです。部分が全体になったり、全体が部分になったり、色々なところに跳んだりします。だけど、こちらの方はリアルな空間に近いです。

位相化の4つの要素

 位相化にとって、必要な要素は4つとしています。店舗の位相化にとっては、経営者の意識。これは上からの考え方です。店舗のコミュニティ、ここは集めるところです。ライブラリは知識と意識を支援する所です。そして、情報共有、それらをつなぐものです。

 この四つの要素を他のところに展開してどうなるのか、その下に入れ込んでいいのかどうか。むしろ、情報共有の方が上かもしれない。

 本当に、部品表そのものの構造になっています。情報共有は壊れると同様に、横に展開していきます。あたかも部品のように。目的によって、カタチを変えながら。

パートナーのテーマ

 テーマは分かってもらえましたか、これだけを聞きました。そン何複雑に考える必要はないです。テーマはどこまで分かっていますか、理由よりも問題意識です。それさえあれば、いくらでもできます。答えはレベルを変えればいいのです。

 問題意識があるから、スタッフなんです。モノを作るのではなく、問題を解決するのです。それよりも重要なのは、問題を設定することです。

 私の場合は、問題を設定するレベルがあまりにも違い過ぎたので、スポイルしました。持って行き先が、多分、全然違うんです。

社会を変えるの意味

 今まで、社会を変えると言ってきたものが、社会の位相化になりました。結局、情報共有そのものです。下から上がってくるもので位相を作り出すのです。

 トポロジーそのものは、従来の空間が次元に囚われて、どうにもいかなくなったところから出てきた。トポロジーはこの先、どうなっていくのかというところが見えていません。それで、LL=GGを生み出した。そこまで行くと、トポロジーは究極になります。だから、歴史は変節するというところに持ってきました。

偶然の寄せ集め

 社会の位相化は、自分に対して、起ったことの偶然を全て、寄せ集めたようなものです。そういう意味では、大いなる意思との関係が非常に高いです。

 部品表の時に、ヘッドロジックは、下の部品群と上の部品との境目がないという認識から、生み出してきた。こんな空間を全部、体系化してやったから、できたけど、それは使われ方によって、全て、崩れてきます。仕様の見方次第です。

位相化の構造

 そこまでして、体系化、空間化しようとするのだから、難しいのは確かだけど、その分だけ、簡単な筈です。

 本来の国民国家にしても、民主主義にしても、多分、このような構造を持っていたはずですが、それに耐えられなかった。市民も国も、そんな難しいことができなかったし、コミュニケーションできなかった。

 やっと、ここに至って、そういうものが出てきた、作られてきた。先人の思いがそこに集約されています。

グローバル経済の位相化

 グローバル経済はどうなるか、位相化で考えると、フェアトレードでしょう。今までは、下から状況が見えなかったけど、価格も取引先も消費者も見えています。自分たちの役割が見える。そこでの活動は異なるものです。

地球原理

 地球原理は存在の力の下に入ります。ベースの認識です。
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考える態勢

キーワード展開

 さて、どこから始めましょうか。キーワードを確認して、ループを作りますか。

 例えば、「存在の力」。これは何に対比するのか。どの分野に関することなのか。これ自体は、どこかの単元に入れます。全てを表現するが、どこかの項目に集約します。参考情報にしていきます。

 どう関係づけていくのかが一番難しい。バラバラなものと集中するものとの関係さえ分かれば、それが表現できれば、新しい数学が出来上がります。

考える態勢

 資料がなくても、考えられるようにします。最低限の内容はキンドルに置きます。頭の中のワークの方が転化していきます。キンドルは確認のためだけです。書き込みも、頭の中のワークに入れ込みます。そこで論理の飛躍を行います。

 喫茶店でも、何も使わずに、ICレコーダーだけで、空間を作り出します。そのくらい、大雑把でないと、とても間に合いません。週末の本の処理から、未唯空間そのものの進化を図ります。

 項目を進化させるために、キーワードの表を作ります。併せて、その概念を発達させるために、新しい見方を入れ込みます。

 もう一回、メモ入力マシンを出してきましょうか。考えた結果をインスピレーションに入れるのに使う時かもしれない。かさばるので、どう持って行くかが残ります。パソコンの方がやりやすいのは、分かっています。

 それとも、紙のメモ帳を使って、一度、書いてから入力することにしましょうか。アナログの世界で考えて、そこから入力していく世界です。もう一人の自分をそこに持ってこないとダメかもしれない。何回も見て、何回もしゃべることで、考えを進める。

地球原理の場合

 例えば、「地球原理」にしても、それを量子力学から、現象学に進めます。それを新しい数学に結び付けます。

 哲学的に見る場合と、物理学的に見る場合とでは、別に考えたらいいとしている。哲学は、自分中心にするしかありえない。特に、「放り込まれた」存在から見ている現象学では。

 「高度サービス」をキーワードにするとなると、スタバでの活動から具体的にすると同時に、マーケティングとして、抽象化していく。その背景となる、社会の変化を促す要素として見ていく。

内なる世界

 完全に、内なる世界です。パートナー離れをして、完全に内なる世界へ。

キーワード空間

 「社会の位相化」がキーワードとしては、一番大きいです。正規化にとらわれずに、位相化をやっていきます。点は集合だし、集合は点です。

 部分はバラバラだし、全体は、それらを仮想的に結びつけて、部分に対して、指令を出すだけです。
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