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留辺薬 まちの話題を水族館で展示する

『水族館に奇跡が起こる7つのヒミツ』 なぜ、地域まで活気付くのか?

中村がまちづくりにまで力を入れるのには、もう一つ大きな理由がある。

山の水族館で展示されている生き物たちは、北海道のどこにでもいる魚類と、ペットショップでも購入することのできる熱帯魚が中心だ。

「言うたらサケとペットしかいない水族館。生物種としての魅力も情報発信力も限りなく低い。それでもオープン後のI~2年は、日本初世界初の水塊展示の話題で売れるでしょう。そのつもりで計画したんですから。でもね、その後、この展示生物から全国発信できるほど、ビッグでおもしろい情報は生まれようがないのです。そのために、人々やメディアの知的好奇心を刺激する地元の話題を育て、水族館が発信できる情報として、水槽展示に入れ込んであるというわけなんです」

髪の毛が凍るほどの特異な寒さ体験ができる、おんねゆ温泉の露天風呂と日本最冷級の寒さ。そして、それを水槽が凍ることで表している「北の大地の四季の水槽」。

おんねゆ温泉郷の泉質の良さと泉源の豊富さ。そこに「魔法の温泉水」の存在と、それを象徴的、視覚的に表す美しく巨大な熱帯淡水魚たち。

この温泉と水族館のコラボレーションによって、地元おんねゆ温泉郷が再生され活気付くほど、山の水族館は注目され、取材は増え、さらにまた情報発信のチャンスが増えるという無限のループが構築される。そしてもちろん、まち全体での集客力が増えれば、自動的に水族館の入館者も増えるという計算である。

メディアの取材において、すでにこの効果は現れている。オープン当初は、水族館の話題に温泉の話題がくっつく程度だったが、その後、温泉紹介番組や書籍の取材が増え、もちろんその場合には必ず、山の水族館の「凍る水槽」と「魔法の温泉水」の話題が追加されているのだ。

中村は自ら、水族館のプロモーションにあたって、集客のために使えるものはすべて使う主義だと語っている。まちづくり道楽の趣味がやらせたおんねゆ温泉郷の再生だったが、そこに本業である水族館プロデューサーの本性がしっかりと同居している点が、中村という男の最もおもしろい部分ではないかと私は思うのだ。

地域とのつながりという面で、〝凍る水槽〟は思いがけない効果をもたらした。

地元の人たちは、長い間ずっと地域の寒さを「嫌だ」とか「(雪かきが)面倒だ」と感じていた。それが、〝凍る水槽〟の存在で、「早く凍っているところが見たい」と、極寒を待ち望む人々が多くなってきたのだ。中には「凍らないとお客さんが遠のいていってしまう」と心配する人もいたという。凍る水槽ができる前だったら考えられないことだ。

しかも、水槽が凍ると地元のお客さんの数が二気に増える。凍らない日は2桁の人数で、凍った日は3桁の数のお客さんが来館する。凍るのを見守っているのは、地元の人だけではない。初めて水面が凍る日(24時間、水面が氷で覆われた日)を予想する「山の水族館『北の大地の四季の水槽』結氷クイズ」を実施したところ、北海道だけでなく全国の水族館ファンの間で盛り上がった。

おんねゆ温泉郷からは見事に当てた人に、宿泊券をプレゼントした。

水族館の出口に直結している物販店「香夢林ショップ」の売り上げは従来の約4倍に向上。地元の乳製品を使用して作ったソフトクリームは、多い日で800杯も売れた。売れすぎて、材料がなくなった日もあったそうだ。特産の木材を加工して作ったおもちやの売り上げも昨年比の10倍となり、嬉しい悲鳴を上げている。

周辺のお店の中には、売り上げの減少で閉めようとしていたお店が、波及効果によって借金を返済したという話もある。地元の人々も、何かまちの活性化のためにできないかと会合を開くまでになっている。

水族館のリニューアル当初から関わってきた北見市留辺藁総合支所産業課主任(当時)の若杉鉄夫さんは、まちの活性化について次のように答えてくれた。

「小さな水族館でもやればできるということから、勇気をもらえましたね。まち全体のモチベーションが上がったようです」

若杉さん自身が水族館のリニューアルの時に「これはいける」と思ったのは、開館1か月後のお盆の頃だったという。1日の最高来館者数の記録を出したのがまさにお盆の8月14日。この日だけで4997人が来館している。その日のことを若杉さんは振り返る。

「水族館のキャパシティはおよそ200人なのに、よくI日で5000人も入ったなあと思います。少ない時には1日に2人しか入場券を売っていなかった職員と同じ職員が、1日で5000人も対応したんですから(笑)」

この日は、水族館に通じる道はどこも大渋滞。入場券を買い求める人の列も絶えることはなかった。若杉さんは、その様子を見て、この盛り上がりがずっと続けばいいと思ったという。

「山の水族館のある留辺薬を玄関口に、オホーツク全体が盛り上がってくれれば、これほど嬉しいことはありません」

若杉さんの願いは中村の願いと同じである。
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学校図書館メディアの選択と管理 研究領域

『学校経営と学校図書館』より 研究および課題と展望

司書教諭の行う研究は、教育活動、学校図書館の活動に資するための実践的なものが中心となる。研究領域も学校図書館の目的、日々の教育実践に資するものが中心となる。

学校図書館の実践研究の研究領域としては、次のものが考えられる。

①経営

 学校図書館経営は、学校経営およびそれに基づく学級経営と同様に学校図書館の基本的な経営方針、重点目標、規程類、中長期計画等の基本を定め、学校図書館の方向を示すものであり、同時に根幹をなすものである。これまでは経営するというよりは、校務分掌上の一分掌として運営面に力点がおかれていた。今後は指導機関として機能を発揮するために経営学の知見も採り入れ、学校図書館のシステム、経営方法、組織編成、評価等の研究が必要となる。

②運営

 運営は、長年にわたり営々と築きあげられてきた豊富な実践に基づいて行われることが多い。研究会・研修会等で実践の交流が行われ、その集大成が実践知、経験知として広まり、さらに実践につながっていった。近年の学校制度・学校教育の多様化に伴い、以前の運営方法がそのまま通用できない例が増えてきている。実際の運営の在り方,効果的な組織、分業による効率化、学校図書館活動の効果測定等についてまだ未開拓の分野が多い。

③専門職員

 国によって異なるが、一般的に学校図書館には学校図書館専門職員のほかにもさまざまな職種の職員が配置され、チームとして学校図書館の運営等に取り組んでいる。わが国の学校図書館専門職員として司書教諭、学校司書があげられるが、専門職員制度として確立しているとは言い難い。アメリカではティーチャーライブラリアン、メディアスベシャリストという専門職があるが、それ以外にもテクニシャン等と言われる補助職員も置かれている。専門職員の配置は、学校図書館の長年の課題でもあり、専門職としての養成、職務内容、法的な位置づけ、チームとしての活動の在り方等、人の問題の解決には欠かせないものである。

④学校図書館メディア

 これまでは、図書が学校図書館メディアの中核であった。今日でも基本的にはそうであるが、近年発達してきた電子書籍(デジタル・ブック)、ウェブ上の情報、データベース等の導入も広がりつつある。これらの電子メディアは、検索され、ディスプレーに映し出されるが、紙に固定したりせずに利用されることも多い。これまでのように情報を図書やフィルム、CDのようなモノとしてのメディアを対象にしてきた学校図書館にとっては、これまでとは異なる対応をする必要がある。

⑤メディア管理

 これまでは組織化、メディアの検索・管理等は、紙のカードによることが主流を占めていた。近年は,学校図書館の情報化が進み,蔵書のデータベース化は小学校51.2%,中学校50.7%,高校84.3%と歩みは遅いが年々着実に増えてきた(文部科学省による「学校図書館の現状に関する調査」結果, 2011年6月公表)。2012(平成24)年1月からは、国立国会図書館による無償のマーク(MARC)が提供されるに伴い、学校図書館メディアのコンピュータ管理が進むものと予想される。

⑥学習支援

 学校図書館の目的のひとっである学校における学習指導の支援については、一時期を除いては活発には行われてこなかった。明治以来の教科中心、教科書中心の一斉指導による学習形態等が広く行われ、学校図書館を学習活動に生かすことがほとんどなかった。今後は、学習支援が大きな役割を占めるようになるが、その方法についての研究、実践の積み重ねが期待される。

⑦読書指導

 近年、学校や学校図書館における読書活動は全校あげて行われる例が多くなっている。その結果、小学生、中学生の平均読書冊数は増加しているが、学年別の読書量を見ると、学年や校種が上がるにっれて読書量は減ってきている。小学校からの体系的な読書指導が不十分であることが一因とも考えられる。現在の状況をふまえた読書環境の整備、実効性のある指導法等の開発が急務である。

⑧情報活用指導

 21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指す「教育の情報化ビジョン」(文部科学省, 2011年)によると、校内の情報化推進体制の構築を図っていく際に、「子どもの情報の収集、取捨選択、多様なメディアを活用した学習・情報センターとしての学校図書館の機能を、司書教諭を中心に一層強化していくことが求められる」としている。このように学校図書館は情報活用指導や学習情報センターとしての機能の拡充が求められている。
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ポータル・ライブラリの検討

グローバルとローカルの関係

 グローバルのアンチテーゼとしてのローカルではない。循環で見ている。座標系から、トポロジーへの変換のカタチで見ている。

 国の政治から地方政治に変わるのではなく、グローバルはグローバルになり、ローカルは個人に落ちていく。ローカルは、その点から近傍を作り、それで空間をカバーリングしていく。その時に、グローバルは標準関数として、存在する。このモデルをいかにして、証明していくのか。

ポータル検討

 ポータルはやっと、ライブラリまで来ました。

 チャッターでのファイルとお知らせでのライブラリの二重構成になりそうです。販売店は現行並みのお知らせから入って、ナレッジしたところから、チャッターベースになっていくシナリオです。その時に、ライブラリコンテンツはクロスする必要があります。操作性はライブラリベースに合わせます。

 ナレッジベースでは、現時点のスタッフでは、使い切れないでしょう。自分たちで、グループ設定することで、試行錯誤しながら、進化することが望ましい。
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