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コンパクトシティのモデル

『流通政策入門』より

理念としてのコンパクトシティは以上のような内容であるが、具体的にはどういった都市をイメージしたらいいのであろうか。欧米の都市のケースとしては、レディソダ(英国)、アーヘソ(ドイツ)、ポートラソドおよびシアトル(米国)、ピルバオ(スペイソ)、ストラスブール(フランス)などがよくとりあげられている。これに対して、日本では「高齢者が歩いて暮らせるコンパクトシティ」を標榜する青森市が、先行モデルといわれている。

① 青森市の場合

 青森市では、JR青森駅を中心とした徒歩約20分圏内に、商業施設やマソショソ、県庁等が集積している。その中心にあるのが生鮮市場、ファッショソ専門店、市立図書館などが入居する駅前の9階建て再開発ビル「アウガ」である(2001年1月開業)。中心市街地の商店街では「青森市街づくりあきんど隊」が組織され、イベント等が活発に行われている。さらに、その界隈にはクリェックや訪問介護ステーショソ等を併設した高齢者向けマンションをはじめとして、分譲マンションが建設中も含めて多く立地している。

 こうした都市機能の集約化を可能にしたのが, 1999年の都市計画マスタープランで、市内を3ゾーンに分け、郊外開発を抑制した(店舗面積3,000㎡超の商業施設が立地できるのは市中心部の約3,000haのみ)。その最大の理由は豪雪にあり、除排雪が必要な道路の延長距離は現状で1,150km,その経費は年10億~30億円に達し、郊外化が進めば負担は一層膨らむ。これこそまさにスプロールの社会的費用であり、これを削減することを目的にコソパクトシティヘと大きく舵が切られたわけである。

 ただし、2003年にアウガから約500m離れた地元百貨店が閉店し、跡地周辺では現在、空き店舗が目立っなど、順風満帆な部分ばかりではなく、課題も少なくないともいわれている。

② その他

 また、金沢市における「歩けるまちづくり条例」(2003年4月施行)に基づく取り組み(中心部の竪町商店街で駐車場確保数増大とセットに全日歩行者天国を実施など)や、山口市における中心部の定住人口増による公共投資の効率化を図るための取り組み(市の委託を受けたNPO法人が中心部の空き家の持ち主に改修や賃貸を働きかける一方、郊外の住民に移住を呼びかける)をはじめとして、各地の自治体で動きが積極化しつっある。

 だが、コンパクトシティの動きに「逆行」するような事例もある。例えば、群馬県太田市において、郊外の田んぼを市街化区域に用途変更して大型ショッピングセンター(SC)を誘致したケースをあげることができる(2003年12月開業)。当市においても、中心商店街に配慮して太田駅前に市営住宅を整備するなどの対策がじっはとられたが、商店街の構成がもともと顧客ニーズに合っておらず、連帯もしていないこと等から、対策の効果はあがらなかったという(『週刊東洋経済』2005年9月3日、「日経MJ」2006年1月4日による)。

 こうしたケースもあるものの、コンパクトシティの取り組みは、それが都市中心部の活性化にとって有効性が高いかどうかという問題以前に、自治体の財政難への対応という点で緊急性や切実性が高いことから、3法見直しが実現することによって、さらに多くの自治体に普及していくものと考えられる。

 ただし、首都圏に代表される大都市が連たんする超大都市圏においても、地方の中核都市クラスや農村部の小都市においても、まちづくりの理念はコソパクトシティ一本でいいのか、都市規模等に応じた階層的な考え方で補完する必要はないのか、といった諸点について、今後、具体論レベルで検討が必要と考える。
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ゲーデルとヘーゲル

『野蛮人の図書室』より

数学で人生が変わる

 『不完全性定理』
  ゲーデル著
  数学者、論理学者であるゲーデルが1931年に発表した数学基礎論における定理。数学だけでなく、哲学、心理学、現代思想、情報科学などの研究者にも影響を与えた。不完全性定理論文の歴史的経緯を説明した解説つき。

 数学と聞くだけで頭が痛くなってくる人も多いと思う。評者も中学時代、数学は得意科目だったが、高校に入ってから苦手になってしまった。そして、「僕は文系人間だから」と言って数学から逃げ回っていた。しかし、それは大きな間違いだった。数学をきちんと勉強しておくことで人生がだいぶ変わる。

 数学というと無味乾燥で答えがひとつしかないという印象が強い。数学的発想では複雑な人間社会を理解することができないというと、ほとんどの人が「そうだ」とうなずくであろう。

 しかし、そのような数学観自体が実際の数学からかけ離れているのだ。数学とはどういう学問であるかを研究する数学基礎論という分野がある。ここで必ず学ぶゲーデルの「不完全性定理」が重要だ。その要点は、ゲーデル自身の言葉を引用すれば次のとおりである。

 〈有限的な数論をある分量だけ含むような任意の無矛盾の形式系において、決定不能な算術の命題が存在し、さらに、そのようなシステムの無矛盾性は、そのシステム内では証明できない、という事実を、厳密に証明できるのである〉

休みにこそ読むべき本

 ヘーゲル著 長谷川宏/訳『歴史哲学講義』

 『歴史哲学講義』(上・下巻)
  ヘーゲル著 長谷川宏/訳
  ドイツの哲学者ヘーゲルが晩年にベルリン大学で講義した歴史哲学の内容をまとめた一冊。「理性が世界を支配している」と語る彼の捉える歴史とは? 原文が講義録という前提のもと、わかりやすい日本語に訳されている。

 ヘーゲルの文章はドイツ語の原文で読んでも難解だ。しかし、19世紀前半、ヘーゲルの大学での講義は大教室がいっぱいになるほど人気があったし、本もよく売れた。現代のタレント学者のような感じだ。

 長谷川宏氏は、ヘーゲルを現代の日本人にわかりやすく訳すことに努めている。ほかの人の訳ではちんぷんかんぷんでも、長谷川訳で読めばヘーゲルはよくわかる。

 哲学のはじまりについてヘーゲルはこう記す。

 〈哲学はおどろきから出発する、といったのはアリストテレスですが、ギリシャの自然観もおどろきから出発します。とはいっても、精神が異常なものに出会って、それと普通のものとを比較する、というのではない。知性によって自然の規則的な運行をとらえたり、それをなにかと比較したりといったことはまだおこなわれず、むしろ、めざめたばかりのギリシャ精神は、自然の自然らしさにおどろくのです。ギリシャ精神は、あたえられた自然をぼんやりとうけいれるのではなく、最初は違和感をいだきつつも、しかし信頼できるという予感のもとで、自分と親しく、自分が積極的にかかわることができるようなものとして自然に信頼をよせるのです。このおどろきとこの予感がギリシャ精神の根本にあるものですが、ギリシャ人はそこにたちどまらないで、予感された内面的なものを一定のイメージに造形して、意識の対象にかかげるのです〉

 最初、何かを見たり、聞いたりして、驚いたことを頭の中できちんと説明できるようにまとめていくことが哲学だとヘーゲルは考える。哲学について難しく考えることはない。ものを考えるということ自体が哲学なのだ。
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アテネの姪に無印で出会った

未唯へ

 31日です。だから、何なの?

 スギ薬局の赤いパッソは、ここの店員でした。

 カローラ中京のところに、土日の11時まで、モーニングセットをご用意して、来店をお待ちしています、と書かれていた。こういうところを奥さんの仲間たちの集まるところにすればいい。

 カローラ中京には、まだ、Wi-Fiのことは書かれていない。時期を聞いてみましょう。

 クルマで来ると止める、農協の駐車場でポルテを探した。ない!。よく考えたら、今日は歩いてきた。ヤバイですね。忘れています。

未唯空間のチェック作業

 朝から、チェックしていた。寝ながらできるようにしたけど、なかなか続かない。焦って、変な結論にはしたくない。

 自分編の最後をどちらに持っていくかです。社会への提案に持っていくのか、自分に還るに持っていくのか。社会の提案の次のステージとして、社会の活用を継ぎ足すことにしました。

 自分の中の未唯空間のかなりのことは第8章まで作りました。まだ、奥さんとは別の行動になっています。

 あのシートさえあれば、どこでも考え始めます。歩きながらでも、ラウンジでも待合でも可能です。そのときに、ICレコーダーは欠かせない。この社会はどうにかしないといけない。そのためのキッカケぐらいは掴みたい。来年は。

旅行計画

 ニュージーランドからカタルシスは始まった。あそこでは祈りです。祈りは通じる。

 来年はベルギーでしょう。そこを拠点にして、ドイツ・フランス、リトアニア方面、ハンガリー方面に行きたい。そのすべてに電車で行きたい。泊まるのは面倒だから、片道3時間の場所を行き来しましょう。そのために、クックの時刻表だけは買ってあります。

 ベルギーから3時間の図書館を調べましょう。ドイツのフライブルグなどの環境学習に役立つところはチェックしておきたい。ロバニエミと同様に、何を得てくるかです。

書き起こし作業

 本を開始していることを性にするのは申し訳ないけど、ブログアップが遅くなっています。
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これからは、新世紀PR・宣伝の時代

『メディア化する企業はなぜ強いのか?』より メディア化戦略をより高次なレベルに--未知を売り込み、顧客と協働する

さて、ここまで統み進められてきた方のなかには、「あなたはそう言うけれど、これまでと同じ手法が有効なケースもあるだろうし、マスメディアの枠を買って広告したほうが投資効果が高いものもなかにはあるはずだ」といった疑問をおもちの方もいらっしゃるでしょう。もちろん、業種や顧客層によってはそのほうが正しいこともあるでしょう。また、旧来メディアの活用に関しては適所適材にチューニングしさえすれば、効果を導き出すことも可能だと思います。

しかし、それらに頼らないで成功をおさめることも可能ですし、実際にそうやってオンラインだけでブランディングに成功し、一定のシェアを占めている企業があることも事実です。そのような企業は声高にそれを宣伝しようとは思っていないはずですし、実際にそうです。なぜなら、ウェブ上は参入障壁が低く、競合者がいつ同じ手法でマネをしてくるのかわかったものではありません。だから防御的な側面が大きいでしょうし、そんな自己宣伝よりも、次々と変わるテクノロジーやアイデアに対して追従していくだけで忙しい、ということもあるでしょう。わたしもさまざまな企業の経営者層とお会いしますが、なかにはIT業界の方よりも勉強熱心で、非常に練られたデジタルーマーケティングを自社、あるいは社長自らと小規模な外部ブレーンのみで展開している企業も存在しています。

本書では、何から何まで教科書のように記すというスタイルを取りませんでした。なぜなら、巻頭で述べたように、自社の業態や強みによって、それらは変わるし、そのような戦略にテンプレート(雛形)は用意できません。仮に一般則のように、それを勉強して明日からすぐに実践できるようなものだとしたら、競合者もそれを採用するでしょう。本書内にも書きましたが、創造性が大切です。そして、オンライン上は「アイデア資本主義」でもあります。あなたのアイデアが千金の価値を持つかもしれません。まず、自ら考えてみましょう。

これも巻頭で述べましたが、オンラインにおける企業からの告知は「統制」ではありません。「移譲」です。そのため、それに呼応するかたちで、オンラインでのコミュニケーションを担当する組織やそのりIダーにも権限移譲が必要となってきます。逆に言えばそれができない組織はメディア化戦略を採用しても、いろいろと矛盾が生じてくると思います。また、クリエイティブやメッセージの伝達手段がこれまでと180度違ってきます。「このコンテンツを絶対おまえたちユーザーは使ってはならない、著作権侵害だよ」という時代ではありません。逆にいえば、バラまけないものはオンラインに出さないといったくらいの態度で臨む必要があるでしょう。

そして、シェアアウトであること。つまり、分配していく。この分配を生み出すような仕組みを作る必要があります。そのためには、ユーザーに自由に参加してもらい、素材を使わせて加工することも受容します。「このキャンベーン面白いでしょう、どんどん加工していってもらっていいですよ」ということで共有を促します。

そこはスポンティニアスな世界です。スポンティニアスというのは自然発生という意味です。ですから、コントロールできません。しかし、コントロールできないことを極度に恐れず、トライ&エラーから学ぶことも必要だと思います。ということで、今までの常識とはまったく正反対の新常識が求められるのが、オンライン上の価値創造です。いかに狙ったクラスターが自社のメディアやそのコンテンツを発見し、自分たちの友人に推薦してくれるのか。そこから誕生したコミュニティをモデレート(調停)し、支援してあげます。そして、それらすべてが持続するような循環型の仕組みを作ることを目指したいものです。

参考までにソーシャル上でフォーラムを作るときの黄金則を挙げたいと思います。初出は、英国のイー・コンサルタンシーというサイトが掲げていた記事です。

 (I)ルールを決める
 (2)カテゴリーごとに場所を決める
 (3)検閲しない
 (4)売り込みの場にしない
 (5)嘘をつかない
 (6)適切なモデレートを行う
 (7)常に平静
 (8)データを守る
 (9)フォ上フムがあることをプロモートする
 (10)目的を忘れない
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スペイン政治の今後

『北欧・南欧・ベネルクス』より スペイン--自治州国家と重層的アイデンティティ

以上、歴史的背景と関連づけながら、政権交代後のスベイン政治を、内政、外交両面から考察してきた。すでに見たように、国家(集権)か地方(分権)か、伝統主義・大西洋主義(保守)かヨーロッパ主義(革新)かという古くからの論争軸は、依然としてこの国を彩る特色となっている。けれども、こうした対立軸が不鮮明なものになってきていることもまた、事実である。

一方では、いかに地方主義の伝統を有する自治州であっても、独立の可能性を視野に入れた試みが住民の支持を得られないことは、バスク・イバレチエ案に6割の住民が反対を表明したことからも明らかである。むしろ、カタルニャにしてもバスクにしても、権限委譲を引き出しながら、できる限り連邦制に近い形で自治州国家体制にとどまり、政治・経済両面でEUとの直接的なつながりを強化しようとする方向性が主流になりつつある。サパテロ政権もこの方向性に理解を示しており、こうした流れの中で, 2005年11月になされたEU地域委員会とスペイン代表部大使との合意を皮切りに、EUの諸機関においてカタルニャ語、バスク語、ガリシア語の使用が認められるようになった。

他方、いかに伝統主義・大西洋主義に立つ保守派であっても、これまでのところ、EC・EUそのものに対する異議申し立ては行っていない。国益を擁護する目的で欧州憲法条約に難色を示したアスナル政権も、決して反EUではなかった。逆に、政治的、経済的な構造改革を進め、国際社会におけるスペインの地位向上を果たすための牽引力として、積極的にヨーロッパ統合-とりわけ経済収斂条件-を引き合いに出した。スペインの伝統を崩壊させる可能性も内包するヨーロッパの圧力は、必ずしも敵対すべきものではなく、むしろ自国の発展に寄与するものという認識が共有されつつある。

このように、自治州、スベイン、ヨーロッパという伝統的な3つのアイデンティティは、排他的なものではなく、複合的なものになってきている。加えて、国際化するテロリズムに対する抗議表明や世界的な景気悪化への対応などを通じて、政府だけでなく国民からも、これまでになく国際社会の一員という意識が表出されてきてもいる。すなわち、今日のスペイン社会では、地方、国家、地域、国際社会という重層的アイデンティティが形成されつつあるのである。ここに、スペイン政治の今後の方向性が表れている。政権交代によって再び政策が転換することはあろうが、この方向性が大きく変化することはないと思われる。
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ソ連邦崩壊とフィンランド政治の転換

『北欧・南欧・ベネルクス』より フィンランド--歴史から見たフィンランド政治と対ロシア政策のゆくえ

ソ連邦崩壊は、フィンランドの対ソ政策を大きく変更させただけではなく、フィンランド政治体制を大きく変更させた分岐点となった。

1991年4月に行われた総選挙では中央党が第一党に返り咲き、中央党党首のエスコ・アホを首班とする保守中道内閣が成立したが、社会民主党は入閣せずに野党に回った。アホの率いる内閣が直面したのは、ソ連邦崩壊とフィンランドの経済危機という新事態であった。

第二次世界大戦以降、フィンランドは諸外国との協定を締結する際に常にソ連との関係を考慮しており、ECとの関係もソ連の意向を配慮して距離を置いてきた。その際に、フィンランドはある特定の超国家的組織に属することは自国の中立主義に沿うものではないという理由を挙げてきた。しかし、「冷戦」が終わり、1991年にソ連邦が解体すると、フィンランド政府はただちに1948年の友好条約を破棄し、翌年の1992年1月に軍事的条項を盛り込まない条約を新たにロシアと調印した。1990年初頭から経済不況に陥っていたフィンランド経済はソ連邦崩壊によってさらに深刻な事態となった。ソ連への輸出に頼ってきた貿易は壊滅的な打撃を受け、失業率が20%に達し, 1992年には通貨の大幅切り下げを強いられるなど、フィンランド経済は戦後最悪の不況に見舞われた。多くの銀行や企業が倒産し、資金の大部分を不動産に投資していた共産党が破産宣告に直面する事態にもなった。

このような状況によって、フィンランドは自国の安全保障政策および対外貿易の見直しを迫られることになり、EC加盟への道を選択し, 1992年にマウノ・コイヴィスト大統領がEC加盟の意向を公的に表明した。フィンランドは、NATO協力委員会のオブザーバー、さらにWEUのオブザーバーとなり、諸外国との連携に新たな安全保障を求める動きを見せた。EU加盟への動きは, 1994年3月に外務次官であったマルッティ・アハティサーりが大統領に選出された後も推進され、国内の農業保護の見地から反対の声が挙がったものの、10月に実施されたEU加盟についての国民投票は、賛成票が反対票を上回った。同年11月には議会が最終的にEU加盟を承認し, 1995年1月1日にフィンランドはEU加盟を果たした。EU加盟以降、ソ連邦崩壊以前の態度とは一変し、フィンランドは北欧諸国の中でEMU (欧州通貨同盟)に参加する意思をいち早く表明し、1999年にユーロ導入に踏み切った。

EUに加盟した1995年の3月の総選挙では、社会民主党が第一党に返り咲き、党首パーヴォ・リッポネンが首相となり、諸政党が勢ぞろいしたことによって「虹の連合」と呼ばれた社会民主党、国民連合、スウェーデン語使用人民党、左翼同盟、緑の同盟の5党連立内閣が誕生した。EU加盟をめぐって党内が分裂状態に陥った中央党は国民の支持を十分に得られず野に下った。政党のイデオロギーを乗り越えてほとんどの政党が連立内閣を結成したのは、戦後初めてのことである。戦後外交の基調であった中立主義政策の見直し問題および深刻な経済不況が党派を超えた団結を引き起こしたのであるが、この驚くべき連立内閣は結果的に成功を収めた。リッポネン首相は、EUにおける経済・通貨統合への積極的姿勢を示すとともに、自国の安全保障に関してもEUに期待を寄せた。「虹の連合」内閣による経済政策によって、フィンランドの経済は徐々に回復していった。また、ノキアに代表されるIT産業に従事する人口が農業および林業人口を圧倒したことは、国の産業構造の変化が急速に進んだことを示した。

一方で、アハティサーリ大統領はNATOに加盟する考えがないことをしばしば口にし、フィンランドはNATOに非加盟の立場を強調した。 しかし, NATOとは個別に「平和のためのパートナーシップ(PfP)」に参加し、この枠内でNATOと協力体制をとることを決定し、安全保障面での軌道修正を進めた。WEUに対しては正式加盟をめざさないと言明した。フィンランドのNATO非加盟の立場は、NATOの勢力拡大を懸念するロシアを刺激させない方策であり、ソ連邦崩壊後もロシアとの関係を重視するフィンランドの姿勢が表れている。

このようなフィンランドの姿勢は, 1999年後半にEU議長国となったときに採用された「ノーザン・ダイメンション(EUND)」構想にも表れている。この構想は, 1990年代初頭の環境問題解決に端を発し、北欧諸国、バルト3国やロシアなどバルト海に隣接している国々とロシア間で発足された環バルト海協力、バレンツ地域協力を土台として、EUの枠内での地域協力を目標とした構想である。フィンランドは、ロシアとEUとの架け橋としての役割を果たすことがロシアをヨーロッパから孤立させないことにつながり、ひいては自国の安全保障にもつながるとの考えから, EUNDを通してEUの親露政策を積極的に推進した。
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OCRからデジタルライブラリ

未唯へ

 この3日間のツキはよくないけど、確実に小銭だけは入っています。

 元町アピタで持ちにくいモノを4点買ったけど、袋をよこさない。この恨みは絶対にはらします。

社会ライブラリへのアプローチ

 プッシュ型のライブラリが期待できます。当然、プル型のライブラリ、情報共有はそこから作っていきます。

 関係者はどこに居るのか、何を考えているかの状況もわかります。これはコミュニティの要素です。相手の状況を掴んで、お互いに利用し合いことです。

スタバのリニューアル

 元町のスタバが模様替えです。三つのパーティションに分けてあります。勉強机も入りました。ちなみに、元旦を含めて、8:00~24:00です。なんとなく、都会型をイメージしている。場所は本当に田舎なのに。

 福袋は諦めます。去年の状況からすると、7:00から待って、どうにか確保です。福袋一つのために、そんな恰好悪いことはできない。

 折角、2杯目で100円だったのに、そのレシートを家に置いてきてしまった。そのかわりに、エキストラホット・トールラテが飲めました。カードのチャージをしないといけない。

OCRで時間つぶし

 これを四日までにまとめましょう。二日間はOCRで時間を潰していた。そうしないと、新しいブログの反映ができません。1ヶ月分が溜まっています。まあ、入れておくかですね。反映は4日に集中的に行いましょう。

 結局、12冊分を入れました。27日から年末までにばら撒きます。

 本・図書館関係:007.5『クラウド「超」仕事法』、010.5『ず・ぼん』、010.23『ドイツ図書館入門』

 歴史関係:238.07『ソ連史』、312.3『北欧・南欧・ベネルクス』

 環境問題:318『市民参加の行政学』、501.6『エネルギー進化論』、501.6『エネルギーを選ぶ時代は来るのか』、『現代地球環境論』

 メディア関係:675『メディア化する企業はなぜ強いのか?』

 OCR化したものをデジタル・ライブラリにしています。iPad2とかキンドル2などで読めるようにしていきます。
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未来の公共図書館像、そのモデル

ドイツ図書館入門』より

果たして未来の図書館は、とくに未来の公共図書館は、あまりにもとっぴな発想に陥ることなくイメージするならば、どのような姿をしているのだろうか。図書館支援センターに勤める図書館員クラウス・ダームは最近、現在と未来を現実的に結びつける、考えるに値する4つのモデルを示した。

快適な図書館

 図書貸出数に比べてはるかに多い利用者数が示すように、誰もが利用できる社会的コミュニケーションのための空間に対する需要は、明らかに高い。今日でもすでに、現代の図書館からカフェテリアを排除して考えることはできない。英米系の図書館には、いわゆるリビングルームのような気持ちのよい家具の調えられた空間が設置されているが、ここでは利用者は、会話へ、インターネットサーフィンヘ、カフエタイムヘ、あるいはリラックスして読書へと没頭することができる。内装は、柔軟性に富む、「機能重視でない」空間とならなければならない。さらに 開館時間を夜や週末にまで延長することは自明のこととなろう。未来の図書館は、インスピレーションを共有するための場、雰囲気がよくスタイリッシュな場であり、そこでは人々が好んで時間を過ごし、誰に強制されることもなく情報検索の世界、本その他の現代のメディアの世界と出会うのである。

ネットワーク図書館

 時代に即した図書館は、すでに久しく、バリアフリーの、またすべての住民の層に利用できる情報の仲介者として、あらゆる教育レペルに対するサービスを行っている。どんな図書館もすべてを備えるわけにはいかないので、未来の公共図書館は、図書館ネットワークの一員となり、何倍もの文献やメディアヘのアクセスを可能にする必要がある。利用者がサービスを自宅から、学校からあるいは職場から利用できる場合には、共同の目録ネットワークはとりわけ有効である。今後は公共図書館と学術図書館の混合ネットワークによる図書館サービスに、より一一層の一体性が求められる。これが実現すれば、利用者は図書館利用カードのみでネットワークに属するどの図書館をも利用できるようになり、インターネットで申し込んだどのようなメディアも、中央図書館から借りたり、あるいは追加料金を払って家に送ってもらったりする、そんなサービスが組織的に保証されることになる。

コンビネーション図書館

 今日、異なった団体に運営された機能の異なる図書館が/協力関係を築くことなく互いに競い合っていることがしばしばある。経済状況の厳しい時代にあっては、投資を評価するさいに シナジーの可能性を検証することは重要である。小さい図書館の建物、空間、そして組織を融合し、大きな図書館へと組み替えることは、未来に開かれた選択肢の一つである。いくつもの文化・教育施設が一つの町にあるようなところでは、それらを空間的に統合することが検証される。この意味においては、相応の空間が提供されるのであれば、郷土博物館、学校図書館メディアセンター、資料館、市民大学、美術館そして図書館は、より大きな成果を出すことのできる一つの情報・メディアセンターとして合併されることもあるかもしれない。

市立図書館エージェンシー

 大都市あるいは中規模の都市でしばしば見かける、図書館の設置母体の多様性機能の多様性は、それらを空間的に統合することがさまざまな理由から実現不可能であったり、あまり意味がないと考えられたりするような場合には、別の方法で、つまりネットワーク化された図書館としてさらなる発展を促すことが可能である。ここでは特に たいていのところまだ小さな孤島のように互いにばらばらに存在している学校図書館を念頭に置いている。未来の市立図書館は、このような場合、これらを統合し、調整する図書館エージェンシーになりうる。中心には市内のすべての学校のための学校図書館オフィスを設立する。これは学校図書館員に教育と助言を与え、書籍その他のメディアの購入や、専門に見合った蔵書の構築と整理を助け、スタッフの勤務時間を調整し業務指標を作成する。

 さて、それ以上には何かあるだろうか? 図書館のトレンドはどこへ向かうのだろうか? いずれにしても、公共図書館は多機能の図書館へと変貌するだろう。つまり、文献の仲介という伝統的な機能に加えて、どのような情報源に対してもより幅広く、深く情報をインデックス化し、利用可能にしていく機能が加わるのである。さらに インターネットという情報媒体の導入とともに図書館にはすでに「情報ネットワークのナビゲーター」という新しい役割が加わり、この役割は拡大されてきている。また3つ目の役割として、イベントの開催や文化事業がある。というのも、州のレペルではしばしば、図書館は学校外で常時活動する唯一の教育・文化機関であるからである。図書館はますますさまざまな協調関係を築いていくことになる。ますますさまざまな機関と協力して仕事をするようになり、ますます多くの公共図書館と学校図書館、それに学校情報館が連携し、統合されていくことになる。これによって図書館は高いシナジー効果と多様な利用を実現するのである。市民大学(2.1.5参照)や町立資料館、博物館との緊密な連携、そしてさらには労働局やハローワーク、観光案内所との連携が期待されており、またこれらは間違いなく意味のあるものとなるだろう。適応性、連携能力、新しい図書館モデルやプロジェクトヘの柔軟な姿勢が、図書館を率いる者の重要な能力となるのである。
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独ソ戦による損失

『ソ連史』より 「大祖国戦争」の勝利と戦後のソ連

短期間に国内深く攻め込まれ、多くの国民がドイツの占領下に置かれたから、スターリンは一九四一年七月一四日にパルチザン戦争を国民に訴えた。しかし、侵入するドイツ軍に武器や物資を残さぬよう、撤退する際に火をかける焦土作戦を採ったこと、ソヴェト体制に対する住民の不満が存在したこと、ドイツの占領行政は当初比較的穏健なものであったことなどから、パルチザンとして決起する人々は少なかった。なかでも独ソ不可侵条約の秘密議定書に基づいてソ連の支配下に置かれた地域では、ドイツ軍を「解放者」と見て、住民が伝統的な歓迎の作法である「パンと塩」をもって迎えることも見られたという。

ドイツの主目的は、ドイツ帝国のための食糧・原料・燃料の確保であり、人々の解放ではなかったが、ドイツ軍がソ連領内に侵攻した時にはすでに収穫期に直面していたため、ドイツは、占領地における収穫の確保を優先課題とした。そのため、戦闘中に住民から徴発した家畜はただちに返還すべきものと定め、収穫作業に積極的に協力した者には、財産の保持に加えて、家畜頭数を増やすことさえ認める方針が示された。ドイツ側の事情で当初は、住民にとってある程度穏やかな政策が採られたのである。

しかし、これはあくまで収穫が最優先された結果であった。そのため、穏健策の一方で収穫に協力しない者は、財産を没収し、戦争法規によって処罰する方針が採られた。そして、収穫された穀物の多くはドイッヘ移送されたから、占領下の住民のために用いられた農産物の量はソ連統治下より少なかったと言われる。戦争が長期化して、ドイツ軍やドイツ本国で食糧が不足するょうになると、占領地における穀物調達は過酷なものとなり、警察力によって強制的に調達された例もあった。しかも占領地からは約三〇〇万人がドイツでの強制労働に送られた(これは戦時中にドイツヘ連行された民間人労働者の約四〇%を占めていたという)。

こうして、時が経つに連れてドイツの支配の過酷さが実感されるようになったこともあり、一九四二年春頃からはパルチザン闘争が盛んとなっていくが、ドイツはこれを厳しく弾圧した。ドイツは、パルチザンの活動する地域の家畜と食糧を徴発して運び出し、労働可能な男女も強制的に「安全地帯」へと徴発した。さらに、ソ連軍が反撃に転じてドイツ軍が撤退していくようになると、その際ドイツ軍は、農産物や農業機器を運び去り、農業生産用の施設や建物などを破壊し、農業に従事する人々を連行したから、占領地の荒廃は極めて大きかった。

第二次世界大戦仝体での戦死者は、非戦闘員も含めて五〇〇〇万人から六〇〇〇万人(あるいはそれ以上)とも言われるが、ソ連の死者・行方不明者はその半分近い二六〇〇万人から二七〇〇万人と推計され、うち一八○○万人程は民間人だったとされる(ちなみに日本の死者は「十五年戦争」の総計で三一〇万人、うち民間人八〇万人と言われる)。開戦時のソ連の人口推計からすれば、七~八人に一人が死んだ計算と言われるが、死者・行方不明者のうち約二〇〇〇万人が男性であったため、単純計算では男性は約五人に一人が死んだことになり、戦後のソ連社会は人口構成上の大きな歪みを抱えることになった。一九四〇年には約一億〇〇三〇万人の女性に対して九二三〇万人の男性がおり、その差はおそらく六〇歳以上の人々によるものと見られるのに対して、一九四六年には約九六二〇万人の女性に対して男性は約七四四〇万人で、二〇~二四歳以上のすべての年齢層で女性の数が男性の数を上回っていたとされる。この状況は農村において一層際立っていた。一九四〇年にはコルホーズにおける男女比は約一対一・一だったのに対して、一九四五年には一対一・七にも達していたというのである。大量の人口喪失は労働力不足を悪化させ、男女比の大きな不均衡は出生率を低下させて戦後の人口回復の妨げとなり、多数の寡婦や未婚女性の存在、孤児や父無し子の存在は社会問題を生むことにもなった。

こうしたことのすべてが、戦争の悲惨さ、戦争は二度としたくないとの思い、再び侵攻されることへの警戒感を人々に深く刻み込んだ。
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市民の自己組織化

未唯へ

 カフェモカに2ショット追加したヴェンティーサイズを頼みました。いくら、何でもアリ券だからと言って、これはやりすぎでした。エスプレッソが合計5ショットです。

 やはり、パイクのグランドぐらいが考えるには丁度いい。

家の無線LANの接続

 無線LANは簡単に接続されました。iPad2のメニューにパスワードを入れただけです。アクセスポイントの背中に書かれています。多分、ふつうの販売店はそのレベルなんでしょうね。これなら、6千円あれば出来てしまう。アミバでどうなるかは聞きましょう。実機を持っていこうか。

 スタバとマクドナルドでの無線環境の確認をしておきます。スタバはソフトバンクの制約が大きい。iPad2のWi-fiだけではダメですね。これはインフラにならない。3Gを持っていれば、わざわざ、Wi-fiにする必要はない。

 ソフトバンクでないところで、販売店のように、Wi-fiで繋がるところを探します。奥さんたちのミーティングはそういうところを拠点にします。

 ダイハツのカフェ・プロジェクトでは大きな可能性を持ちます。マクドナルドが奥さんたちが集まるところです。あそこなら、可能なはずです。何しろ、DSでさえ対象にしている。会社のロビーのWai-fiも確認しましょう。auの新しい使い方が可能になります。

市民の自己組織化

 iPad2のインストールを午前中に片付けました。その後に、未唯が勝手に広げている。これでノブがくれば。アップルidからのダウンロードを行うでしょう。社会インフラの端末は自己組織化がベースです。やはり、iPad2ですね。ソニータブレットではこうはいきません。

 20年前に、マックドローを展示会で、子供たちがいじっているのを見て、研究所の技術員に広げました。未唯は幼稚園前でした。子供が使えるなら、技術員は使えるという判断です。ソフトバンクにはガッカリです。もっと、自分たちの環境をオープンにしていかないと、社会は変わりません。

次期ネットは有線・無線混在型

 CATVから家に引き込んだ、ルータを無線も可能にしただけです。次期ネットの店舗の第一ルータをアミバ可能なカタチにすれば、既存のルーターのレンタル料金以下になります。

 店舗のLAN環境を無線・有線の混在にします。

 ルーターの監視をメーカー側のサーバーで行えば、ローカルのコントロールができます。

 販売店の無線環境のイメージができました。

サファイアでの見方

 サファイア循環にも従うことができます。ローカルでやったモノをグローバルで支援するカタチです。その際のローカルとグローバルはドンドン、相対的になります。

 リテラシー克服のためには、道具と環境と課題です。道具は一番簡単なものとして、iPad2を使います。環境は、販売店に教育できる場を作ります。ネットと道具があれば、あとは集まる口実です。重要なのは、集まる口実です。今、あるところで環境を作れば、集まってこれます。それをつなげればいい。

 当然、よく知った連中、未唯とかノブみたいな連中、が色々なことを仕掛けます。組織とか行政とかに頼らないことです。iCloudなどの自然なつなげる仕掛けを作れば、そうすれば、お互いに共有できてしまう。
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