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子どもはなぜ、本を読まないといけないのでしょうか?

『子どもの本100問100答』より

活字離れのなかで

 現在、国による法整備、自治体の読書推進計画、ブックスタート運動や朝読など、子どもと本を結ぶ活動が積極的に行われています。これと呼応して、一般的に本を読む行為がよいこと、推奨すべきことという言説・認識が広く浸透しています。ただ筆者は、子どもがどうしても本を読まなければならないということはないと考えています。もちろん、読む人になってほしいとは思いますが、本を読むかどうか、決めるのは子ども自身であり、大人である私たちは、本とは何か、読書とは何かについて自覚的になり、その考えを伝えることが大切なのではないでしょうか。そもそも、本を読むとはどういう行為なのでしょうか。

本とは何か

 本とは、文字を印刷した紙を綴じたものです。綴じたことで本としての体裁を持ち、それはページをめくるという行為を生み出しました。読者はめくるという身体的操作によって主体的・能動的に本と関わり、活字や絵を見ながら作品世界をトータルにイメージしていきます。その際、書体や色、紙質や重さなどの質感も本の重要な構成要素です。本を読むことは想像を含む思考の営み、つまり内なる体験ですが、同時に物理的な質感や色・デザインなどの視覚的感覚が伴う現実の俐験でもあります。くりかえし読むことができ、一冊のボリュームが知の集積であることも本の大きな特徴といえるでしょう。

言葉と思考

 本は言葉によってつむがれていますが、言葉はわれわれの思考と深く関わっています。思考が言葉を生み出す一方で、言葉はわれわれの思考を規定します。本を読むことは、言葉と出会うことであり、言葉に導かれて思考がうながされ、未知の世界を想像することができます。本で出会った言葉を自分のものにすることによって、深い思考、豊かな想像力を身につけることができます。

「物語」の役割

 作家の小川洋子は、人が生きていくうえで必要なのが「物語」だと述べています。物語は、論理的な言語では表現できない心の深部を表出させ、表層の意識とつなげて心を一つの全体とし、さらに他人ともつながっていくために必要であり、「物語に託せば、言葉にできない混沌を言葉にする、という不条理が可能になる。生きるとは、自分にふさわしい、自分の物語を作り上げてゆくことに他ならない」と言っています。読書を通じて子どもたちがたくさんの物語に出会うことは、子どもが豊かに生きるうえで大変重要なことといえます。

読書によって得られるもの

 未知のことを教へてもらひ眼界がひらけてくるのが嬉しいとか、わくわくするやうな架空の経験を与へてもらへる、それでこれを徳とするとかいふやうなことぢゃないやうだ。本来の自分に引き戻してくれるのが読書の徳といよことにならうかね」。寺田透は、読書についてこう述べています。また、内田義彦は、読書の二つの側面を指摘しています。一つは情報を得る読書。もう一方は、モノを見る眼の構造を変える、生き方を変える読書です。情報取得に意味があることはもちろんですが、両者の言には、ただそれだけに留まらない読書の意味、本来の自分への引き戻しや自己発見、自己形成も含まれています。

読書・意味や意義を考え続けるこ

 現代はさまざまなメディアで情報を得て、物語を楽しむことができます。そのような社会のなかで、モノである本を手にして、ページをめくりながら、じっくりと言葉を通して物語に出会うことは、他のメディアとは異なる本の楽しみ方です。読書を強制するのではなく、その楽しさや魅力をいかに伝えていけるかが、大人の役割ではないでしょうか。
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「この国のかたち」としての憲法

『憲法改正の論点』より

国際社会との共存・平和構築への貢献

 横軸としては、「国際社会」と「自然環境」が設定されている。「日本国憲法の家」は、これらといかに接していくかを考えていなければならない。国際社会との関係でいえば、国際社会との共存をはかっていくべきは当然のことながら、世界の経済大国となったいま、消極的な平和だけでなく、国際平和の維持と構築に向けて積極的な役割を演じることが求められている。日本が平和立国であることは、国際的に定着しているといえる。その平和立国の指針を国際平和の維持に貢献するという視点から、憲法条項として導入することが考えられなければならない。

 ちなみに、1999年のフィンランド憲法第1条3項に「フィンランドは、平和および人権の保護ならびに社会の発展のための国際協力に参加する」むねの規定がおかれている。国際的な平和活動への参加規定は、1992年のチェコ憲法(2000年に当該部分が追加された)や2011年のハンガリー憲法などにもみられる。

自然環境の保全

 日本国憲法は、自然環境の保全について何の規定もおいていない。けれども、その重要性は十分に認識されている。学説は、第13条後段の「幸福追求に対する国民の権利」や第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」から、国民の環境権を引き出し、国家に環境の条件整備を要求している。日本国憲法が誕生した1946年当時、環境問題は俎上に載せられていなかったし、各国憲法にも環境条項は皆無であった。

 しかしながら、第2章でみたように、1990年から2012年までに制定された100の新憲法中、90カ国(90%)で環境の権利・保護条項が導入されている。旧来の憲法にあっても、たとえばドイツ基本法(1949年)第20a条は、つぎのような規定になっている。「国は、将来の世代に対して責任を果たすためにも、憲法秩序の枠内で立法を通じて、また法律および法律の基準に従って、自然的基盤および動物を保護する」(この条項は、1994年と2002年の改正によって追加された)。またフランスでは、2004年に前文と10力条からなる『環境憲章』が制定された。同憲章前文には「環境は、人類の共有財産」であることがうたわれ、「各人は、均衡のとれる、かつ健康が尊重される環境のなかで生きる権利を有する」(第1条)という規定などが配されている。この『環境憲章』が、2005年の改正によって、憲法前文に取り込まれた。

 現代世界は、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、黄砂、海洋汚染、森林減少など、国境を越えた環境問題が深刻になっている。これらの問題と真剣に向き合うためにも、日本国憲法に環境条項を明示することが不可欠といえる。

改築か、新築か

 「日本国憲法の家」なるものの構築をデザインしてきたか、そのキーワードはつぎの3つに集約される。

  ①アイデンティティの確認

  ②共生社会の憲法体系

  ③次世代への確かな引き渡し

 このような内容の「家」を建設するには、相当程度、手を入れなければならない。そこで、部分的に改築するのか、あるいは土台から作り直して、新築にするのかという点が問題になる。私は、本来、日本国民自身の発想により、みずからの手で新築することがあるべき姿であると考える。

 けれども、2010年5月18日から施行されている憲法改正国民投票法、およびそれにともなって改正された国会法は、全面改正を前提にしていない。国会法第68条の3は「憲法改正原案の発議に当だっては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする」と規定し、憲法改正国民投票法では、投票様式を「二以上の憲法改正案について国民投票を行う場合においては、いずれの憲法改正案に係る投票用紙であるかを表示しなければならない」と定める(同法第56条、別記様式)。要するに、基本的には個別的または関連する改正案をまとめて、賛成または反対の投票用紙が作成される。もっとも、全面改正あるいは大幅改正も不可能ではないが、その場合には何十もの設問とブースを用意しなければならず、現実的ではない。

 私は、オールーオアーナダソングの選択肢もありなのではないかと考える。すなわち、改憲勢力が合同して知恵を結集し、新憲法草案を作成↓各院で総議員の3分の2以上の賛成により国民に提案↓国民は、全体的に賛成であれば賛成欄に○をつけ、一つでも反対ならば反対欄に○をつける。このようなシステムをとらないと、本当の意味の新「日本国憲法」が誕生しないのではないかと思える。

 ともあれ、改築するにしても、新築するにしても、日本国憲法のあるべき姿を具体的にデザインしておく必要がある。その詳細について、次章で検討することにしよう。
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観光対象としてマークされる地域の価値

『年報・中部の経済と社会』より

地域における観光開発

 観光者(客)が入ることによって環境が破壊される、という言説にもみられるように、観光は自然環境を破壊する大きな要因として捉えられることが多い。このようななかで、1990年代に入ってから、マスツーリズムから持続可能な観光(サスティナブル・ツーリズム)への関心が高まる。地域における環境は、多くの観光者(客)を引き付ける観光対象である。地域における環境を維持するということは、その環境が観光対象となる地域における観光活動を維持することである。そのため、環境に配慮する観光開発が求められるようになる。

 ここで注目されるのが、観光開発と地域の発展との関わりであり、「外発的」と「内発的」という二つの異なる観光開発の形態である。外発的観光開発とは、観光開発の対象となる地域外の企業が主体となる開発形態であり、地域社会の意思とは関わりなしに地域資源の商品化を進める開発を指す。地域社会に対する配慮が行われることなしに開発が進められた結果、地域の貴重な資源が破壊されるなど、観光の負のインパクトを生じさせた。これに対し、内発的観光開発とは、地域社会の人々や集団が固有の自然環境や文化遺産を持続的に活用することによって、地域主導による自律的な観光のあり方を創出する開発である。ここで示される「自律的」とは、「外部からの力にしばられないで、自分の立てた規範に従って行動すること」(大辞泉)という意味からも想像されるように、地域社会の自律的意思に基づいて地域資源の活用を図ることである。

観光による地域活性化の動き

 世界のさまざまな地域において、マスツーリズムから持続可能な観光への模索が続くなか、日本においては「観光立国推進基本法」が2006年成立(翌年1月より施行)した。このなかで、観光振興に対しては、経済への直接的な波及効果だけではなく、とくに地域活性化を促進する役割が強く求められている。同基本法前文には、つぎのような表現がみられる。

 「…観光は、地域経済の活性化、雇用の機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたりその発展に寄与するとともに、…。…このような使命を有する観光が、今後、我が国において世界に例を見ない水準の少子高齢社会の澗来と本格的な国際交流の進展が見込まれる中で、地域における創意工夫を生かした主体的な取り組みを尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の実現を促進し、我が国固有の文化、歴史等に関する理解を深めるものとしてその意義を一層高めるとともに、…。」

 観光振興が国として重要な政策の一っとして捉えられているなかで、地域資源(自然、文化、農林水産物など)の堀りおこしと地域資源を活用した「ニューツーリズム」旅行商品の創出が促進されている。ニューツーリズムの観光形態としては、ヘリテージ・ツーリズム(遺産観光)、グリーン・ツーリズム、エコツーリズム(生活環境観光)、産業観光などが挙げられる。

 「体験型」や「交流型」旅行に対するニーズが高まるなか、「交流」をキーワードとした旅行業界の動きも注目される。なかには、自らを「交流文化産業」と位置付け、地域交流ビジネスを推進している会社もみられる。このような傾向からは、「地域」が観光市場として注目されていることがわかる。
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未唯空間の位相化とポータルの関係

昼のスタバは女性専用

 4時半の豊田市駅前のスタバが混んでいる。外が暑いからでしょう。ほとんどが女性です。だから、やかましいこと。

 バリスタに聞いたら、女子高校生が増えている。高校生も贅沢になったものです。私の頃は、吉田屋の焼きそば屋です。彼女らはつるんでくるから、やたら多いです。お花の展示会をしているから、そのついでの年配の女性も多い。

図書館の文学の本

 図書館は3階の本だけが残っていた。他は少なかった。だから、文学が中心です。読みずらいですね。DNAがなかなか見つからない。

 だから、DNAが分かればそこでやめます。随筆は特にそうです。偶々、付け加えたものに付き合うことはしません。

未唯空間の位相化とポータルの関係

 未唯空間の位相化とポータルの関係はいいものになりそうです。根幹の部分は位相で仕切ります。

 因数分解した、フレーズで点を作り、位相化していく方が分かり易い。本当は、位相化したものから根幹を作りたいが、そこまでの技術はありません。

 多分、サファイア革命も同じようになります。色々なものをどのように組み立てていくのか。フレーズを先に決めます。

未唯空間の位相化と部品表からのアナロジー

 フレーズに対して、キーワードを書いて、キーワードを集約して、もう一つ空間を作る。取りあえずは、手作業にしましょう。ついでに、ポータル側にも展開します。

 部品表と対比すると、部品表は部位が持っているものと、部品が持っているものを組み合わせて、バリエーションするモノ。エンジン部品表はそれを横軸に見ていく。

 部位で合わせるというのがあったけど、それを超えていきます。部位である必要はないです。そのために、レベルがどこでもよかった、ブロックコードを作っていた。一つの塊として見て、それの目的で合わせて、クルマを作っていく。

 どう見ても、ロジックは人間の範疇を超えています。マシーンもプログラムを作らないと難しいかもしれません。だけど、それが目的ではない。

ポータルでの夢

 ポータルで、これをやりたいという夢がアップされていたけど、私の場合は違います。コミュニティでの情報共有です。そこでの目的は、スタッフの分化です。

 その後に、経営者の覚醒があり、そして、メーカーが社会を変えていきます。

身体が邪魔

 身体が邪魔になっています。なければ、もっと考えられるのに。だるいとか、眠たいとか。この身体はどうしようもない。来週末には、健康診断結果より、産業医との面接があります。
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