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アップルの今後

『アップルの破壊的イノベーション』より アップルの破壊的戦略

2013年4月、アップルは3年間で1000億ドルを株主に還元することを発表した。その原資は、事業会社としては最大級の社債発行で調達されるという。こうした株主還元策は、2012年9月からのアップルの大幅な株価下落に対する株主の不満をなだめるものであるが、自社株買いにより資本を減らし、低コストの負債を増やすことで財務レバレッジを高める効果がある。つまり、株主還元策の真の狙いは、株主にとっての価値である資本効率を高めることにあるが、こうしたアップルの一連の動きは、アップルの成長鈍化を示すものであり、成長期から回収期にアップルが差し掛かったとの市場の見方もある。

だが、紛れもなくiPodやiPhone、iPadによる破壊的イノベーションは、アップルを世界でも有数の優良企業に押し上げた。依然としてアップルは市場での支配的な地位を獲得し確固たる優位性を築き上げている。この事実は、クリステンセンが主張する優良企業が陥るイノベーションのジレンマの考え方に立てば、アップルが今後、持続的イノベーションを起こせても、破壊的イノベーションの展開が難しくなることを示唆するものである。

なぜなら、アップルが達成した破壊的イノベーションは、企業戦略の方向性を(イエンドに向けることになり、アップルの組織体系を持続的イノベーションヘとシフトすることになるからである。そうなれば、ジョブズのDNAを受け継ぐ企業者(アントレプレナ士が仮に組織内部から現れたとしても、破壊的イノベーションヘの集中的な資源投資が組織的なコンセンサスを得られず、破壊的イノベーションの遂行は困難となる。企業戦略の方向性が持続的イノベーションに向かえば、破壊的イノベーションに必要な非連続性が失われることになるため、必然的に破壊的イノペーションは企業戦略からかけ離れることになる。

それでは、アップルが今後も破壊的イノベーションを恒常的に起こすためには、自社の戦略をどのような方向に導くのが望ましいのであろうか。いくつかの方向性が考えられるが、特に重要なのは次の2つである。

まず、一つ目は、持続的イノベーションに専念しない戦略を採ることである。現在のアップルの中核事業はiPhoneとiPadであるため、必然的にこれら2つの製品の持続的イノベーションに企業戦略が傾注することになる。それこそが破壊的イノベーションの遂行の妨げとなる。なぜなら、持続的イノベーションヘの戦略シフトは既存の価値基準を受け入れることを意味するため、新たなる価値基準が生まれ難いからである。アップルはこれまでの成功体験があるがゆえに、既存価値の深化に集中しがちになるが、持続的イノベーションヘの資源集中は避けなければならない。これからのアップルに継続して求められるのは、持続的イノベーションという既存価値の深化に集中するのではなく、新たなる価値の探索にも目を向けることである。こうしたいわゆる両利きの戦略を引き続き遂行できるか否かが、アップルの今後の企業成長のカギを握ることになろう。

二つ目の方向性は、破壊的イノベーションに資源を集中投資できるような組織体制を恒常的に維持することである。ジョブズは、創発的戦略を重視しつつもトップダウンで破壊的イノベーションを展開した。すなわち、組織的なコンセンサスを得るプロセスを経ることなく、資源を破壊的イノベーションに集中的に投下することで、破壊的イノベーションを遂行した。破壊的イノベーションにより生み出される新たなる価値基準は、こうした組織的なコンセンサスを得るプロセスにそぐわない場合が多いため、経営者のトップダウンによる決断が必要となる。アップルに潜在する企業者の芽を摘まないためにも、破壊的イノベーションに資源を集中投資できるような組織体制の維持は必要不可欠である。内発的に生まれる企業者のアイディアが自由に企業の戦略に結びつくような組織体制こそ、破壊的イノベーション遂行の近道となる。
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オープンイノペーション

『アップルの破壊的イノベーション』より アップルの破壊的戦略

オープンイノベーションは、ヘンリー・チェスブロウが提唱したイノペーションの概念である。チェスブロウは、自著の『オープンイノべーション』の中で、「オープンイノベーションとは、知識の流入と流出を自社の目的にかなうように利用して社内イノペーションを加速するとともに、イノベーションの社外活用を促進する市場を拡大することだ」と定義している。つまり、自社のテクノロジーを発展させるためには、社内のアイディアに加え、社外のアイディアも活用し、さらに、市場の進出においても、社内ととともに社外を経由したルートを活用することが重要であり、それこそがオープンイノベーションによるパラダイムであると述べている。

チェスブロウは、こうしたオープンイノベーション・パラダイムは、従来のイノベーションと異なる新しい解釈や視点を提示するものであると主張している。

すなわち、第一に、従来のイノベーション理論では、社外の知識は重要であるものの、それはあくまでも補完的な役割を果たすものとして捉えていたが、オープンイノペーション・パラダイムでは、社外の知識は、従来の理論で社内の知識に与えられていたものと同等の役割を果たすものであると捉える点である。

第二は、オープンイノベーション・パラダイムでは、ビジネスモデルの重要性が明確になるとしている点である。オープンイノベーションでは、企業がビジネスモデルの活性化を図るために社内外から有能な人物を探し求める一方で、企業が発明した成果がビジネスモデルに制限されないようにするとともに、あらゆるチャネルを通じて市場に進出することを可能にするよう提案している。

第三は、オープンイノベーションでは、企業内でビジネスモデルをR&D(研究開発)の評価に注力する認知装置として位置づけることである。ビジネスモデルは認知の補助装置として機能し、モデルに合致するかしないかでプロジェクトは取捨選択される。

第四は、従来のイノベーションのコンセプトが目的にかなう知識や技術の流出を認めなかったのに対し、オープンイノベーション・パラダイムでは技術の流出を認めることで、外部チャネルとは競合関係に立つものの、社内では市場に辿り着くための明確な方向性が見えてない技術にも外部チャネルを追求するチャンスを与えることである。

第五は、イノベーションのプロプライエタリ(独自)なモデルでは、役に立つ知識は稀少で発見が難しく、そればかりか頼るのが危険であると認識されていたが、オープンイノペーションでは、有用な知識は、大学や国立研究所だけでなく新興企業や個人の発明家など広範囲に分散されていて、しかも一般的には高品質であるという違いである。

第六は、従来のイノベーション理論では、知財をイノベーションの副産物と捉え防衛的に使用していたが、オープンイノベーションでは、知財は、定期的に社内と社外を行き来し、ときには無償で公開されたり寄付されたりすることもあり、価値ある知識として交換できるため、知財はイノベーションの重要な要素となリ得ることである。

第七は、イノベーションがよリオープンなプロセスになるにつれて、仲介者がイノペーション自体の中で直接的な役割を果たすようになってきたという点で、イノベーション市場で仲介者が果たす役割が非常に重要視されるようになってきたことである。

最後に、第八として、企業がイノベーションプロセスの達成度を評価するうえで、オープンイノペーションという新しいアプローチが、新たな評価指標をもたらしたことである。それは、イノベーション活動の中で、社外に起源を持つイノベーションがどの程度の割合を持つのか、また、同業と比較した場合、その数字がどのように位置づけられるかといったものである。

以上の8つの視点や解釈は、従来のイノベーション理論との違いを表すものであることから、チェスブロウは、オープンイノベーションがイノベーションを理解するための新たなるパラダイムと考えるのに正当な根拠を十分に内包するものであると主張している。
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社会の位相化でとりあえず、考えたこと(2)

アナロジーの使い方

 今回の組織とか超国家との関係も、ロジックの中にアナロジーを持っています。それは個人の中でも、大きな国の中でも一緒です。アナロジーがどこまで、貫徹できるのか。

 その時に、アナロジーに全てを折り込むことはできない。差別化する部分を見つけて、特異点として、抽出して、それ自体で別空間を作って、組み合わせるだけの力が必要です。だから、思考は全て、狼火する。考えるフィールドは全て、未唯空間および未唯宇宙です。

 アナロジーが使えるのは、空間として見ているからです。座標として見ていない。

ゆっくりした革命

 やり方はゆっくりした革命、いつの間の変わってきた革命。それぞれの部分はう和えからの指示ではなく、自律的に動いていく。上から見て、少しだけ、方向を認識させるカタチです。

 その時には、効果を優先します。なにしろ、従来の成功体験を変えないといけない。そのために、グループの単位を小さくしたのです。そこでの新しい成功体験をそれぞれの大きさで適用させます。

 だから、道具としては、プレゼンの資料と典型的なモノ。この二つを持ってきて、それをどういう関係にするのかを決めていきます。道具として難しいのは、キーワードのチェーンです。最小単位でどこまで持ってくるのか。これはヘッドロジックそのものです。

 個人と同様に、最小単位というのは、ありえないです。個人も分解していきます。同じように最小単位も分解していきます。

プロセスの見える化

 作られたものは、ある人には、見たこともないようなモノになります。フランス革命を同じようなカタチになったのでしょう。動いている自分たちが分からないうちに、革命が出てきます。

 明治維新というのは、単なる中央集権です。その時点で、答えが見えていた、あとは勢力争いです。

 アメリカ合衆国ができるときに、それこそ、自分たちが戦うことを知らなかった連中が、最強のイギリス軍と戦って、勝って、変わった世界。

 そこまで、出てきた、最後のカタチを見せるのではなく、プロセスを見せるようにしていくことで、自分たちの意味を知らせて、知恵を出せるようにしていく。

存在の力と多数決

 意味を知るために、重要なのは、何のために生まれてきたのかの存在の力です。なぜ、多数決になるのか。それは集合ありきで考えるからです。目的ありきで考えたら、多数決はありえない。

 県とか、職場とか、同じところに居るから、一緒だと思うから間違うのです。物理的な場所とバーチャルな場所を分かることができるようにできます。

 ベースを個人(点)から始めて、近傍を作って、それをつなげていく。それによって、どこまでカバーリングできるのか。それを一つの空間とみなす。この考え方を社会の中で、どのように現実のものにしていくのか。デバイスもネットワークもコンセプトも揃っています。

 個人を分化すれば、いくつにも分かれます。組織に縛られます。分化したところから、拡大すればいいのです。個人が中心の、人格中心の世界になっていきます。
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社会の位相化でとりあえず、考えたこと(1)

スタバのカードの保証

 スタバのカードは保証されていたので、なくしたカードから現金を移動させました。すごいですね。

社会の位相化

 社会の位相化をどのようにして、具体的にしていくのか。

 経営者層の意識を変えるところが、何か所も取り上げています。色々なフェーズのものを、社会の位相化でまとめていきます。キャッチフレーズの分類していきます。今まで、バラバラで考えてきたものがつながる瞬間です。その楽しみです。

 情報共有のようなフレーズは、素子です。関係づけるものです。別なものが意味を持ちます。どういう関数を持つのか。存在の力は、ほとんど対応しません。

 カントでも、数学的なカテゴリーを使ったために、意味が分かってきました。分類です。それはモノの分類ではなく、関係の分類です。存在の力とか環境社会の哲学、あとは数学は社会の位相化のベースを為すものです。関係させていきます。

 頭が働くうちに、そういうものをまとめるだけまとめていきます。その後に、どうなるか、もっと、荒い言葉を使っていくのか、緻密にするのか、今の段階では、分かりません、

キンドル態勢

 今日は外で考える仕様にしましょう。時間的には。そのために、キンドル三台態勢です。10月末には4台になります。

社会の位相化に対する高度サービス

 社会の位相化に対するマーケティング。その中に、サービス高度化も入ります。スタバのサービス、カードを戦力化している。バックヤードでかなり考えられている。

 スタバのサービスは、相手によって、変えていく。あえてそれを言わない。そして、人間が主役として介在する。付加価値を生むのがバリスタという概念を植え付け、知恵を生み出す。

 例えば、サード・プレイスをどう見ていくのか。様々な見方があるけど、そういうものをどうまとめるかから見ていきます。

まとめう方法

 デカルトにしても、技術的な論文の部分は、時代遅れになってしまったが、序論部分の、一人で考える姿勢と二元論の部分は残っている。そこから出てきたものを、どのようにまとめていけばいいのか、どう考えたらいいのかという部分が残っています。方法序説の序論だけが歴史に残っています。

 社会の位相化は膨大なシステム設計になります。カテゴリー論、アナロジーも超えてしまいます。新しい数学の提起もできます。目的があって、はじめて成り立ちます。そして、つながる瞬間をいくつも想定します。

情報共有の意味

 SNSにしても、フェースブックも従来のハイアラキーに過ぎない。人間の認識を変えることまで、入り込まないと、情報共有にはなりえない。発信する人と受ける人ではなく、一つの位相の中でどのようにしていくのか。空間をどう作り上げるのか。

 具体的には、コラボレーションのテーマとか、グループがそれらに関係します。

 民主主義そのものを位相化で考えると、重要なのは、パーティーのつくり方とその中の発信の仕方、議論の仕方と結論にどう持って行くのか。それらをどう活かすかです。ベースとしての近傍系を明確にして、個人がどのように分化から拡大させていくのか。

 そこから、生涯学習のカタチが生まれてきます。単に学習ではなく、社会を位相化するのが目的になります。

従来のやり方からの発想

 新しいバランスを作るためには、従来のバランスがどうなっているのかも知らないといけない。その中で、ポータルという機能での役割から見ていきます。今、触れるのは、そこだけだから。そこでどのような位相が出来るのか。

 前提として、個人の分化をどういうカタチで進めるのか。それ一つとっても、大きなシステム設計です。

 一番、分かりにくいのは、これが順序立てて、積上げるのではなく、バラバラで同時進行しているものをくっつけていくというパターンだということです。この思考にどこまで、ついていけるのか、どこまで、表現できるか。実際、やる時も、順序立ててやることはできない。バラバラなものを立体的につなげていくことになります。
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