日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

父が見た惨状映す絵

2017年08月11日 | エッセイサロン
2017年08月11日 中国新聞「広場」掲載


 近くで開かれた原爆展会場で、「水をもとめて」という1枚の絵が私の足を止めた。それは、被爆した人が、水を求めて水槽で重なり合って亡くなった様子が描かれていた。
 広島に原爆が投下された日、父は業務で同僚と自転車で岩国から広島に向かった。
 小学校高学年の夏休み、父の目にした惨状について聞きたいというと、難しい顔をして黙っている。それでも一つだけ話してくれたのは、「防火用水に、人も犬も一緒に漬かって亡くなっていた」という話だった。
 一つだけ聞かされ、覚えている原爆投下直後の街の様子が、目の前の絵と重なった。幾多の残酷な光景を見たであろう父が、その様子は「子どもにはむごくて話せない」と考えたのだろう。
 父は、それからも語ることなく50代半ばで急逝し、50年余が過ぎた。 
 会場の外は真夏の日差しがまぶしい。投下直後のまぶしさと熱さを思い、核のない世界の実現を祈った。
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花抜きのわけ

2017年08月10日 | 生活・ニュース

 夜半の雨は上がり天気回復となったので明日の予定を繰り上げ盆前の墓掃除をした。出かける前に何となく気かかりを感じたが、墓の前に立った時、気がかりに感じたのはこのことを虫が知らせたのだと思った。いつそうなったのか、花立の花が抜かれ傍に置いてありその半分ほどは枯れている。この暑さの中、花も熱中症に罹っている。

 墓に供えてある花をカラスが抜き取る、という事で花立の周りに糸を張った人がいる。その時は花が散乱していたと聞いた。目の前の状況は、花立から花をそっくり抜き、その状態で傍に置いている。鳥のいたずらでは無い、思い当たるには、最近、この近くに出没し始めたという猿のいたずらだろう。

 ひと山向こうで始まった大型道路工事の影響で、ねぐらを追われた生き物が移動分散したようだと農家の人から聞いている。猪に猿、最近は熊の目撃情報も出た。山中の生き物も食わねばならない、そのためには餌をもとめて移動する。農家の人にとってはたまったものではない。と言いながらなかなか打つ手がない、そう話す人は美味そうに一服する。

 話す傍の柿の木には早くも赤子のこぶしくらいの実がついている。「これも秋には猿の餌」と笑う顔にはあきらめも見える。熱中症注意の呼びかけは続いているが自然は秋への準備を怠っていない。そういえば吹き抜けた風にその気配を感じる。しかし、花を抜いてどうしよというのか謎のままだ。
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雑草屋敷に思う

2017年08月09日 | 地域

 台風5号の記録に残りそうな迷走の中でも、連日、高温注意報が発令され熱中症に罹るなと呼びかけるテレビ、その文言は暗記してしまう。それほど日本列島は暑いということだろう。そんな環境の中で元気いっぱい育っているのが雑草、放置された場所に生えているそれは日々の伸びしろがわかるほどすごい成長力を感じる。

 散歩する道沿いに新築してそれほど経っていない和風平屋の家、住人が変わって2年ほどになるが見事な雑草屋敷になった。道路から玄関までの足の幅ほどは雑草は少ないが、それ以外は1度も草抜きされたことがないと思えるほど茂っている。よそ様のことをつべこべ言うな、とお叱りを受けそうだが、近所迷惑に見えてしかない。 

 雑草はたくましい生命力の例えに使われる。有名でよく聞くのは「雑草のように育つ」。雑草は人の生活範囲に人の意図にかかわらず自然に繁殖する植物という。主の変わった平屋を取り囲む雑草は自然のままに生きているということになり、草ぼうぼうも仕方ないことになるが、周辺へ配慮することは人の自然なふるまいではなかろうか。

 空き家にしている実家の掃除に行った知人から、庭の雑草を除くと一息つける、と聞かされた。そこにも雑草の目に見えないなにがしかの力を感じる。刈り取った雑草は畑に戻す、そんな時代ではなくなり薬で処分する時代になった。春先の山焼きの後に生える緑の葉を雑草と言わず草という。放牧牛は好んで草を食べる。雑草屋敷から脱するにはどうした良かろうか。
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分別収集

2017年08月08日 | 生活・ニュース

 家庭から出るゴミの処理方法、昔はどうだったかと時々思い返すが定かな記憶は無い。大方は家で処分していたのではなかろうか。紙に木材、衣服などみんな燃やし灰は畑にまくなど自然に返した。やがて合成樹脂が世に出る。当初は燃やせるゴミとしていたが、その量が飛躍的に増大し、燃やすことが公害発生の一因とわかり、合成樹脂の処理が問題になった。

 現役時代の一時期、日本初のポリエチレン(PE)生産に係った。その成長期には、それまでのガラス容器が軽量で扱いやすいPE製に変わるなど生産即出荷という時代もあった。やがて薄くしても強度は落ちないフイルムや袋など少量のPEでも製品化できるなど、品質改良の技術は進む一方で、再利用など工夫はされるが合成樹脂の処分問題は今も課題になっている。

 ペット(PET)樹脂製品は回収再利用されている。スーパーの回収ボックスはいつも満杯で、従業員が大きなポリ袋で持ち出している。しかし、街のあちこちで投げ捨てられた飲料容器は捜さずとも目につく。未回収という問題だけでなく、砕け散り小片となって海に至りマイクロ化した樹脂が生態系を脅かすと警告されている。ポイ捨ては厳罰に当たる。

 電化製品には貴重な金属資源が使われている。非鉄金属のうち産出量や流通量の少ない希少金属をレアメタルと呼ぶ。よく聞くのはニッケル・コバルト・クロム・マンガン・チタンなど。身近なところでは電気電子機器、HV自動車などを思いつく。ガラケイにもしっかり使用されている。高価で希少な金属回収、これも分別回収で可能、捨てるときちょっと考えればゴミ減量と資源回収、綺麗なゴミ集積場を見ながらあれこれ思う。
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朝顔の復活

2017年08月07日 | 社会 政治
 
 昔、総理に係る事件で誕生し時代の言葉にもなった「記憶にございません」、どっこいまだ生きていた。今回も総理にまつわる疑義から国会がもめている。幾度となく赤絨毯のうえで解明が図られようとしたが肝心なところで「記憶にございません」をはじめとして、「メモは取っていない」「取ったメモは破棄した」、「資料は存在しない」など、税金から給料を得ている人らとは思えない発言に驚きあきれている。

 言い換えれば、わが身を守ることはしっかり記憶しているが、逆になることは明らかにしない。うつむき加減で元気なく答える、準備された書面を下向きで読む、何かおどおどしている、素人目には「何か隠している」としか見えない。「給料はどこから出ているかご存知」と聞いてみたい。

 最近、そばの注文を受けた店員が「かけ」ですか「もり」ですかと聞けなくなった、そんな噺をしている。どちらに依怙贔屓するわけでもないのにそうなる。「もり」で資料が一切ないと言い張った人が税金徴取のトップに就いた。そこで「資料がなくなったのですが経費と認めてくださいと税申告する」そんな噺も出始めているとか。噺としては面白いが通用はしないだろうとおもうが、どうだろう。

 入梅前から咲き始め毎朝楽しませてくれた朝顔のメリーゴーランド、このところの暑さか、あるいは今年の務めを終えたのか咲が止まっていた。ところが台風5号に刺激されたのか今朝は驚くほどの花数。何か刺激があれば息を吹き返す証明かもしれない。新しいメモも出た、内閣改造で閣僚も変わった、さあ、破棄した、記憶にない、忘れた、覚えていない、ことごとを思い出すチャンスとなった。国民の公僕、古くても意味ある言葉を噛みしめてほしい。
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三度許すまじ

2017年08月06日 | 社会 政治

 ふるさとの街焼かれ/身寄りの骨うめし焼土に/今は白い花咲く/ああ許すまじ原爆を/三度許すまじ原爆を/われらの街に(1番の歌詞)。これは原水爆禁止運動とともに歌い継がれている「原爆を許すまじ」(作詞:浅田石二 作曲:木下航二)。近くで開かれたミニ原爆展会場で、墨書きされた歌詞を見て、場所などは記憶していないないが何度か歌ったことを思い出した。

 この歌が生まれたのは1954(昭和29)年、太平洋ビキニ環礁での水爆実験による第五福竜丸事件を契機に始まった原水禁運動が広がるころに作詞されたという。広島で創作されたと思っていたら東京だと知って驚いた。この歌が「今も歌われているのは、むしろ残念。核兵器廃絶が実現していない証だから」と話すのは作詞者の浅田石二さん、歌が誕生した63年前と同じ状況だという。

 国連がゆるとしている核兵器保有国は米英仏露中の5ヵ国、他にも数か国が保有しているのは公知の事実。東西冷戦が消え削減への道も進んだが、今、削減への道は途絶えている。この現状を改善させるのは唯一の被爆国日本しかないと思うが、世界の潮流に逆らう方向で対処しようとする姿勢に疑問を感じる。

 原爆死没者慰霊式・平和和記念式典、広島市長は平和宣言の中で述た一つに「国連の場で、核兵器廃絶に向かう明確な決意が示された。平和主義の体現へ日本の加盟を含む条約の締結を促進する」よう国に要請した。総理の式辞では「核の保有と非保有両方の中に立って努力する」という従来通りで具体的内容のないものだった。「平和のため命の重みや相互理解を粘り強く伝える」という小学生の「平和への誓い」は具体的で将来を託せる気がした。公務で入市被曝した父は目にした惨状を話さないまま急逝し50年余、現状をどう見下ろしているだろう。
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奇跡のフルーツ

2017年08月05日 | 自然 季節

 先日、夫婦で外出し帰宅したら玄関のドアノブにお洒落な紙袋がかかっている。開けると「今朝収穫しました」のメモと一緒に粒そろいのブルーベリーが容器一杯に入っている。毎年、収穫の日に届く貴重な青紫の粒、口にしないうちに甘酸っぱい感触が湧いてくる。毎年、ジャムにしていただいている。

 ブルーベリーが目に良いと聞いているしCMでも流れる。そのわけは栄養素の一つアントシアニンを多く含有しているからとある。アントシアニンは、ポリフェノールの一種で青紫色の天然色素で、植物が紫外線から守るために蓄える成分で抗酸化作用が強いと知られている。その他にもビタミン、ミネラル、植物繊維も多いという。

 目への効果を調べてみた。これはアントシアニンが網膜のある成分に働き目のピンと調整機能を改善し、視界をクリアーにする。こうした働きで、近視や白内障、眼精疲労に効果があるという。その効果を疑う向きもあるが、臨床試験で有効性が証明されているという。眼精疲労や白内障、老眼患者にはこれのエキスを摂取すると多くに人が改善んしている、ともいう。

 ということで、今年は新鮮なブルーベリーを加工しないでいただくことにした。耳学問では1日10粒位というから、朝食の時に酸味と甘みを味わいながら楽しんでいる。まだ、目に顕著な効果は感じていないが、奇跡を信じて楽しみたい。
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台風5号は来る

2017年08月04日 | 地域

 迷走は計画通りなのか自然のなすがままだったのか、台風5号の進路がようやく決まりつつある。とはいってもその予想円はあまりにも大きく、円上の東西南北の示す範囲は広すぎる。日本の進路予報技術をしてもむつかしい。仮に予想円の中心を進むと九州から豊後水道経由で瀬戸内海、四国と広島湾を結ぶあたりを通過する。

 先の豪雨で被害の大きかった九州地域では、行方不明者の捜索に加え、5号への備えをするという厳しい状況になっている。ボランティアの人らの滴る汗の映像を見ながら心配する。5号に伴う雨量は延べ600から700㍉という驚く値が予測されている。台風襲来前の対策完了を急いでほしい。

 もしかしたら台風の進路になるかもしれない我が街の上空、今日は真っ青な空に白い雲、日差しはたっぷりで、台風の予測など高齢者の心配事と笑っているようだ。車の積載温度計、今日は35度を示していた。いつもなら歩く距離だが暑さに負けて迷惑をかけてはと車で出かけた。クーラーは愚痴一つ言わず気持ちよく運転させてくれる。

 南方海上の海水温度が高く台風5号の勢は勢力維持か増す方向という。台風の発生数、南極大陸氷山の分離などなど地球上の気象異変が多い。原始の生活には戻れないが、人の作った文明文化科学という自然に存在しない人の力が災いを引き起こしているのでは、そんなことを思いながら自然にないパソコンのキーを叩いている。これは思っていることとの矛盾だろうか。
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モメサンメルロー 赤

2017年08月03日 | 生活・ニュース

 「モメサンメルロー」は2003年ヴィンテージで、歴史と伝統ある英国王室から「英国王室御用達ワイン」の認定を受けました。モメサン社の確かな技術に裏付けされた豊かな香りとなめらかな口当たりを心ゆくまでご賞味ください。これはワインボトルにつけられた「英国王室 信頼のワイン」表示の背中に記された説明書きで原産国フランスとある。

 さらに上品な味わいの「ミディアムボディ」とある。これは、バランスの取れたボディ(味わいの豊かさ)で、魚と肉を一緒に食べるときはどちらにも合う、ということを知った。レストランで1本だけ頼むときはミディアムボディーがいいという。ワインは赤と白、肉は赤で魚は白、甘口と辛口くらいの知識とは言えない耳学問で過ごしてきた。ワインの席に招かれたこともあるが無知を皆さんのカバーで恥をかかずに過ごして来れた。

 このワインは先日、岩国エッセイサロンビヤパーティでの景品。私は初めて見るビンゴマシーンという装置を使ってのビンゴゲームで参加は15名。商品のワインは5本、1、2、3位と10位と15位がワインをゲットできるという仕組み。ゲットしたのは10位の賞品、はるばるフランスからやってきた1本で、英国王室ご用達は数日過ぎてから知った。

 1本は1度に飲み切れる量を越えているので開栓をいつにするか考えている。家内も息子もアルコールを受け付けず、来客は車運転で飲めない。いつだったか、宴会に持参して開栓したことがある。これだと無駄にならずおまけに喜んでもらえた。次の宴まで赤いリボンを付けたまま残しておこうか。
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渇水対策

2017年08月02日 | 自然 季節

 幹線道路をつなぐバイバス役の道は坂道だが大型車も通れるので結構な通行量がある。その登坂で汗びっしょりで潅水用の水を運ぶ人に出会った。その方の畑はバイバス沿いから下方の谷に向かう段々畑になっていて、見通せる段ごとに猪除けの柵が設けてある。水路は無いから水遣りは人の手しかない。先の人は水対策を話してくれた。

 農具を仕舞う小屋の屋根から樋を引きドラム缶2本分の貯水タンクを設けた。タンクから塩ビのパイプで畑各段に水がいきわたるよう施設した。ところが猪の餌探しでパイプが破損した。雨が少なくわずかに残っていた水は法面の雑草を喜ばせた。苗の植え替えやらパイプ取り換えなどを思うと、年金生活者の手におえない損害、最近、猿が群れで現れる別の心配も発生し、おまけに水運びはたまらん。

 今日、日本列島は北陸東北地方の梅雨明宣言が出て雨の季節は脱したことになる。期間中は線状降水帯を初めとする異常降水が各地に大きな被害をもたらした。一方で、夏場の水不足を心配する河川もあるなど均一でない降水に気をもむ地域もある。台風5号が恵みの雨程度で通り過ぎれば、先の方の水運びは終わるだろう。

 現役のころの夏場、工業用水の取水制限対策でサニーホースを使って臨時の送排水路を幾本も施設した事を思い出す。水は人や生き物だけでなく、機械設備などが動くためにも欠かせない。サニーホースは施設すれば渇水対策解除まで作業はないが、潅水用の水を坂の上まで運ぶ作業解消のためにも雨よ降れと願う。
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