「残暑見舞いより暑中のそれの方がいいようだ」と新聞に載っているが、暑い日照だ。それでも雲は高く積み重なった夏の姿から薄く横に長い姿に変わって秋の訪れを感じさせる。
いつも通る裏通りの角にざくろ(柘榴)の木が1本ブロックベイから覗いている。剪定させることはないようで自由に伸びている。ハイビスカスに似た花に気づいたのは梅雨の頃だったがそれが実がなり、立派なざくろになりつつある。
木々の若葉といえば新緑、緑と決まっているがざくろのそれは赤い。その訳は知らないが、ハイビスカスに似た花があの実に変形するのもおもしろいと毎年眺める。
もう少しすると真赤に熟れて裂ける。粒はルビーのようで美しいが食べると強い酸味がある。食べる食べないは人によって分かれる。種が多いため子孫繁栄の象徴とされた時期もあるそうだ。
よく晴れた日、青空と緑の葉と赤い実は絵になるし、まもなく秋本番がやってくるとも教えてくれる。ひとつ失敬したいと見上げるが、ブロックに上がらないと手が届かない。まあ、所望して口にするほどの物でもなかろうと見上げるだけにしている。
(写真:青空を背にして順調に育っているざくろ)