日々のことを徒然に

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木の腹巻

2013年11月16日 | この木


 立冬が過ぎ「西高東低の気圧配置となり、北寄りの風が吹き寒くなるでしょう」という気象情報が出始め、短かった秋は西風に追いやられた。北日本では11月としては記録的な積雪をみたという。

 立冬の日、錦帯橋から近くの吉香公園一帯にかけ松の木へコモ巻が行われる。コモ巻きは松の木の害虫駆除として江戸時代から続くという。根本から1メートルほどの位置にコモを巻きワラ縄で上下を縛る。そのとき、虫が入りやすいように上側はゆるく下側は逃げにくいように強く縛る。これで害虫はコモに閉じ込められる。啓蟄のころに取り外し害虫から松を守る。立冬の日も啓蟄の日も風物詩として報じられる。

 4昔あまり遡ったころ、ご近所のプロの方に教わり我が家の庭で1度だけコモ巻のまね事をした。径は20センチほどの小さな松だったが、それなりに趣を感じた。取り外したコモに害虫はこもっていなかったと思う。

 錦帯橋の横山側たもとに「槍倒し松(やりこかしまつ)」がある。諸国の大名が他藩の城下を通る時、行列の槍を倒すのが礼儀となっていた。大藩が小藩である岩国の城下を通る時は礼儀を守らず槍を立てたまま堂々と通った。岩国藩の武士はこれに憤慨し、大きな松の木を橋のたもとに植え、槍を倒さないと通れないようにした(いわくに通になろう参照)。

 その松のコモ姿を撮っていたら「木が腹巻をしている」という子どもの声が聞こえた。その新しい表現に思わず手を打った。そして頂こう、と決めた。
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