近所で棟上げがあった。棟梁はサラリーマン生活にサヨナラし、大工の見習い、夜は建築士資格取得のため学校、そして1級建築士の腕前になった昔の同僚。もと同僚の奥さんが「よくここまでやってこれました」と棟上げを見ながら感慨深げに話された。いや、よく頑張った、と心から思っている。
棟梁は家つくりにはこだわりがある。そのいくつかを。何カ月か前、棟上げした家の「軸組模型」を完成させていた。模型は120センチ角は4ミリ角、3尺なら1寸、などと30分の1の模型を写真で見た。施主にはこの上ない喜びだろう。
また、用材は自然乾燥さておいた手持ちの杉などを使う。毎年、材木市場へ自ら出向き、納得した材木を購入し保管している。準備した木に墨付けをする。最近はプレカットの普及にともない墨付け、刻みの仕事が少ない。これが出来て大工は一人前という。棟梁のもとで修練中の青年にもその一部を任せたという。刻み仕事は大胆に、しかし、慎重にやる。
話には聞いていたが今回、古民家から出た古材丸太を使うことを当初から計画していた。棟上げの現場でその大きさに驚いた。長さは6メートルと8メートル、松などの古材の質感と飴色の艶、その重量感は白木を引き締める力強さを感じさせる。棟上げの前に、刻んだ材を仮に組んでみる「地組」をし、墨付け刻みに齟齬のないことを確認したという。
棟梁は「木の家を作る」ことにこだわっている。やがて解体の寿命となったとき、材料が自然にかえれる資材を選んでいる。手間も時間もかかるだろう。そんなこだわりの家を見学したことがある。新建材を使わない家は玄関で違和感を感じる。しかし、玄関を出る時には穏やかな気分になっていたことを思いだす。「近くなので現場監督に来てください」と棟梁、じっくり仕事ぶりを見ようと喜んで了解した。
明日からしばらくパソコンを入院させます。
そのため、ブログを休みますが再開しましたらまたご訪問ください。
この棟梁はそばから見ていると「手間のかかる仕事」のように感じましが、施主さんには喜んでもらっているようです。
技術的なことはわかりませんが、現場でカンナを使う風景を久しぶり見ました。
場所は若宮神社前を森木のバス停方面へ向かうと、最初の角を左折するとすぐです。
PC不調で返事遅くなりました。
http://www.nano-architects.com/blog/