日々のことを徒然に

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木の家にこだわり

2013年10月06日 | この木


 近所で棟上げがあった。棟梁はサラリーマン生活にサヨナラし、大工の見習い、夜は建築士資格取得のため学校、そして1級建築士の腕前になった昔の同僚。もと同僚の奥さんが「よくここまでやってこれました」と棟上げを見ながら感慨深げに話された。いや、よく頑張った、と心から思っている。

 棟梁は家つくりにはこだわりがある。そのいくつかを。何カ月か前、棟上げした家の「軸組模型」を完成させていた。模型は120センチ角は4ミリ角、3尺なら1寸、などと30分の1の模型を写真で見た。施主にはこの上ない喜びだろう。

 また、用材は自然乾燥さておいた手持ちの杉などを使う。毎年、材木市場へ自ら出向き、納得した材木を購入し保管している。準備した木に墨付けをする。最近はプレカットの普及にともない墨付け、刻みの仕事が少ない。これが出来て大工は一人前という。棟梁のもとで修練中の青年にもその一部を任せたという。刻み仕事は大胆に、しかし、慎重にやる。

 話には聞いていたが今回、古民家から出た古材丸太を使うことを当初から計画していた。棟上げの現場でその大きさに驚いた。長さは6メートルと8メートル、松などの古材の質感と飴色の艶、その重量感は白木を引き締める力強さを感じさせる。棟上げの前に、刻んだ材を仮に組んでみる「地組」をし、墨付け刻みに齟齬のないことを確認したという。

 棟梁は「木の家を作る」ことにこだわっている。やがて解体の寿命となったとき、材料が自然にかえれる資材を選んでいる。手間も時間もかかるだろう。そんなこだわりの家を見学したことがある。新建材を使わない家は玄関で違和感を感じる。しかし、玄関を出る時には穏やかな気分になっていたことを思いだす。「近くなので現場監督に来てください」と棟梁、じっくり仕事ぶりを見ようと喜んで了解した。

        明日からしばらくパソコンを入院させます。
        そのため、ブログを休みますが再開しましたらまたご訪問ください。
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3 コメント

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こだわりに感動します (岩太郎)
2013-10-07 21:42:26
久しぶりに一言・・。古材の再利用には何倍もの手間が掛かりそうですね。古木の寿命をなんとかまっとうさせてやりたい!との強いこだわりと優しさが伝わってきます。特に西岩国の旧家などでは、昔 城山から切り出した巨大木材が天井を走っているのをよく見かけたものです。私の祖父の家では、大工が入るたびに、実に良い木を使っておられる。こんな木は今後手に入らないので、大事になされーよ。と言っていたものですが、代が変わってから呆気なく今風の住宅に建て替えられ、古材がどうなったのか皆目不明です。岩国では再利用した話を聞く機会が少ない中、敢えてそれに挑戦する意気込みを直に触れてみたいものです。よろしければ どの辺にあるのか教えてください。
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岩太郎さん (tatu_no_ko)
2013-10-10 14:34:47
お久しぶりです。
この棟梁はそばから見ていると「手間のかかる仕事」のように感じましが、施主さんには喜んでもらっているようです。
技術的なことはわかりませんが、現場でカンナを使う風景を久しぶり見ました。
場所は若宮神社前を森木のバス停方面へ向かうと、最初の角を左折するとすぐです。
PC不調で返事遅くなりました。
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Unknown (mathnb)
2020-12-05 15:23:41
>復活! 旧八女郡役所
http://www.nano-architects.com/blog/
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