秋の空は変わりやすいことから「女心と秋の空」という。女心は変わりやすく、男性に対する愛情だけでなく感情の起伏が激しいことや移り気なことをいう。「男心と秋の空」、女を男に変えると、女性に対する愛情の変わりやすいことをいう。これは私見でなくある文章の一節をお借りしたことを断っておく。
秋の「あき」はどこから来たのか。秋の空は澄んだ青空になり陰りがなく「明らか」なことから「あき」になったという。そんな秋空なのに、変わりやすい秋の空とは首をかしげたくなる。そんな空だからか「秋は雲の展覧会」と表現した気象予報士がいる。秋の雲は種類が多く、また、あっという間に姿が変わる。風と雲が一体となって青いキャンバスに描いたのだろう。そう思って眺めると自然の風な面白さを感じる。
先日、気持ち良い秋晴れの日のこと。刷毛で青いキャンバスに描いた数筋の白い雲の帯を見つけた。ブログのネタになるかと建物の屋根や遠くの山の端を入れて遠近や高さを出そうとして何枚か撮った。パソコンに取り込んでみると、最後の1枚に、コメ粒ほどの光る物体が航跡雲を引いている姿が写っている。雲筋に掛かってはいるが寸足らず、日の目を見せないことにした。対象をよく観察してシャッターを押せという、逃げた魚は大きい。
予報外れの秋晴れの日和。形の異なった雲が青いキャンバスを背景に浮かぶ。地上では強風注意報発令下、上空はいつにもまして風は強いのだろう、雲の変形が早く急ぐように流れる。そんな中、薄い雲ほど流れが速いいためか元気そうに見える。空は展覧会と運動会を共催中のようで、見ていて飽きない。