秋らしく涼しくなったかと思えば夏日の気温にと、衣替えから3週間もたつのに落ち着かない秋の日和、南からと北からの気圧のせめぎあいが大きな原因らしい。自然も衣替え前の落ち着きのなさなのかもしれない。落ち着いた青く高い秋の空に心地よい風が抜ける、そんな日が早く来てほしい。
バスの車内、秋なのに暑い暑いという話し声を聞いているうちに気持ちよくうつらうつらしていた。バスの揺れでハッとし目覚める。信号待ちでの停車だった。控えめな冷房で窓から入る日差しを熱く感じる。ふと窓の向こう見ると、山の峰からモクモクと湧き上がるような夏雲が高く突き出ている。暑いはずだ。
秋になると夏雲を見かける機会は減る。うろこ雲、ひつじ雲、気持ちいいのははけでスーッとはいたような雲などが子どものころからイメージしている秋の雲。秋は、空気がカラット乾燥しているので雲の基になる水分が少ない。日差しが弱くなり上昇気流が出来にくくなる。だから雲が横に広がる。なるほど、そうなのか。
向こうに見える夏の雲の下は、日差しが強く、暖められた地面からの上昇気流が発生し湧き上がるような気流で雲が成長し夏雲となっている。なるほど。まだ、夏と秋が同居していることになる。虫の音は秋を独占しているが、夏から秋への移ろい、もう少し時がいるようで楽しみは先延ばしのようだ。