日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

我田引水の方法

2013年06月24日 | 地域
           

 水は地球上の万物にとって絶対に欠かせないもののひとつ。その供給が過剰でも困るが、欠乏はそれ以上に困る、いや大困りにとなる。入梅からしばらくして雨が欲しい、と雨乞いをした地域もあったという。それほどこの時期に水は欠かせない。特に、米つくりには必要で、水不足は収量を大きく左右する。

 休耕田の草刈りの手伝いに参加した。色具合などから稲の生育はいいように感じたが「先日の雨でやっと勢いを取り戻しつつある」というのが集落の人の話。朝夕の田の水の見回りが大切という。山間部の棚田、その中を縫って流れるのは石組の水路、それは街中の側溝を少し大型化したほど、そこを冷たい透き通った流れが下っていく。それぞれの田は、その水路から独自の方法で水を田に引き入れられている。

 孟宗竹を半分に割り、節を取り除いて樋を作り、それを水路の流れにかざしての引水方式が懐かしかった。観光地でそうめん流しで見かける仕組みと同じ。田に入った水は、万遍なくいきわたるよう図られた堰に添そって奥へと流れている。それは樋からの流力だけで田全体を潤おしていて、まさに水力エコ大賞といえる。

 さらに流量の調整、これは樋に石を置き、過剰分を樋から溢れさせてある。必要なだけの水を稲に与える。余分の作業はどこにも感じない。ここにも受け継がれただろう知恵を教わった。それだけに朝夕の水見回りが重要で欠かせないだろう。

 我田引水は「自分の田んぼにだけ水を引き入れ、他人の田んぼのことは一切考えないことから、他人のことを考えず、自分に都合が良いように考えたり、ものごとを行ったりする」ことを意味する4字熟語。ここの棚田でみる取水方法、4字熟語の解釈を変えたい、そんな集落の伝統と知恵に惹かれ、次回も草刈りに参加しよう、そう思った。
コメント
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