日々のことを徒然に

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ヒメジョオンの真実

2013年06月07日 | 自然 季節
            

 花の名にうとく、名前は知らないが「綺麗に咲いている」と思うくらいで道端の草花を見ていた。雑草の中に咲いているとなおさら関心を示すことは少ない。そんななかで白か薄紫の花で「小菊に似ている」と思っていた花がある。が、例によって名前は知らぬままにしていた。それでもその花を数日前の散歩で撮っていた。

 偶然その花の名は「ヒメジョオン」、漢字、和名では「姫女苑」と表すと知った。北アメリカ原産の帰化植物で様々な立地に生育するとある。花は初夏から夏にかけて咲くという。江戸の終わりに観葉植物として入って来たが、どうした訳か明治に入って雑草扱いとなる。そして、今では在来種の植物を邪魔する要注意外来生物に指定されているそうだ。ここに人のエゴが見える。

 ヒメジョオンはテツドウソウ(鉄道草)またはテツドウバナ(鉄道花)とも呼ばれるとある。これは明治に入って雑草扱いにされたが、鉄道の延伸と共に日本全国に広まったことからの呼び名という。この花は1個で5万個近い種子を作り、その寿命は35年という繁殖力を有するそうで、全国通津浦々に子孫を運び、もらった要注意外来種の肩書も不思議ではない。

 気にしていた小さな野花の名前と由来とその繁殖の強さを知った。観葉植物として迎えられながら、いつしかその住処は道端や法面など雑草の域に変わった。ヒメジョオンは、咲き始めの季節が草刈りのころとぶっつかり、可憐な花だが、思いをかけられられることもなく「あっさり刈り取られてしまう」運命にある。それでも絶えることなく子孫を残せるのは35年という種子の寿命から来ているのだろう。花言葉の「素朴で清楚」には似合わない強い生命力を持っている。
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