日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

ヤマタノオロチ

2013年06月17日 | 地域
           

 神楽、その伝統芸能を継承される人等の話を聞くと、それに注がれる熱心な意気込みとその活動に驚いている。それに応えて各地には根強い愛好者がおられる。弁当を携えて出かけ、一晩中観賞するという先輩を知っている。そんな神楽、イベントで演じられていても関心はあるがちらりと横眼で眺めるだけで、これまで観賞といえる態度ではなかった。

 市内から1時間ほどの山あいの町、ホタル狩り祭りのイベントとして神楽が演じられた。演目は「ヤマタノオロチ」。島根県斐伊川にまつわるこの神楽のストーリーはここでにべる必要ないほど知られている。それでも、舞台の細部まで見落とすまいという気持ちからか、気が付いたら正座で見ていた。スサノオとオロチの大迫力の格闘は思っていた以上に舞台へ引き込まれ、あっという間の45分だった。

 演じられた神楽団は総勢20名ほどで市内北部の小さな集落の皆さんという。神楽の伝承に熱心な地域と聞いていたが、初めて見た舞台ですっかり神楽フアンにさせられた。舞台の広さもあってだろうがオロチは6匹。あの巨大な姿が太鼓中心の音に合わせさまざまな形になって絡みあいながら舞う。時には激しく、間を取って静かに、まるで生きているような動きに撮ることを忘れた。

 安くはないだろうと思っていた衣装、知人のブログで「1着200万円もする」ことを知った。それらのやりくりのことは分からないが、継承するには演ずるに負けない、目に見えない苦労のあることを思うが、演じ終って面を外された皆さんの顔からは、演じ終えた満足感だけが伝わったていた。本当に神楽の好きな皆さんだ、と思い起こしている。
コメント
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