日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

公園のアンズ

2013年06月14日 | この木
           

 錦帯橋を渡った公園の入り口で、錦帯橋創建者である吉川広嘉公の立像が訪れる人を迎えている。その立像のまわりに実が鈴なりに生ったアンズの木がある。熟れすぎたのか地面には小さいが桃によく似た実が転がっている。小さな説明版が立っている。「アンズ <杏> 中国から古い時代に渡来した木。今では果樹としての改良がすすみ各地で栽培されている(バラ科)」。

 花は桜のころにさく。色も形もよく似ており素人のぱっと見では区別が難しい。花は梅や桃ともよく似ている。食べ過ぎてはいけない、子どものころの記憶にある。いまなら、いろいろなことがわかり強い鎮静作用の成分が含まれているからと説明できる。観光の人は近くのソフトクリーム店が気になり、杏を見る人はいない。空梅雨で猛暑の日、アンズ入りのクリームはあるのだろうか。

 吉香公園で見かける実のなる木は梅とアンズ。かってこの公園には「梅林コート」と称する庭球用コートがあったと記憶している。そのことから梅はさもありなん、と思うが、アンズはどういういわれから吉川広嘉公の立像まわりに配されたのだろう。

 「アンズ」と引いてみると杏林として次のような故事が載っている。「中国古代、呉の国に董奉(とうほう)という仁医がいて、貧乏人からは治療代金をとらず、かわりに症状の軽い患者には杏を一株、重病者には杏を五株植えさせた。数年にして家のまわりに杏の林ができた。それ以来、『杏林』は医者の尊称となった」。文面には植えさせた詳細は書かれていないが「薬効のある木」とされていたのだろう。

 「公園の梅はとるべからず」と管理者の注意書きが立っているが、アンズの周りでは見かけなかった。花言葉のひとつ「慎み深さ」に見習ってのことかもしれない。
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