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ホームセンターに梅酒用の瓶が積んである。そろそろ収穫の時期が近づいたことを教えてくれる。散策の道沿いにも青い梅が鈴なりの木を見かける。実をみるだけでこの年になっても少し酸っぱい感じがする。
梅の実の色は濃い緑に育っているが青い梅という。果実などの未熟なものを青いというところからきているとか。そういえば人柄や行動が未熟だと「あいつはまだ青い」、そんな表しかたをする。青い梅の実は本当に未熟なの。
子どものころの遊び域は広かった。柿やイチジクにビワなどがあちこちの庭になっていた。断ってからひとつふたつ貰って食べた。「怪我せんようにとりいや」と注意を聞くころには口に入っていた、そんな記憶もある。
が、青い梅を口にした記憶はない。「青い梅をたべたら腹下しになる」というのが子どものころお年寄りからの耳学問。あのころは素直に守った。今ならネットで調べてみよう、てなことで「爺ちゃんどうして食べたらいけんか知ってる」とネットで得た網学問で爺ちゃんを困らせるかも。
子どもころの我が家は梅漬けと梅肉エキスの2種類があった。梅漬けは漬けたものを干さないでそのまま保存してあった。その頃は塩分控えめではなかったろう。一緒に漬けた紫蘇を小さく刻んで握り飯に入っていたのを思い出す。
すりおろした梅を鍋に入れ、長い時間、火鉢の火で煮詰めていた祖母を思い出す。どろっとした黒光りするそれは黒飴のようだが、甘くはなかった。「万病に効く」とガラス瓶に入れ戸棚の奥の暗いところが定位置だった。腹の調子が悪いと水で薄めて飲まされた。夏には薄めて喉の渇きを抑えた。少し酸っぱいが飲み終えた時の梅味のスカッとしたさわやかさ、今の自販機飲料では味わえない清涼さだった。
(写真:散歩道で見上げた青い梅)