みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

そのとおりだが…

2016年10月15日 | ヨブ記

ヨブ記 8章

 金曜日から日曜日まで、教会の修養会をしています。全体で17名の参加者の中には、スイスから、日本から、イスラエルからおいでになった方もあり、しかも驚いたことに、初めて会った方同士に共通の知人がいたり、参加した方の小さい頃の姿を見たかもしれないなどという出会いが見られたりしたことです。集まるべくして集まった17名なのだと不思議な感動を覚えました。

 ヨブの三人の友人の中で、ビルダデが二番目に声を上げました。ビルダデは「いつまであなたはこのようなことを語るのか。あなたが口にすることばは激しい風のようだ」として、ヨブを諫(いさ)めます。苦しさの窮みの中から発したヨブのことばの言葉尻を捉えて、不信仰だと決めつけているのです。

 もし、ビルダデのようなことばを聞いたら、私なら「ごもっとも。すみません」と謝ってしまうだろうなとも思いました。「みことばの光」が説くように、彼のことばには隙がなく、神について正しいことをきちんと語っています。ヨブも彼に答えてまず、「まことに、そのとおりであることを私は知っている」と言ったほどでした(9章2節)。

 しかし、ビルダデのことばは、ヨブの現状に即して考えると何かが足りないのです。正しく理屈が通っていることばであっても足りないのだとしたら、なぜ激しいことばを神に対して叫んだのかというヨブの心中を思いやることが不足しているということなのかもしれません。思いやりのかけた正しいことばは、刃(やいば)のように相手を傷つけます。


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