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丸谷才一『文学のレッスン』

2010年07月11日 12時06分16秒 | 文学
雑誌「考える人」を読んでいたら丸谷才一の『文学のレッスン』(新潮社)の広告を見かけて、少しだけ興味を惹かれたので図書館で借りて読んでみた。
湯川豊という、たぶん新潮社の編集のひとが丸谷才一にインタビューをして、文学の歴史について話を聞くという本だった。たまに、丸谷才一を持ち上げるなあ、と思うところがあり、そこがちょっと嫌だった。インタビューというのは難しい。
丸谷才一のエッセイをあまり読んだことがないので、彼がどういう考えでいるのかあまり知らなかった。新鮮だった。
夏目漱石の『文学論』を評価せず、小林秀雄の批評もわかりにくいとけなしていた。そういうところが、とても独自でおもしろかった。
登場した本で読もうと思ったのは、山崎正和の『不機嫌の時代』。この本は以前も読もうと思ったことがあったのだが、そのときNHKの番組でこれを薦めていたのも丸谷才一だった。相当好きなのだろう。同じ人から二度も薦められては読まないわけにはいかない。(しかしもちろん読まないかもしれない。)
あとは内田百のエッセイにも惹かれた。たまに内容のないものを読みたいと思うことがあるのでそういうときに読みたい。
江藤淳と吉本隆明の名前が一度も登場しなかった。吉本隆明は批評と詩で二回チャンスがあったのに登場しなかった。丸谷才一は好き嫌いのはっきりしている人だと思った。

今朝の朝日新聞の読書ページの筒井康隆の連載で、ディケンズの『荒涼館』について書かれていて復刊されたら是非読もうと思った。以前、村上春樹の『東京奇譚集』を読んだときも思った。
筒井康隆は『荒涼館』を大江健三郎に薦められて、というか強制的に本を送られて読まされたらしい。仲良しだった時期が確かにあったよなあ、と懐かしく思った。
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