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保坂和志『小説の自由』

2017年10月11日 21時19分52秒 | 文学
保坂和志『小説の自由』(中公文庫)を読む。
とってもおもしろかったというほどではないが、半分くらいまではおもしろかった。小津安二郎の映画に付いて語っているあたりは読んでいて楽しかった。
おそらくカポーティの『冷血』の話あたりからあんまりおもしろくなくなり、最後のアウグスティヌスからの引用は嫌がらせなのだろうかと思った。あんなに引用を続ける必要はあるのだろうか。この人のよく言う、本は途中でもおもしろくなければ読むのをやめる、というのを実践しようかと思ったが、もう少しだけなので読み続けた。
《小説は小説の外にある意味がそのまま小説の中に持ち込まれることに抵抗する。》(397頁)
ということを言いたいためにアウグスティヌスの引用を続けたように読めたが、あそこまで引用する必要があるだろうか。
アウグスティヌスに興味がなく読み始めて、あれだけのアウグスティヌスの引用を読み通せる人がいるのだろうか。僕には理解できない。村上春樹の『1Q84』の、チェーホフの引用を思い出した。
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