トルストイの『人にはたくさんの土地がいるか』『イワンの馬鹿』『人は何で生きるか』(あすなろ書房)の三冊を図書館で借りて読んだ。
先月、父の三回忌の法事があったのだが、そこでお坊さんがお経のあとに話した話で、時節柄ロシアとウクライナの戦争の話になり、ロシアといえばこんな話があります、ということで、歩いただけ土地をもらおうとして最後に死んだ男の話が話された。
結局どういうオチの話なのかそのときよくわからなかった。
お坊さんはその男の名前をイワンと言っていて、「イワンの馬鹿」ってこんな話だっけ? と思ったのだが、調べてみると「イワンの馬鹿」ではなく、同じトルストイの「人にはたくさんの土地がいるか」のようだったので読んでみることにした。男の名前はパホームだった。娘にも読ませようと思い、このあすなろ書房の「トルストイの散歩道」シリーズを借りてきた。
どれも神様や悪魔が実在する世界観の話で、私などにはちょっとまともには読めなくて、屈折したような読み方になってしまうのだが、トルストイがこのように考え、それが一時期人々に愛されたのだなと思った。
そしていまの世の中に足りないのもこういう世界観なのだろうとも思った。