保護猫と暮らす隠居爺の“自然農法”野菜作りとスキーの日記

5~11月は自然農法による自給用野菜作りと冬に備えた体力作り、12~4月はスキーに明け暮れ、保護猫活動は1年中無休です。

ヤマ場!遺産分割の話し合い…③やっかいな”改製原戸籍”の話

2011年05月31日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

相続人調査の際、被相続人(亡くなった人)である波平については
出生から死亡までの全部の戸籍
つまり、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本が必要です。

 ところで、この聞き慣れない
改製原戸籍かいせいげんこせき)」とは何なのでしょうか。  

戸籍法なる法律が改正され、戸籍の改製があると
それまでの戸籍は閉じられてしまいますが
この改製前の戸籍を「改製原戸籍」 
その後の新しい戸籍を「現在戸籍」と呼びます。 

つまり、戸籍の改製があると、この前後
2種類の戸籍が存在することになります

最近では、平成6年の改製で横書きの電算化が進められていて
   それ以前の縦書きの戸籍は「平成改製原戸籍」と呼ばれています。

ところが、すべての市区町村で一斉に電算化が行われたわけではなく
まだこれから、という役場もあるため(H19年で実施率70%)
そこでは「平成改製原戸籍」は存在しません。

 また、ややこしいことに、こうした改製があると
それ以前に死亡、婚姻、転籍などで“除籍”になった人は
落とされてしまって新しい戸籍には記載されない
ため
被相続人と相続人の繋がりを証明する場合などには
   必ず「改製原戸籍謄本」によって補完しなければならないのです。

ちなみに、平成以前では、昭和22年に大きな改製があり
これより前の「昭和改製原戸籍」は旧民法下で編成された戸籍ですから
戸主を中心に「家」に帰属する兄弟やその妻、孫、姪までずらっと載っていましたが
この改製以降、「夫婦とその子供」単位に変更になりました。
なお、この改製作業も、実際には昭和33年から40年頃に渡って実施され
市区町村でかなりのバラツキがありましたので
その戸籍がいつ改製されているかは戸籍を取って見ないと分かりません。 

こうして、波平の切れ切れの戸籍を全て繋げて
一人の人間であることを証明すると同時に
一つずつの戸籍への出入りを調べて相続資格のある人を見つけていきます。

婚姻、養子縁組、認知などが主な出入りの要因になります

また、本人が転籍している、つまり
波平が転勤した際、本籍地も移しているなどの場合も
この戸籍に移る前の「本籍地」を管轄する市区町村に対して
除籍謄本を請求し2つの戸籍を繋げなければなりません。

もともと転籍は、本人の申請に基づいて自由にできるはずですので
結婚、家の新築などを機会に本籍地を変更する人も多いのですが
本人でさえ、意外に覚えていないことを自動車販売時代に経験しています。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヘビの次はイノシシ?

2011年05月30日 | 自然農法による自給用野菜作り

 

「梅雨に入ったと思われる」という中途半端な天気予報を聞いた翌朝
「何者か」に、大切なジャガイモが掘り起こされて
無残な姿をさらしているのに気が付きました

何も植えていない他の畝まで掘った痕が見られます。

事前の話が全くなかった数日前のヘビにはビックリしましたが
イノシシはもちろん、タヌキ、キツネ、はたまた
モグラ、野ネズミの情報はかねてからあって
つい数日前も、すぐ下のリンゴ園の奥さんから
 の形跡を見つけた話を聞いたばかりだったのです。

それにしても、お隣のAさんの畑の50株を超えるジャガイモは
何の被害もなさそうなのに、僅か10数株しか植えていない
それも今年から農業を始めたばかりの初心者の私の5株も食い荒らして
そのうちの2株は、まだまだ小さかったはずのイモの1つも残してないなんて…。

犯罪の被害に遭った身内の方が
「なんでウチの子供なの!?」とよく言っていますが
まさにピッタシ、そんな心境です。

腹が立つと同時に、今後どう対策を取ればいいのか全然分からないのですが
心の奥底に、10メートルほどしか離れていないベテランのAさんに対して
少しばかり優越感が湧いてくるのは、年寄りのひがみ根性の裏返しかもしれません。

さすが動物、有機栽培で安全な美味いものを知っている…。

いえいえ、侵入したのが下の畑方向だったから
手前にある私の畑が先に目に入っただけなのでしょう。

ところで、種イモの姿も、育ち盛りの子イモの姿も
スッカリなくなってしまったこの茎ですが
このまま植えてあげれば再起して、またイモを付けてくれるのでしょうか

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマ場!遺産分割の話し合い…②協議前に行う相続人の調査

2011年05月29日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

遺言書の有無の確認

相続人の徹底調査を行い、全相続人を確定

相続財産を確定・評価し財産目録を作成

全相続人が合意するまで話し合う 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

波平の死亡と同時に、その財産は相続人に自動的に相続され
遺産分割協議が終わるまでは相続人全員の共有になります。

“全員の共有”なのですから
全員の同意がない話し合いは無効になってしまいます。

このため、法律上の相続資格のある人をモレなく確定させ
かつ、その人の生存を確認したうえで遺産分け
つまり、遺産分割協議を行わなければならず
まずはとにかく、相続人調査をする必要があります

家族にとっては「今さら」と思っても、改めて調べてみたら
波平に再婚歴があって前妻との間に子供がいた、とか
サザエとカツオの中間に幼い時に養子に出した子供がいた、など
まったく想定外の相続人が発覚するケースも少なくなく
こんな場合は、せっかく時間をかけて遺産分割協議をしても
相続人全員の同意がありませんので無効とされてしまい
再度、やり直しということになります。

また、相続財産の名義変更をするときなど
法務局(ときには銀行も)は
相続人調査がされていないと受け付けてくれないと聞いています。

具体的な相続人調査は、波平については
生まれてから死ぬまでの全部の戸籍(この戸籍についてのお話は次回に)
相続人のフネ、サザエ、カツオ、ワカメに関しては
フネ、カツオ、ワカメは戸籍謄本と住民票
サザエはさらに除籍謄本が必要かと思いますが
実際に取って見ないと分かりません。

そしてその結果をまとめるため
相続リスト(*1)や相続人関係図(*2)を作成するとよい、と
専門家はアドバイスしています。

 

 

◎戸籍は「本籍地」でしか取得できませんが
一定の書類を添えて申請すると郵送での戸籍取得も可能です。
市町村ごとに必要書類が異なる場合がありますので
その都度、確認のうえで申請なさってください。

◎波平は54歳だからよいですが、例えば100歳で亡くなったのであれば
だいたい明治の終わり頃からの戸籍を集めなくてはならず
時代によって様式などが変更(改製)になっていますので
集めるべき戸籍も多種にわたることになったり
また、波平が若い頃は転勤族で、本籍をあちらこちらに移していた場合は
それぞれ移転先の役場に戸籍を請求しなければいけないこともあります。
取得する戸籍の数が多いほどかなり手間がかかり
(これらについても次回、改めてご説明します)
最初から専門家に依頼するのも一案です。
 

(*1)相続人リスト…相続人の氏名、続柄 (妻や長男など)
法定相続分、現住所を一覧表にします。

(*2)相続人関係図…被相続人(亡くなった人)との関係を視覚的に一目で把握できます。
(こちらにリストと同じ内容を書き込んでおくとより分かり易いです)

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この夏は“よしず”でばっちり、リゾート気分! と、そこへ蛇!!

2011年05月28日 | 日々の暮らし

エアコンを今さら装着するつもりはないのですが
昨年の夏並の暑さに今年もなるとしたら
なんともバテて閉口した日が4、5日はあったので
今のうちから“よしず”を設置しました

本格的な梅雨前だから
ホームセンターには充分に在庫がありましたが
ヘタをしたら梅雨明けを待たずに
売り切れになるのを予想してのことです。

 ただ立て掛けるただけでは、風で倒れたり
カタカタ、ギシギシとやかましく音をたてるので
一巻598円、3つでも1800円ばかりのものなのに
しっかり押さえ付けて、結局、1日がかりの作業となってしまいました。

打ち水でさえ、気温が2度程度下がるだけなので
片や上がった温度を下げる、片や温度を上がらないようにするという
根本的な違いがあるとはいえ、一体どの程度の効果があるのか
具体的な数字は不明ですが、間違いなく雰囲気だけは
涼しげなリゾート地っぽくなりました。

 

と、ちょっと達成感に浸って、リゾート気分も味わっていたら
なんと、まっすぐに延ばしたら1,5m以上はあると思われる
絡み合ったシマヘビ2匹に玄関先の階段で遭遇

ぎゃっ!

“脚のない”のと“多い”生き物は大嫌いです!


(交尾中?)

このデカさで檻に入っていないものを、それも2匹も
ゆっくり、しっかり見たのは初めてかも。

リゾート気分にヘビは必要ないし
リゾート地でも、面と向かうことは滅多にないはずで
こんな出会いはまさに想定外のさらに外のことです。

 コトを済ませた2匹は、仲良く石垣を昇って
“お隣り”の庭へと帰って(入って、かも)行きました…。

お隣りから、以前に の話は聞いたことがなく
知ってか知らずか分かりませんが
怖がらせてはいけないと思うし
ドーベルマンのチャー君も番犬としているのだから
内緒にしておこうかなぁ

どうしたものかなぁ…。

 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマ場!遺産分割の話し合い…①遺産分割が確定するまでの主な流れ

2011年05月27日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

波平の死亡と同時に、自動的に相続はスタートしますが
相続人たちに、相続財産が自動的に
振り分けられるわけではありません

もちろん、相続人が一人でしたら必要ありませんが
複数の場合は、具体的に相続分に応じて
割り振らなければならず、これを遺産分割
この話し合いを遺産分割協議と言います。

●誰が●どの財産を●どの方法で●どれだけ取得するか
について相続人全員で話し合いますが、民法では
「遺産に属する物または権利の種類及び性質
各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況
その他一切の事情を考慮してこれをする」と定めています。

この遺産分割を行う方法は次の4種類があります。
A.遺言での指定分割
B.協議による分割
C.調停による分割
D.審判による分割

 

主な流れは下のようになります。

遺言書の有無の確認

相続人の徹底調査を行い、全相続人を確定

相続財産を確定・評価し財産目録を作成

全相続人が合意するまで話し合う 
全員の合意が必要ですので
当然、もめるのはココです!   

(成立)遺産分割協議書に署名、押印する…B)

  (もめる)   家庭裁判所の調停で確定…C)

(さらにもめる) 家庭裁判所の審判で確定…D)

 【遺産分割協議の補足】

相続人が見つからなくて話し合いができないときも
調停や審判を申してます。

 

(遺言書がある場合=A)

遺言書があって分割の内容などが指定されている場合は
原則としてその内容に従って遺産が分割されます。

遺言書があっても、遺産分割協議で相続人全員が納得すれば
どのような分割をしても構いません
・波平の遺言の内容と違う
・法定相続分と違う
・サザエが相続放棄する など。
ただし、ここでも多数決では成立しません

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“想定外”について考える…③原発を造る場合(その2)

2011年05月26日 | 世の中のあんなコト、こんな事

この話題は東日本大震災の直後
報道で様々な人が頻繁に口にされた「想定外」という言葉を
少し落ち着いてきた今になって考えているものです。

「地震は想定内だったが津波の規模が想定外だった」
私はこう理解していたのですが、最近、著名な某大学教授が改めて
「あの程度の規模の地震であれだけ大きな津波が発生した原因は
推定はできても今後の研究に待つ所が大きい」との解説がありました。

発生した原因論は、何人も登場する彼らに任せるとして
歴史上、過去にどの程度の波高が発生しているか
そしてその視点からは想定外は本当に妥当だったのか
ごく単純な疑問が湧いて来たのです。

基本的に津波の原因は
陸地の崩壊、隕石の落下などの一部を除けば
海底地震によるものがほとんどで
記録に残る21世紀での津波の発生は次の通りでした。

なんと、現実には今回を含めて 回も
これだけの高さの津波が発生しているではありませんか!

(国外発生の地震によるもの)

1946年 アリューシャン地震=波高30m(推定)- 死者・行方不明者165人。
1960年 チリ地震=最大で6mの津波が三陸海岸沿岸を中心に襲来し、死者142名。
2004年 スマトラ島沖地震=波高34m 、インド洋沿岸各国で25 万人の犠牲者。
遠隔地津波発生で史上最大の被害。
2010年 チリ地震=津波の高さの推定は岩手県陸前高田市の両替漁港で1.9m
気仙沼魚市場で1.8m、岩手県大槌町の大槌漁港で1.3m

(国内発生の地震によるもの)

1923年 関東地震(関東大震災)…津波の最大波高は静岡県熱海で12m。数百人の犠牲者。
1933年 昭和三陸地震…地震による被害は少なかったが津波による死者・行方不明3064人。
最大遡上高は岩手県大船渡市三陸町で海抜28.7mを記録。
1940年 積丹半島沖地震 ・・・残っている記録が少ないが死者10人。津波は利尻島で3m
1944年 東南海地震=軍部の情報改ざんや記録の消滅・散逸により被害の全体像が不明。
死者・行方不明1223人とされる。津波の波高は熊野灘沿岸で8m
1946年  南海地震   ・・・   津波は静岡県から九州まで来襲、最高6m
1952年 十勝沖地震…津波により北海道浜中町南部が壊滅。津波は最高で6.5m
1964年   新潟地震 ・・・  津波規模2m。観測地点によっては4m
1983年 日本海中部地震=秋田県を中心に津波による犠牲者100人。
最も波高が高かった場所は現つがる市で14.9mを記録した。
1993年 北海道南西沖地震=奥尻島で最大波高16.8m、遡上高が30mに達する。
死者・行方不明198人。

2011年 東北地方太平洋沖地震=岩手県宮古市の重茂半島で遡上高
38.9m
観測できた津波の高さ9.3m以上(福島県相馬港)。津波において国内観測史上最大。

(これまでの最高波高は)

1958年にアラスカ南端のリツヤ湾で起きたもので何と高さ520m
ただし、これは津波というよりは、地震による湾の奥での大規模な
山体崩による水跳ねと言うべき異論もあるようですが。
 

こうして見ると、原発の寿命は40年とも言われていますので
稼働期間中に最低2度程度は
この規模の津波に襲われる可能性があることは
素人の私でも考え付く範囲の話なのですから
すべての研究者が想定外としていたとはとても思えないのです。

そしてさらに、想定内とか想定外とか言っても
その“主語”が欠落しているのですから、肝心なことは
研究所なり大学の先生の専門家ではなく
原発を計画、実行する行政と電力会社が
必ず存在したはずの想定内の方の意見に従っていたら
今回の原発被害は避けられた、または最小限で済んだのかもしれません。

こうして見ると、エネルギーを使い放題にする現代文明の効用に応えるため
行政や企業が、多くのリスクを顧みない
またはそうせざるを得ない現実が見えてきます。

そのリスクが実際の悪影響をもたらしたとき
本来は「想定外でよいとした意見を採用した私の責任です」と言うべきところを
他人事のように「想定外でした」と言い放って
曖昧な主語による責任逃れをしているように思えてなりません。

一方では、想定内とした場合も
それに対する対策は充分なので安心して欲しい、と
社会的合意が取れる方向に持っていかなければならず
さらには社会全般では合意しても“総論賛成、各論反対”もあるのですから
リスクの部分を正確に伝えず、安全面と効用のみを謳い上げた
「原発の安全神話」みたいなモノの登場にも繋がってしまうのかもしれません。

(原子力への依存度がなんと80%というフランスでも
いくら地震がないとは言え、別の想定においては
同じような方便がまかり通っているのでしょうか)

このように考えを進めていくと、想定する範囲を極力、狭くし
その中で万全な対策を求めるのであれば
効用を求める消費者の側が覚悟をして、その求める大きさをどんどん小さくすれば
天秤の反対にあるリスクをより減らせることになることは明らかです。

その覚悟とは、エネルギーを湯水の如く使って成り立つ
現代文明の効用を諦めるということに他ならず
再生可能エネルギーと地球温暖化に影響しない程度の
最小限の化石燃料によるエネルギーだけで成り立つ
文明&社会を築き直すという覚悟だと思うのですが
世界全体が出来るかについては残念ながら悲観的です。
特に、開発途上においては…。

一方、日本では、祖先が“完璧に”そう暮らしていた時代があり
TVドラマで人気の「Jin-仁ー」の舞台にもなっている
それがまさに江戸時代なのですから、良いお手本がすぐ身近にあるとはいえ
その頃の生活にどの程度戻すことができるのかは
ほとんど絶望的に思えてなりません。

人口、今の4分の1
糞尿等による完全有機栽培
電気、電話、車、列車なし

ロウソク1本の明るさ5w
東京~京都、歩きで約2週間



(何もそこまで戻らなくてもいいか) 

 

【終わり】

  

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とうがたつ?

2011年05月25日 | 自然農法による自給用野菜作り

3回目の野菜作り講座で、ようやく正確な発音が分かったのですが
どうやら80歳代の講師は「とうがたつ」と言っているようです。

塔が建つ?
灯が立つ?
はたまた、トウ(ヒール)が立つ?

この講座では何度も登場しているのですが
62年間の人生で初めて聞く言葉でもあり
なんと言っているのか、いまひとつはっきり聞き取れなかったのです。

昨日、ヤフーで調べて分かったこの言葉の意味は
 野菜などの花茎が伸びてかたくなり、食用に適する時期を過ぎること
(転じて、盛りが過ぎる、年ごろが過ぎる意味でも使うようです)

「とう」は、フキやほうれん草などの花を付ける軸、花茎のことらしいのですが
フキの花のつぼみの「ふきのとう」は我家の庭にもたくさん自生しています。

すでに時期は過ぎましたが、この「ふきのとう」で作った“フキ味噌”も
今が旬の、大きく育ったフキの茎の“フキの煮付け”も
どちらも私は嫌い()ですので口にしません。

「ふきのとう」の「とう」が
「とうがたつ」の「とう」と同一とは思いも依りませんでした。

また、「とう」は「薹」と書くようですが
これまで1度も肉筆で書いた記憶がありませんし
 の書体を見ても“草かんむり”の下が判りませんので
今でも書くことができません。

「薹が立つ」という言葉を
農業をしている方はごく普通に使うそうですが
と言うことは、この講座に参加している40数名は
私以外はみなさん、農業経験者または従事者なのでしょうか。

だって今まで、誰も質問なさらないのですから…。
(それとも、私が非常識過ぎ?)

 プランターででさえ、花も野菜も作ったことがなく
まだまだたくさんの“意味不明”な言葉があります

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談の多いお金の疑問…⑤マスオが交通事故で死亡、損害賠償金は?

2011年05月24日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

愛妻家のマスオが、横断歩道を歩行中に交通事故に遭い
それが原因で帰らぬ人になってしまいました。

こんな場合、マスオ(被害者)は損害賠償請求権を取得しますが
死亡した本人が権利を行使できないため
相続人のサザエとタラちゃんがこの権利を相続します

損害賠償は“違法な行為”により損害を受けた者に対して
その原因を作った者が損害の埋め合わせを金銭ですることです。
適法な行為による損害の埋め合わせをする損失補てんとは区別されています。

損害賠償金には「逸失利益の補償金(*1)」や「慰謝料(*2)」などがありますが
相続税の対象ではなく、遺族の所得になり所得税の対象になります。

しかし、所得税法上、不測な損害の補てんである損害賠償金は非課税となり
所得税がかからないことになっていますので、要するに
相続税も所得税もかからないことになります。

なお、マスオがまだ生存中に、損害賠償金を受け取ることに決まっていたが
その損害賠償金を受け取らないうちに死亡してしまった場合は
その損害賠償金を受け取る権利は相続財産となり
相続税の対象となりますので注意が必要です

また、生命を侵害した死亡事故の場合には
相続による損害賠償請求権の他に
直接の被害者であるマスオとは別個(!)に
「父母・配偶者・子」であるマスオの父母、サザエ、タラちゃんは
遺族固有の慰謝料請求権も取得します。
 


(*1)逸失利益の補償金…交通事故にあったマスオが生きていれば
今後、得られたはずの所得に対する賠償としてのお金

(*2)慰謝料…マスオなどの精神的な苦痛に対して
その賠償として支払われるお金

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“想定外”について考える…③原発を造る場合(その1)

2011年05月23日 | 世の中のあんなコト、こんな事

工学的モノ作りで要求されることは
基本的な性能を発揮するための条件下において
技術や経済性が成立することです。

そして次に、想定される異常な条件における事象と
それが及ぼす悪影響を検証して
結果の評価に基づいてその事象を起こさないように
さまざまな対策を施す設計が必要になることはすでにお話ししました。

【5つのシナリオ】

 A)事象を想定し、影響を評価し、対策を取る。
B)事象を想定し、影響を評価するが十分な対策は諦める。
C)事象を想定するが、影響を十分に評価できないため
最大限の安全係数をもって対策とみなす。
D)事象を想定するが、影響を評価できないため対策も取られない。
E)事象を想定せず、対策も取られない。

 

さて、問題は原子力発電所です。

原発が厄介なのは、例えわずかな可能性の条件下であっても
放射線漏れという事象に陥った場合の悪影響は
甚大かつ長期にる亘るからに他なりません。

この最悪の事態を引き起こすかもしれない「異常な条件」を
どの範囲まで想定すべきなのか?

想定する対象でさえ、地震、津波はもちろんですが
例えば、隕石等の衝突やテロリストのハイジャック機による衝突
外国からの攻撃、もしかしたら宇宙からの侵略などなど
原発は自動車のように移動しませんので
想定する異常な条件のほとんどは
能動的ではなく受動的な要素になるのでしょう。

まず、隕石等の衝突は、地震、津波の頻度に比べると桁違いに少なく
最も最近の記録はシベリアで1908年に起きたツングースカ大爆発で
(3mから70mの物体が落下し爆発。隕石の可能性は低いらしい)
このクラスの爆発が原発の間近で起きると多分
建物ごと完全に破壊されて、大量の放射性物質が
周囲に飛散する可能性は極めて高いに違いありません。

そして、これまでの日本の原発の立場は
隕石等の衝突を想定外のD)またはE)としているはずですが
ツングースカでも“らしい”としか言えないものを
想定すること自体、不可能な気がして
個人的にはやむを得ないと思うのです。

もっとも、直撃は例外としても、起こり得る異常としたら
爆風、地震、津波などが具体的な形になるのですから
そちらの想定はもちろんするべきです。

隕石等の直撃と言ったら、誕生から今日までの人類の歴史の
数百倍もの長きに渡って地球上で栄華を極めた恐竜でさえ
たった直径1kmの隕石の落下で舞い上がったチリが太陽光を遮断
氷河期に陥りで絶滅したとされているのですから
原子力がどうこうの問題ではなく
人類の存続さえ危うい事態になる可能性もあるのです。

さて次に、テロリストによる旅客機の衝突は十分に現実的な想定で
アメリカ同時多発テロ事件で原発を狙われなかったのは不幸中の幸いでした。

これは隕石等の衝突などよりははるかに高い確率で起こり得るのですが
それによってどのような事象が想定されるのか、また
原子炉格納容器の強度を上げればそれで済むのか、など
正直、私には分かりません。

同じく、例えば
北朝鮮の弾道ミサイルが原発に照準を合わせて来たら…。

隕石等、テロ、ミサイルのいずれも
直撃を受けたら、多分、どうにもならないのですから
原発政策を続けるのであれば、という前提でしたら
逸れても襲ってくる具体的な形(地震、津波など)を想定するしかなく
C)でしょうがないと思うのです。

他方、隕石はともかく、テロ、ミサイル攻撃を含む
コト戦争に関しては、政治的解決に頼ることは当然のことです。

ただし、もちろん飛躍し過ぎでE)に違いありませんが
宇宙からの侵略に関しては政治的解決も不可能かも…。


ところで何の関係もありませんが
最近あまり話題に上らない核シェルターは
現在、どの程度普及しているのでしょうか?

 

(次回、津波の想定について)

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談の多いお金の疑問…④相続放棄したら生命保険金は受け取れない?

2011年05月22日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

本来はここで登場するはずの生命保険金ですが
東日本大震災における被災者の皆さまの立場に立って
すでに早々に勉強は済ませています。

 

生命保険は契約者と保険会社との契約ですので
“被保険者”の死亡によって
“受取人”に保険金額が支払われるのですから
「受取人が誰になっているか」が最大のポイントで
それによって状況は一変することになります

相続財産が500万円しかないのに
生命保険金が2000万もある、といったケースも
決して珍しいことではありませんので
相続人としてはその行方が大変気になることは当然です。

とても面倒な内容ですが
復習なさる方は下からどうぞ!

 3人の登場人物

生命保険にかかる税金

相続になる場合と税金

贈与になる場合と税金

所得になる場合と税金

 

ところで、当初の疑問
「相続放棄したサザエは保険金を受け取れない」のでしょうか?

相続放棄を気にするのですから
契約者、被保険者は波平の生命保険で
被相続人の波平が死亡したケースなのでしょう。

受取人:波平⇒相続財産に含まれてサザエは受け取れません

受取人:サザエ⇒固有の財産となり受け取れます

受取人:相続人⇒分割分が固有の財産となり受け取れます

 

以前にも助言させていただきましたが
生命保険金の扱いは、複雑でヤッカイ ですので
手続き等は専門家に任せた方が無難かと思います。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

江戸の隠居はいいなあ。

2011年05月21日 | 日々の暮らし

20年以上昔のディーラー勤務時代の部下O君から
この歳になっても毎年、
誕生日にケーキをいただきます。

 

 

 

 

 【江戸時代の隠居】

江戸時代の平均年齢は
17世紀30歳、18世紀35歳、19世紀38歳でしたが
乳幼児の死亡率が高かったためで
無事20歳まで生きた人は平均60歳まで生きられました。

 江戸の人達は平均20歳で結婚し22歳で長男が誕生すれば
44歳の時長男が成人し、平均5人の子を産んでいるので
57歳の時、末子が成人する事になります。

 これでは一生子育てで終わってしまい
余生を楽しむ時間など無いように思えますが、そうではなく
平均5人産んでも全員成人まで生きのびるのは稀だったし
子供は5、6歳から寺子屋で教育を受け
7歳くらいで卒業すると奉公に出るのが普通だったので
手がかからなくなる年齢は今よりかなり早かったのです。

商家などでは、長男は25歳くらいまで親の手先となって働き
親は50歳前後で家督を譲って隠居となりました。

現役時代に借家でも建てておいてその家賃で食べていく者もいたり
家督を譲った子供から月々生活費をもらっていた者もいましたが
寺子屋の先生も読み書きそろばんの出来る商家の隠居には良い仕事でした。

ちなみに、江戸に限っては学校に商店と同じ“屋”を使うことを嫌い
「手習師匠」と呼んだ、と聞いたことがあります。

大きな商家ならば中に隠居部屋を作って住んだり
別邸を建てて趣味三昧の隠居暮らしをしましたが
おおかたは店、兼住居を若夫婦に譲って
長屋住まいでつつましい生活をして余生を送ったといいます。

老中とか大老とか言うように“老”とは邪魔な存在ではなく
経験、知識の宝庫として大事にされていたため
自ら積極的に口出しはしなくても相談されれば経験を生かし
指導もしたし、調整役、世話役もして
周りからは頼られ尊敬される存在でしたが
決して家に引きこもっているわけではなく
見物、旅、グルメ、趣味の集まりに積極的に参加しました。

数多くの庶民が、隠居になるのを楽しみに若いうちは一生懸命働いたり
商売が栄えて財を成せば若いうちから家督を譲って
早々と隠居して好きな事で一生を過ごしました。

経済的にはつつましくても
その生活ぶりは活き活きとしていたといいます。

 

本当かどうかは別にして
こんな隠居生活がいいなあ…。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談の多いお金の疑問…③波平名義の預貯金が下ろせなくなる。

2011年05月20日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

金融機関は波平の死亡を知った時点から
その預貯金の口座を閉鎖、凍結する義務がありますので
すべての波平の口座の取り扱いがコンピュータによりロックされ
窓口でもでも、一切、引き出せないことはもちろん
公共料金等の自動引落し()、入金すらできなくなってしまいます。

これは法律上、故人である波平の銀行預金や郵便貯金は
死亡の時点から遺産として相続の対象となるため
それを保全し、相続人間のトラブルを未然に防ぐためですので
この処置は、通常でも数ヵ月はかかる遺産分割が確定するまで続きます。

もちろん、銀行等がその事実を知らなければ凍結されないのですが
勝手に引き出すことは、後々のためにもくれぐれも慎むべきで
その理由は、後日、負の遺産が多額なことが発覚しても
単純相続(復習はこちら)することを承認したとみなされ
相続放棄できないことになる(と聞いています)、など
厄介なトラブルの原因になるからです。


ところで、金融機関が死亡の事実をどうやって知るのでしょう。



①相続人による申告…勝手に下ろしそうな相続人がいる
などを心配する場合、あらかじめ申告して
預貯金の保全を申し立て不正の防止を計る。

②家族、親戚、友人からの情報…金融機関の方との
なにげない会話の中で伝え聞いた、など。

③新聞のおくやみ欄も情報源になり得るそうです、などなど。

 

どうしても物入りの時⇒面倒です 

一家の大黒柱が亡くなった場合
預貯金が引き出せなくなると葬儀費用はもちろん
当面の生活費にも困ってしまうでしょう。
とても遺産協議が確定するまで待てないという切迫した状況の場合には
金融機関に申し出ると、通常150万を限度に引き出せます。
手続きは遺族の代表者が行い、以下のような書類が必要になりますが
金融機関で異なりますのでご確認ください。

・払戻し依頼書…相続人全員の署名
および実印の押印
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の除籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・被相続人の預金通帳および預貯金証書
キャッシュカード、届出印 など



では、どうすれば…

当面の生活費や葬儀費用はある程度
事前に用意しておきましょう

ただし、生きているうちに多額なお金を引き出すと
当然、記録が通帳に残りますので生前贈与だと
国税庁が言い張ることがあるそうです。
(亡くなってからの相続と生前贈与では税率がかなり違います)

そこで、葬儀費用に関しては
税理士さんに聞いたこんな方法もあるそうです。

まだ生きているうちに、喪主になりそうな家族がお金を下ろし
自分の名義で通帳を作ります。
そこへお金を預けて通帳に「預かり預金」とマジックで書き
葬儀のために預かった預金だと分かるようにして
生前贈与とみなされないようにします。
口座を開設した日は記帳され記録として残ります。
 葬儀費用として預かったモノならば、故人になる人のお金なので
亡くなった後に清算する相続税として課税されるということです。
(ただし葬儀費用以外には使わないでください)

 

 () …公共料金の支払いができないからといって
いわゆるライフラインがすぐに停止されることはなく
翌々月までの2カ月はまず大丈夫です。

どのみち、引落口座の変更にも2、3カ月は要し
その間は振込みなどの方法になります。

慌てる必要はまったくありませんが
遺産分割には関係ありませんので
速やかにやるに越したことはありません。

●電気、ガス、水道・・・支払通知書の連絡先に電話で申し出ます。
●電話・・・NTT窓口にて「加入承継・改称届書」にて申し込みます。
死亡診断書、戸籍謄本、印鑑等が必要(?)
●携帯…ショップで。葬儀の案内状や死亡診断書など
死亡の事実が確認できるものが必要
●NHK・・・電話で変更を申し出ます。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“想定外”について考える…②自動車を造る場合

2011年05月19日 | 世の中のあんなコト、こんな事

前回、工学的なモノ作りにおける
想定、事象、対策の5つのシナリオをお話しました。

A)事象を想定し、影響を評価し、対策を取る。
B)事象を想定し、影響を評価するが十分な対策は諦める。
C)事象を想定するが、影響を十分に評価できないため
最大限の安全係数をもって対策とみなす。
D)事象を想定するが、影響を評価できないため対策も取られない。
E)事象を想定せず、対策も取られない。

具体的に、自動車を製造するケースに当てはめて見ると
想定される事象で最も代表的なものは衝突事故でしょう。

自動車の設計には、衝突時を想定したさまざまな対策が取られていて
シートベルト、エアバッグを筆頭に
ボディの壊れ方の工夫、エンジン等の重量物の落下などなど
おびただしい数の項目が検討され、実際の衝突実験を通して検証され
その結果が設計に活かされていきます。

人体についてもダミーと呼ばれる高価な人形を
使って肉体的損傷が評価されます。

この時に最も重要な前提は
対策を取るべき異常な条件と事象の悪影響の範囲、つまり
時速何km/hまでの全面あるいはオフセット衝突であれば
どの部分が守られ、どの部分が守られないかということが
設計段階で明らかになっていることです。

いかに衝突時の対策が施されていても
時速150km/hでコンクリート壁に正面衝突した場合に
搭乗者の肉体が損傷を受けないという設計は、多分
一般消費者向けにはどこのメーカーでも行われていないはずで
これこそが想定外なのです。

これは、その対策のためのコストがあまりに膨大で
ほとんど誰も買うことができない
安全装置の塊のような代物になってしまうからに他なりません。

そのため、このような事故の安全性は諦めてください、という
暗黙の了解の下に自動車は設計され、売られ
そして消費者に買われているわけです。

これは上記シナリオのB)に該当します。  

では、時速40km/hで対向車とオフセット衝突をした場合はどうでしょう?

この場合、かなりの確率で搭乗者の命が守られる設計になっているのは
そのためのコストと長年の技術開発のおかげで
一般消費者が負担できる程度に抑えられているからで
これは上記シナリオのA)に該当します。 

世の中のほとんどのモノが作り易いのは
想定する条件下での事象及び影響を実験により検証、評価できることで
これを公表すれば、消費者に想定外を知ってもらうことにもなるからです。

自動車については、スピードを上げると衝突の危険が増すという
想定する条件とそれに起因する事象との関係が明確で
その物的、人的被害(悪影響)は周知の事実になっているのですから
早く着きたい効用を事故の確率が上がるリスクに優先した本人が
命と引き換えにすることを了解している、ということになるでしょう。

(続く)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談の多いお金の疑問…②葬式(葬儀)費用は誰が負担するの?

2011年05月18日 | (雑学Ⅰ)イラストで見る磯野家の遺産相続

【葬式(葬儀)費用の平均】

 

地域や葬儀の内容などによって千差万別ですが
だいたいの金額がわかると目安になると思います。

平成22年10月に日本消費者協会の調査

葬儀費用一式 1,266,593円
飲食接待費用    454,716円
寺院の費用       514,456円
葬儀費用合計  1,998,861円

(合計は個別の費用不明等を含むため個別の合計とは異なります)

 

葬式費用を誰が負担すべきか定めた法律の規定はありません。

学説や裁判例を総合すると、葬式費用はまず香典で賄い
その不足分は相続財産の中から支払い
さらに不足するときは相続債務に準じ
つまり、被相続人の負の遺産として、その相続人が
相続分に応じて負担すべきもの、と考える見解が有力です。

 香典葬式費用の一部を負担して
遺族の負担を軽くすることを主たる目的とする
相互扶助の精神に基づいた金銭その他の財物の贈与

本来、香典をどう使うかは
受取人である喪主の自由ではあるのですが
このような性質を考えますと、まず葬式費用に充てるべきと言えるでしょう。

 もっとも、前述のように法律上決まっているわけではありませんから
地方の慣習や故人との関係などを考慮しつつ、関係者の話し合いによって
誰がどの程度負担するか決めるのが望ましいと言えるようです。

ただ、不相応に盛大な葬式を行ったために費用が多額になった場合には
これを主張または支持した人がその分を負担すると考えるのが妥当と思われます。

 以上より、葬式費用を負担した人は
自ら負担するつもりで拠出したのでない限り
香典や相続財産から支払を受けることができる、ということになります

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“想定外”について考える…①想定するとは

2011年05月17日 | 世の中のあんなコト、こんな事

想定とは「ある条件や状況を仮に設定すること」ですが
すでに遠い昔の記憶になりつつあるホリエモンが流行らせた“想定内”は
今では、想定外に取って代わられたとは言え
当時にも増して頻繁に聞かれる言葉になりました。

それもかなり重要なシーンで。

大学などでは「理工学部」と言いますが
理学と工学における想定の立場はまったく違うと言われます。

理学では想定外は胸躍ることであり
それを常に探し求めることが仕事の重要な一部となります。

ニュートン力学が想定外にしていたことが次々と発見された
19世紀末から20世紀前半にかけて量子力学や特殊相対性理論という
新しい物の考え方、認識の枠組みが構築されたと言われます。

理学にとって想定外は革新のための原動力であり
想定内のことしか起きないのであればそこで学問は停滞してしまいます。

一方、工学ではそうはいきません。

こちらは、私たちが生活する日常空間で
技術的にも経済的にも成立するモノを作り上げて
使用していくというための実用の学問だからです。

基本的な性能を発揮するための条件がまず想定され
その条件下で技術や経済性が成立することが要求されます。

次に行われなければならないのは
想定される異常な条件の下における事象と、それが及ぼす悪影響を検証して
結果の評価に基づいて必要とされた場合は
その事象を起こさないように、さまざまな対策をモノに内包
あるいは外の別のモノにその機能を補助させるという設計が必要になります。

ちなみに、事象とは「ある事情のもとで、表面に現れた事柄や現象」です。

ここで難しいのは、対策を取るべき異常な条件と
事象の悪影響の範囲をどこまで拡大するかです。

この範囲を広く取りすぎると、対策に莫大なコストがかかってしまい
工学的なモノ作りのための設計はできなくなります。

一方、範囲を狭く取りすぎると、モノの設計寿命内に想定外に遭遇し
重大な悪影響を使用者や外部に与えてしまうことになります。

注意しなければならないのは
条件を想定し事象を検証のうえ評価することと
それに対する対策をとることは異なる概念だということです。

想像力を働かせれば、想定の範囲はいくらでも広げることができます。
しかし、現実にどこまでの対策を取るかはコストを考慮せざるを得ません。

従って、工学的には次のように、いくつかのシナリオに分かれます。

A)事象を想定し、影響を評価し、対策を取る。
B)事象を想定し、影響を評価するが十分な対策は諦める。
C)事象を想定するが、影響を十分に評価できないため
最大限の安全係数をもって対策とみなす。
D)事象を想定するが、影響を評価できないため対策も取られない。
E)事象を想定せず、対策も取られない。

このとき、工学で許されるのはA)B)C)までであり
D)とE)は職業上の罪でさえあると言えると思います。

特にE)は最悪ですが、D)に「条件は想定したが事象を誤り
よって影響を評価できず対策も取られない」も含むとすれば
どちらの技術者も、想像力の欠如、無能、などという
侮蔑的なラベルを張られても仕方がありません。

注意を要するのはB)の場合で、影響の評価は行うものの
それをわかったうえで十分な対策は諦めるというものです。

これではD)やE)と同じではないかと思われるかもしれませんが
本来はそうではありません。

影響評価を行い、それを社会に公表し
そのうえで社会全体の合意として
十分な対策は諦めざるを得ないと決断するものです。

もっとも、原発の安全神話を作り上げるなど
社会的な合意を意図的にその方向に向けることも可能ですが…。

 

 (続く)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする