北隣りのKさんのリンゴ畑の一部を借りて野菜を作っている関係で
そこに植えられている木の、ウメとクルミそしてカキを
「要らないから好きに採って」と言われています。
ちなみに農家は接木をしてまで甘柿ではなく渋柿を作るそうで
その方が昔は高く売れたからとKさんから聞いたことがあります。
夏に木陰を作ってくれるクルミの木には今年も13ℓのバケツ約2杯分の実ができ
そのうちの1杯半は「孫が好き」と聞いているKさん宅にすでに先日届け済みです。
そして春の50㎏以上ものウメは「梅干」に、この時期のカキは「干し柿」に
女房がかなりの手間暇を掛けて作るのは、どちらも私は口にしませんので
そのほとんどを孫や娘そして彼女の友人への贈り物にするためです。
その他アンズやベリー類、そしてリンゴ等の"はね出し"から作る
ジャムの量も相当な量になります。
どれも「買ったものよりずっと美味しい」と喜ばれるからだそうで
そりゃ、あれだけの塩または砂糖、それ以上にかなりの労働力が必要な
加工食品をタダでもらえるのですから、孫や娘はともかく
そのくらいの"おべんちゃら"があって当然と、収穫やら運搬やらの
陰の力仕事に駆り出される私などは、内心でつい思ってしまうのです。
この木1本から渋柿が300個は採れ、折れ易いカキの木から
吊るすための枝を少し残して切って収穫し、全て手作業で皮を剥いて
タコ糸を使って軒先に吊るすわけで、この状態を「柿のれん」と言います。
県南部の飯田・伊那地方では「市田柿」というブランドで生産が盛んですが
今の若者はあまり口にしてくれないという干し柿の価格が高い理由は
要するに手作業で作る手間が半端ないということでしょう。
甘くて美味いものがもっと安い価格でいくらでもありますものね。