前回の表によると、掛金の1.7倍以上が戻ってくるのですから
とても民間会社では考えられない高い配当率の金融商品であることが分かります。
それも、終身年金ですから長生きすればするほど多くもらえますので
ある意味、“命をかけた賭け”と言えなくもありません。
ただし、前にも書きましたが、年金財政がかなり苦しくなっていますので
これは約束された数字ではないことを忘れてはいけません。
すでに[報酬比例部分の老齢厚生年金+65歳からの老齢基礎年金の繰上げ受給]を
受け取っている私でさえ、いまだに受給金額に関してはよく分かりません。
理由は簡単で、仕組みが複雑な上
「原則」と「経過処置」が混在していてその区別がよく掴めないのです。
疑問点などはその都度年金事務所を訪ねて教えてもらうのですが
一般論ではなく年金番号に基づく個別の回答になります。
昨年まではよかった女房に関する金額の問い合わせでさえ
夫であっても代理人では答えてくれなくなってしまいました。
回答をもらっても、欄外に必ず
「実際の年金額はこの試算結果と異なる事があります」と断り書きが付きます。
受給を初めて2年目なのでまだはっきりしませんが、春先にその年の1年間の金額が確定するようです。
受給は2カ月に1度、例えば8,9月分が偶数月の10月に支払われる後払い方式です。
1年毎に金額が変わる理由は、インフレの時は上がり、デフレの時は下がるという
物価と連動した仕組みになっているからでしょう。
もしかしたら、前に述べたような頻繁な法改正を
すぐに反映できるようにしているからかもという穿った見方もできます。
とにかく、何かにつけて「実際の年金額は異なります」の断り書きが付くことにはビックリですが
さすがに春先の年金決定通知書と2カ月に1度の振込み直前の振込通知書にはありません。
ところで、いざ年金生活に入ってみると、なにも仕事をしなくても
こうして決まってお金が振り込まれるこの制度のありがたさを実感します。
若い頃には無理やり引き落とされる
厚生年金保険料の数万円が腹立たしく思えてなりませんでしたが
身体が思うように動かずあちこちガタが出てくる今の歳になると
お金の価値自体が上がる一方なことにも因るのでしょう。
これは「国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする」のうち
根幹をなすべき「老齢」に対する給付です。
ちなみに、受給できる標準的金額は下の通りです。
(国民年金だけに加入していた場合)
保険料を40年間納めた場合、65歳から月66,008円の老齢基礎年金を受け取れます。
夫婦で加入していると 66,008円×2=月132,016円 (年間1,584,192円)です。
(厚生年金の加入期間がある場合)
老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金も受け取ることができます。
老齢厚生年金は加入期間の給料の額に応じて決まりますので個人差がありますが
加入期間が40年ある人の標準的な老齢厚生年金は月100,576円です(H19年度)
奥さんが専業主婦の場合ですと
(夫)基礎年金66,008円+厚生年金100,576円=166,584円
(妻)基礎年金66,008円 合計232,592円(年間2,791,104円)になります。