隣組の74歳のGさんの野菜畑は100坪の広さですぐ西隣りに隣接しています。
メインのリンゴ畑は別の場所にあり
木の下を利用してこちらでも少しの面積で野菜を作っています。
この付近の住人の中では理論家で研究熱心、話し易いこともあって
日頃から野菜作りのいろいろなことを教えられているのですが
やはりリンゴが中心のため、野菜栽培は奥さんが主導権を握っているようです。
何も知らない昨年まではずいぶんと参考にさせて頂いたのですが
それでも「なぜ?」と突っ込むと答えに窮することがあり
「野菜は母ちゃんが作っているからよく知らない」がある意味、Gさんの言い訳になっていました。
実は奥さんに訊いてもほとんど同じレベルの知識であって
ご夫婦揃って「何をやるか」は経験的に知っていても「なぜそうするか」については
充分な収穫ができているのですから今まで考えたことさえなかったのかもしれません。
「ジャガイモの芽かきはなぜするの?」
先日、その奥さんから初めてこんな質問を逆に受けてしまいました。
もちろん、理由は知らないながらもちゃんと芽かきをしていることは
昨年も私のより2~3周りは大きなジャガイモのお裾分けをいただいていることからも確かです。
間引きにしろ芽かきにしろ、伸び放題にせず成長をコントロールすることにより
収穫物(野菜)を大きく育てることが目的のはずで
これはどの参考書を見ても必ず書かれている初歩的なことです。
いろいろ訊いたところでは
13人の孫たちが毎年楽しみにしている今年のジャガイモ作りに失敗したのだと言います。
そしてそれは、種イモの植付の際に今年初めて使った自作の未熟堆肥(と思われる)を
一緒に植えたことが原因ではないか、と私でも予想がつきました。
(上から目線でスミマセン)
未熟堆肥による障害はさまざまあって、生ごみからコンポストで作ることを躊躇しているのも
「腐る」と「発酵」の違いをロクに知らない私が、特に有機栽培においては重要とされている堆肥を
上手く作れる自信など全くないからに他なりません。
「今からでも新たに種イモを買って植える予定だが
僅かに芽が出たイモの芽かきをしこれを植えてみたが育つかどうか」とGさん。
芽かきされた芽を植えて育つ話は聞いたことがありませんが
未熟でない完熟堆肥でさえ少なくても2週間前にすき込んでおくことは
昨年始めた直後に参考書で学んだことでしたし、今年の講座では
寒い長野では最低1カ月前、それどころか「春は堆肥を施さない」とさえ教わっています。
なぜ種イモと一緒に、それも同時に元肥の堆肥を施したのか気の毒で訊くことはできませんでしたが
机上で勉強すれば最初に出てくる基本的なことであることは確かです。
昔からやってきことをそのまま続けていれば収穫はできるのでしょうが
ちょっと変わったことをする場合にはこんな基本中の基本から外れるミスを犯してしまうのですから
芽かきの理由などの理屈は知らないまま、もう何十年も同じことを繰り返しているのが
この近辺のお年寄りの農業なのだと改めて認識することになりました。
特に“ついでの”野菜作りにおいては…。
そんなGさんを尻目に、私の畑では男爵は2本仕立てに
キタアカリとメイクイーンは1本仕立てに
すでに芽かきと1回目の土寄せを終えています。