今年、ゴールデンウィーク間近の頃
何十年振りかで楽しむ気になっていたスキーに、友人のAさんに誘われたものだから
必要なものを急遽用意して、シーズンが終わるGWを含めた2週間のあいだに3回も
志賀高原に連れて行ってもらい25年振りの再デビューを果たしたのでした。
もちろん、25年も空白があると、その頃使用した用具など一点も残っていませんでしたし
すでにスポーツショップからはその売り場が撤去されていましたので
とりあえず、何でもなんでもいいので用意しました。
カービングスキー+ストック…Aさんからの頂きもの
ブーツ…ヤフオクで数千円で落札、中古品
ウェア…ヤフオクで数千円で落札、旧モデル新品未使用
帽子・グローブなど…あり合わせ
ところで、シーズンが間近に迫って来た昨日、大型スポーツショップに行って
特にウェアについて今時の流行を教えてもらいビックリ、まさに“浦島太郎”状態ではありませんか。
この25年の間の一番の変化はスノーボードの登場です。
これがスキー板にも影響を及ぼし、カービングスキーが開発されたという話はすでに聞いていました。
だからと言って、ウェアそのものが変わるはずもないと思っていたのですが
ショップ店員の女の子の次のような説明で、やはり大きな影響を受けていることを知りました。
厳密にはウェアにもボード用とスキー用があるらしく、スキー用は膝部分が曲がり易いカットで縫製されていること
ボード用よりもデザイン的にはダボダボ感が少ないこと、そして素材は少し厚い素材で造られているのだそうです。
これは、ボードの方が全身を動かすので寒くないため、と言います。
こうしてメーカーではスキーとボードを区別しているものの
実際に購入するお客様は、デザイン、色などの好みを優先してどちらでも構わず選択するため
事実上、その区別はあってないようなものになっている、つまり言い方を変えると
ボードウェアの影響が大きくスキーウェアに及んでいるということになるのです。
縫製だの素材だの、少しダボダボじゃないだの、ショップ店員でさえ
一見しただけでは区別が付かないと言うのも当たり前ですね。
また、キャップとサングラスはほとんど身に付けず、今やニット帽またはヘルメット+ゴーグル姿で
「発熱素材」なる言葉がオンパレードのインナーウェアには大きな変化はないと言います。
ストックを握るグローブは、やはりボード用に比べいかにも丈夫そうな感じですが
これも明確な区別はないと聞きました。
こうした説明を30分ほど聞くにつけ、感じたことがあります。
それは、スキー人口に歯止めをかけるため
昔やっていた世代をスキー場に呼び戻そうと真剣に考えるのであれば
あの若者だけを意識したボードウェア、つまりはそれがスキーウェアになるのですから
デザインや色、柄を一考する必要があるのでは、ということです。
かと言って、いかにも“年寄り”を前面に出してはならないところが難しいですし
そんな商品も今のところないはずですので、まずはショップ内にその世代向けの
“それっぽい”モノだけを集めた「その世代向けコーナー」を作ることはすぐにでもできるのではと思います。
噂では、「小賀坂」が売り出している何とかシリーズという板は
そうした世代向け商品だと聞いたことがありますので、それらを中心にしても良いですが
いずれにしても皆さん、私のような“浦島太郎”なのですから
あれだけ若者っぽい売場の中に放り込まれても、何を選んで良いのか皆目、分からないはずです。
「また、やろうかな」と、なんとなく思って下見に言っても
なんか場違いな所に来た気がして、「やっぱり止めておこう」と踵を返す姿が想像されてなりません。
かつての“立ち上がり沈み込み”や“谷足荷重の踏み替え”の滑りができる彼らが
カービングなる技を身に付けるのは、これからスキーを始める若者とは比較にならないほど容易なことですし
そしてなによりも、自由になるお金は比べようもなく多いのですから…。