「旅行」と「出張」という単語がある。レジャーとしての「旅行」と、仕事としての「出張」。
実際には、仕事の多くは「行かなくても済む」時代なので、わざわざ出張に行くというのは、ややこしい話の場合が多い。出資子会社から巨額配当金を引き抜くために、子会社社長に見返りとして「高級ゴルフ場会員権を進呈する」とか、こじれた関係先との修復のため、虎屋の羊羹+何かを運ぶとか・・
要するに、メールのように記録に残るような仕事ではないわけだ。
会社でなくても、役所関係で盛んな「視察」とか、学術関係の「学会」とか、行程の全部とは言わないが、かなりの部分が本来の目的以外となる。
日本での国際会議など、その例で、京都観光とセットになった京都の会議場。TDLとセットになった幕張地区。先日も、有明の会議場で、会議中に抜け出して、ロビーで夜の観光手配をしている東南アジア系の方々を見受けた(どこに行くのか知りたいところだが)。
ところで、かつて、シンガポールで同種の会議があって、会議場の入り口には、その後、数日間の会議一覧表とサマリーの資料が積まれていて、それさえ手に入れれば、適当に出張報告が書けるようになっていて、会議場に入らずにいきなりレジャーに変更する人たちが大勢いるわけだ。
結局、ほとんど人のいない大会議場で、よく聞こえない英語を聞いてもしかたないので、さっさとタクシーに乗り込むのだが、話し好きの運転手から、聞かれたわけだ。
「BUSINESS? or HOLIDAY?」
シンガポールは米語ではなく英語なので、holidayという表現が、ちょっと違和感があったのだが、「休暇」というような意味。「仕事?、遊び?」ということだろう。なかなか返事に詰まってしまうわけだ。
「HALF BUSINESS、HALF HOLIDAY.」
半々というちょうどいい日本語がある。実際は「一・九」あるいは、限りなく「〇・十」かもしれないが、総称して半々というようだ。
ところで、英語で旅というと、色々な単語がある。「trip」、「journey」、「travel」、「voyage」・・・。
それぞれ、少しずつ意味と範囲が違うが、よく使われるのが、一般論としての「travel」と個別論としての「trip」ではないだろうか。
日本では目的によって、「旅行」と「出張」と分けられるのだが、英語では「出張」でも、「trip」になるようだ。
「a business trip」、「an official trip」。公務員は後者だ。学会の場合はどうなるのだろう?「academic holidays?」
ところで、「出張」ということばは、仕事で遠くに行くことを意味するのだが、「しゅっちょう」と読まずに「でばる」と読む場合がある。
「本日は、わざわざ遠いところを出張って(デバッテ)いただき、・・」という挨拶になると、これは「やの字」の世界になる。堅気の人には使わないはずだが、言われたことがある。誤った仕事のやり方をして別筋に紛れ込んでしまった場合だった。
「やの字」の世界では、自分たちの縄張りの外に出て、別の縄張りへ行って、何らかの話しをつけにいくことを意味するのだろう。だから、出張る時は命懸けになる。とはいえ、北条時宗のように交渉人そのものを殺してしまうと大戦争になってしまうので、まあ、一発顔を殴られる程度なのだろう。
「出張る」も「出張」も、同一の語源であるのだろうから、「出張」という言葉が生きていることこそ、日本が縄張り社会から脱していないことをあらわしているのだろうか。
実際には、仕事の多くは「行かなくても済む」時代なので、わざわざ出張に行くというのは、ややこしい話の場合が多い。出資子会社から巨額配当金を引き抜くために、子会社社長に見返りとして「高級ゴルフ場会員権を進呈する」とか、こじれた関係先との修復のため、虎屋の羊羹+何かを運ぶとか・・
要するに、メールのように記録に残るような仕事ではないわけだ。
会社でなくても、役所関係で盛んな「視察」とか、学術関係の「学会」とか、行程の全部とは言わないが、かなりの部分が本来の目的以外となる。
日本での国際会議など、その例で、京都観光とセットになった京都の会議場。TDLとセットになった幕張地区。先日も、有明の会議場で、会議中に抜け出して、ロビーで夜の観光手配をしている東南アジア系の方々を見受けた(どこに行くのか知りたいところだが)。
ところで、かつて、シンガポールで同種の会議があって、会議場の入り口には、その後、数日間の会議一覧表とサマリーの資料が積まれていて、それさえ手に入れれば、適当に出張報告が書けるようになっていて、会議場に入らずにいきなりレジャーに変更する人たちが大勢いるわけだ。
結局、ほとんど人のいない大会議場で、よく聞こえない英語を聞いてもしかたないので、さっさとタクシーに乗り込むのだが、話し好きの運転手から、聞かれたわけだ。
「BUSINESS? or HOLIDAY?」
シンガポールは米語ではなく英語なので、holidayという表現が、ちょっと違和感があったのだが、「休暇」というような意味。「仕事?、遊び?」ということだろう。なかなか返事に詰まってしまうわけだ。
「HALF BUSINESS、HALF HOLIDAY.」
半々というちょうどいい日本語がある。実際は「一・九」あるいは、限りなく「〇・十」かもしれないが、総称して半々というようだ。
ところで、英語で旅というと、色々な単語がある。「trip」、「journey」、「travel」、「voyage」・・・。
それぞれ、少しずつ意味と範囲が違うが、よく使われるのが、一般論としての「travel」と個別論としての「trip」ではないだろうか。
日本では目的によって、「旅行」と「出張」と分けられるのだが、英語では「出張」でも、「trip」になるようだ。
「a business trip」、「an official trip」。公務員は後者だ。学会の場合はどうなるのだろう?「academic holidays?」
ところで、「出張」ということばは、仕事で遠くに行くことを意味するのだが、「しゅっちょう」と読まずに「でばる」と読む場合がある。
「本日は、わざわざ遠いところを出張って(デバッテ)いただき、・・」という挨拶になると、これは「やの字」の世界になる。堅気の人には使わないはずだが、言われたことがある。誤った仕事のやり方をして別筋に紛れ込んでしまった場合だった。
「やの字」の世界では、自分たちの縄張りの外に出て、別の縄張りへ行って、何らかの話しをつけにいくことを意味するのだろう。だから、出張る時は命懸けになる。とはいえ、北条時宗のように交渉人そのものを殺してしまうと大戦争になってしまうので、まあ、一発顔を殴られる程度なのだろう。
「出張る」も「出張」も、同一の語源であるのだろうから、「出張」という言葉が生きていることこそ、日本が縄張り社会から脱していないことをあらわしているのだろうか。
もうすぐ行きますから