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『将棋大観』の唯一の詰将棋

2021-02-06 00:00:43 | しょうぎ
手元に木村義雄14世名人の『将棋大観』がある。奥付を確認すると、初版が昭和3年3月だが、昭和6年5月の第54版となっている。54版とは大変な数字だ。出版業界というのは書店の返品制度というのがあって、売れるからと言って、次から次に増刷して取次から書店送り込んでも、3ヶ月後のある日突然に返品が始まり、洪水のように本の山が倉庫に溜まってしまう。よく「ベストセラーを出すと倒産する」と言われる通りなのだが、その点、出版社の誠文堂は慎重に慎重を重ね、少しずつ小出しに刷っていたのだろう。



現在は誠文堂新光社となっている。創業以来100年を超え、創業者の原点だった取次業は破産し、新光社を合併し、創業者社長は「猟銃」に関する本を書いてから猟銃自殺し、経営困難な時期には、旧会社に債務を残して新会社を設立。雑誌各種のほとんどは廃刊となっているが、会社の歴史を刻むホームページは健在である。調べていて心が痛い。

駒落定跡は今でも『将棋大観』を基本としている。しかし、大変に読みにくい。たとえば1図ではなく春図とかなっているし、そもそも横書きは右からだ。「観大棋将」だ。

その本の最終章が、詰将棋要訣(いや、訣要棋将詰)。14世名人の自作である。



ただ、現代的にいうと、大きなキズがある。余詰とか変化長手数というのではなく、「駒余り」。江戸時代の初期には、駒余り容認だった期間があるが、昭和の時代に駒余りというのは「大道詰将棋」の世界だろうか。

たぶん、詰将棋に重きを置いていなかったのだろう、と推測。

ということで、不埒ながら名人作に手を入れてみた。中心部分は同一である。



わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。


さて、1月23日出題作の解答。






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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (蛇塚の坂本)
2021-02-09 09:54:01
最終手6六桂の17手詰みとなりました。
古作物は、やはり良い作品が、多いと思う
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Unknown (おおた葉一郎)
2021-02-09 09:55:11
坂本様、
正解です。
昭和でも、古作図ですか
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