EUの蹉跌

2011-10-11 00:00:25 | 市民A
EUで銀行崩壊が始まった。ギリシア国債なんて高が知れてると思うが、一体どういうことなのだろうか。サブプライムローンとか日本のバブルなんかは途方もない金額ってわかるが、欧州のメガバンクがどうなっているのか、さっぱりわからない。何年か前に陽気なギリシアのバンカーと寿司屋で話したことがあるが、まあ、そういう人は上手いことやるのだろう。

これから1週間、アジアへ飛び火するようで、WORK中の輸出案件なんて、ズタズタになるのだろうか。いやになる。日本の周りに、体力のある銀行なんてまったく存在しないのだから・・

ところで、1ユーロ=100円ということになったようだが、ユーロがスタートした時が、そういうレートだった。その後、わけもなく1ユーロ=160円ほどになり、ロンドン駐在員がラーメン2000円に、もがき苦しむことになる。


ところで、ユーロが統一通貨として、市場に登場する1か月前にスペインを旅行していた。結構、通貨では混乱していて、クレジットカードはユーロ決済だった。EUとユーロは微妙に異なっているのだが、本質的には同根である。「ヨーロッパの統合」。

ところが、統一直前のスペインでは、国民の方が心配をしていた。スペイン人らしくないのだが、「EUの足を引っ張るわけにはいかない」という責任感である。無責任な国民でもなく、イスラム教徒を西側でアフリカ大陸に追い返したのは、この国の底力である。

統一前に何をしたかといえば、「シエスタ」の廃止。

シエスタとは昼寝時間のことで、0時から3時まで、職場から消え、自宅に帰ってランチを食べたりワインを飲んだり、夫婦の愛を確認したりする。あるいは愛人とランチを食べたり、ワインを飲んだりホテルで愛を確認したりする。

それを、どの職場でも廃止したそうだ。もっとも朝のバルセロナ駅ではスーツ姿でキオスクでビールを飲んでる人は多い。時間は違っても、やることはやるということだろうか。

そして、スペイン人の努力もむなしく、その後、どんどん加盟国が膨張してしまい、残すところは、ロシアとトルコということになった。(ロシアは加盟する気はまったくない)

で、最初から無理っぽいと思っていたのは、域内の経済格差である。

たとえば。日本では、東京を除いた46都道府県の一人当たりGDPの差は2倍以下である。沖縄が貧しいというが、行ってみると物価が格段に安いから、生活的には、そんなに困窮しない。困窮しているのは首都圏の失業者である。(失業問題は横に置いておく)

ところが、欧州では豊かな方のイタリアでは南北格差が2倍以上。たぶん物価調整の範囲を少し超えているだろう。どこの国でもそれ位の問題を抱えている。その国内の問題を解決するために、先行加盟国は中欧とか南欧とかより貧しい国を仲間に入れて、経済成長をはかったわけだ。

が、そうなると統一通貨内全体をみれば、一人当たりGDPの地域間格差はさらに拡大。一方、生産財の流通は自由なのだから物価の差は均衡化に向かうため、沖縄のような物価調整機能は逆に格差拡大方向に向かっていく。

一方、正式にはまだ決着付いていないのだが、事実上のトルコの加盟を拒否したため、EUという枠組みを拡大することによる経済成長は、「終着駅が見える」ということになったわけだ。トルコが加盟すれば、エジプトだってアルジェリアだって、リビアだって、EUに加盟しようとするだろう。

ギリシアだってオリンピック開催したせいで、財政破綻したといえなくもないし、西洋文明の起源だから追い出されることはないだろうと、根拠なき依存心が国家丸ごと親方日の丸(表現が変だ)になったのが原因だ。公務員がストやデモばかりやる。

ということで、はたでEU危機の出口を探せば、「ギリシア」を追い出し、「トルコ」を加盟させて、いずれ北アフリカから順にアフリカを経済圏に取り込んでいくようにすれば、まだ数十年は自転車をこぎ続けることは可能なのではないかと思うわけだ。


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