政府専用機のこと

2018-09-12 00:00:54 | 市民A
B-747が2機という日本国の現在の政府専用機について、整備を担当している日本航空もB-747 (ジャンボ)がなくなるということもあり、また、米国からの押し売り圧力もあり1992年に購入してから既に26年も経ったということで買い直すことになった。先月には日本に到着している。機種はB777-300ERをベースに各種設備をスイスで搭載してきた。やはり2機。外務大臣専用機は買わなかったということになっているが、そもそも政府専用機というのは総理大臣専用機ではないわけだ。

優先順位は、皇室、総理大臣、その他ということになっているようだ。国家元首は天皇だからだそうだ。2機あるのは、途中で故障の時に乗り換えるため(もちろん飛行中に乗り換えるわけではない)。

ここで、問題点なのだが、B747からB777に乗り換えるというのはエンジン4基(4発)から2基に乗り換えるということ。つまり危険度が増すわけだ。ハドソン川の奇跡はエンジンが2基(2発)しかなかったからこそ起きたわけだ。今、世界中で燃費改善が求められていて、そのためにエンジンの基数が減り、危険が高まったのだが、その代償としてB-777は航空路が、世界中の空港の位置からあまり離れていないコースになっている。硫黄島に着陸したケースもあったが、二つのエンジンの一つが不調になった時の機長の気持ちになればわかると思う(四つのうちの一つではない)。自動車や船と異なり、危険があれば停まるというわけにはいかないわけだ。


ところで、いつも押し売りする米国だが、専用機といえばエアフォースワンが有名だ。こちらは政府専用機ではなく大統領専用機で、ゴルフとか大統領の私用に使ってもいいそうだ。札幌のラーメン横丁に行ってもOKだ(落選するだろうが)。機種はB747。1990年製で2機。つまり日本と同じというか、日本の方が2年新しく、エンジン性能は僅かに上らしい。そして、こちらも買い替える話になっていて、39億ドル(4000億円超)というとんでもない見積もりがあったようだ。当初は3機という話だったが、どうも2機らしい。

そして新型機は、B777ではなくB747-8というボーイングが唯一生産を続けているジャンボ機がベースになる。これは、貨物機なのだ。

その貨物機に中性子爆弾が近くで爆発しても飛び続けられるようにしたり、三流国の空港で機体トラブルがあっても修理できるように予備部品まで積み込んだり、全地球が核汚染された場合、いつまでも空を飛び続けるための空中給油装置まで装備されている。すると10倍(2機なので5倍かもしれない)に膨れ上がった。

いくら金持ちのトランプ大統領もこの金額には驚いたようだ、自分の乗っていたプライベートジェットの100倍とかなのだろうか。その結果、あれこれとボーイングと交渉の結果10億ドル安くなったと威張っているようなのだ。が、どうも完成したのにキャンセルになった機体がボーイングの倉庫に2機眠っていたようだ。マークをはがしてきれいに塗り替えるのだろうか。

ところで、米国がB747 にこだわったのには理由がある。エンジン4つである。大統領の命は地球よりも重いわけだ。いまや4発(エンジン4基)といえば、総2階のエアバスA380かボーイングの貨物機B747-8ということになるわけで、考える余地はないのだろう。

となると、日本の場合、総理大臣が乗ることが多いわけなのだが、エンジン停止の緊急時の場合はどうするのだろう。

おそらく、パラシュートなのだろう。運が良ければ、予備で飛んでいるもう一機の尾翼にしがみつくことができるかもしれない。


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