1月15日、午前8時半頃、大学入学共通テストの会場になっている東大の農正門の近くで受験生2名(男女)と通行中の72歳の男性が背後から刃物で刺された。容疑者は学校の制服を着た名古屋の私立高校の2年生男子で、名古屋からバスで上京して犯行に及ぶ。今のところの警察情報では「医者になるために東大をめざしたが、1年前から学業不振となり、犯行の後、死のうと思った」と言っているそうだ。また、南北線東大前駅の小火災も自供しているといわれる。
論点はたくさんあるので、順不同に書いてみるが、今後、詳細情報が出てくるとまとはずれな話になるかもしれない部分もあるだろう。
1. 認知の間違いを思い直すのは難しい。
以下の項で触れるが、「東大行って医者になる」というのは、勘違いなのだが、思い込んだ自分の認識を「間違っている」と思い直すのは難しいものだ。
2. そもそも、殺人とか自殺とか放火を思いつく時点で医業には最もふさわしくない。
面倒といって血管に空気を投入した看護師と同じになる可能性がある。
3. 医者になりたかったのか医学者になりたかったのか不明。
警察情報通り医者になりたかったとすると、東大医学部は本来、医学者になるべき秀才を教育する場所のはず。開業医にしても病院勤務にしても、医者になるには東大卒業の必要はない。医学部に限らず、東大を出たからって一流の人物になるわけでもないし、一流の人物が東大出ばかりであるわけでもない。医者の所得に憧れたのか?
4. 東大医学部は多浪生ばかり。
現役で入る人は一握りで多浪生が多いはず。まだ2年なのだから何年もかけて受験勉強すればよかったはず。
5. 東大至上主義を煽るのは高校?予備校?親?ジャーナリズム?自分?
17歳ともなれば、周囲に煽られても真偽はわかるはずなのだが。
受験校や予備校は、「学問の象徴」のように東大を神格化することによって、存在意義を自己確認しているが、踊らされる人たちが多いということ。
6. 格安バスの存在
名古屋から東京までバスで来たらしいが、夜の10時から11時に名古屋を出て、東京か新宿に朝5時から6時頃に到着するバスが何本もある。料金は2000円から2500円と格安だ。バスジャックなど考えていたらもっと大変なことになっただろう。
7. なぜ赤門前でやらなかったのか、なぜ南北線の駅なのか
東大には有名な門がいくつかある。もっとも有名なのは正門ではなく赤門。もともと徳川11代将軍家斉公には53人のこどもがいて、26人が男で27人が女。この27人の女性の多くが成人して、それなりの名家に嫁いでいくのだが、幕府も持参金に困っていて、徳川時代の初期に幕府に嫁いできた女性の実家からの持参品が保存されていたものをメルカリ方式で使いまわしたりしていたが、さすがに日本最大の大名である加賀前田藩に嫁ぐ女性には新品ということで、金品ではなく。大きな門をプレゼント品としたわけだ。それが赤門である。つまり古いだけではなくエピソード付き。
東大は神田橋から飛鳥山公園まで南北に延びる本郷通りに面しているが、中央が正門で南が赤門、北が今回の農正門。東大と言えば「本郷三丁目駅」といわれ、駅から近いのが赤門という事情もある。
おそらく、容疑者は東京メトロに詳しくなかったのではないだろうか。路線図に「東大」と書かれているのは南北線の「東大前」駅なので、乗り換えを重ねてたどり着いたのではないだろうか。
8. 今回の受験生は東大の前だからといって東大を受けているわけではないのに何を考えたのだろう。これも勘違いだろうか。
9. 拡大自殺事件に触発された可能性もある。
基本的に防ぐのは難しい。共謀罪の論議の時もあったように、日本では犯罪を犯そうと思っただけでは原則的には無罪である。凶器を隠し持っただけではまだ捕まらない。気が変わるかもしれないからだ。むしろ、銃器や刃物、ガソリンなどのような手段を厳重管理するということから始めるべきだ。
10.改正少年法施行前だからだろうか
4月1日から施行される改正少年法を意識していたのかどうかは不明。
16日の追記:
1.切腹する気だったそうだが、そもそも後ろから人を切るというのは武士道に反するわけで、切腹しても武士とは認められない。さらに、成績が落ちた敵討というなら、落ちた原因は自分以外にいないはず。
2.報道では、駅構内でエタノール(=エチルアルコール)にチャッカマンで火をつけようとして失敗したとなっているが、本当は成功しているのかもしれない。エタノールの炎は無色なのだ。さらに単一化学物質は全量が同じ性質を持つため、仮に蒸気に引火してもあっという間の短時間で灰も残さず燃え尽きるはず。CO2と水蒸気になる。
論点はたくさんあるので、順不同に書いてみるが、今後、詳細情報が出てくるとまとはずれな話になるかもしれない部分もあるだろう。
1. 認知の間違いを思い直すのは難しい。
以下の項で触れるが、「東大行って医者になる」というのは、勘違いなのだが、思い込んだ自分の認識を「間違っている」と思い直すのは難しいものだ。
2. そもそも、殺人とか自殺とか放火を思いつく時点で医業には最もふさわしくない。
面倒といって血管に空気を投入した看護師と同じになる可能性がある。
3. 医者になりたかったのか医学者になりたかったのか不明。
警察情報通り医者になりたかったとすると、東大医学部は本来、医学者になるべき秀才を教育する場所のはず。開業医にしても病院勤務にしても、医者になるには東大卒業の必要はない。医学部に限らず、東大を出たからって一流の人物になるわけでもないし、一流の人物が東大出ばかりであるわけでもない。医者の所得に憧れたのか?
4. 東大医学部は多浪生ばかり。
現役で入る人は一握りで多浪生が多いはず。まだ2年なのだから何年もかけて受験勉強すればよかったはず。
5. 東大至上主義を煽るのは高校?予備校?親?ジャーナリズム?自分?
17歳ともなれば、周囲に煽られても真偽はわかるはずなのだが。
受験校や予備校は、「学問の象徴」のように東大を神格化することによって、存在意義を自己確認しているが、踊らされる人たちが多いということ。
6. 格安バスの存在
名古屋から東京までバスで来たらしいが、夜の10時から11時に名古屋を出て、東京か新宿に朝5時から6時頃に到着するバスが何本もある。料金は2000円から2500円と格安だ。バスジャックなど考えていたらもっと大変なことになっただろう。
7. なぜ赤門前でやらなかったのか、なぜ南北線の駅なのか
東大には有名な門がいくつかある。もっとも有名なのは正門ではなく赤門。もともと徳川11代将軍家斉公には53人のこどもがいて、26人が男で27人が女。この27人の女性の多くが成人して、それなりの名家に嫁いでいくのだが、幕府も持参金に困っていて、徳川時代の初期に幕府に嫁いできた女性の実家からの持参品が保存されていたものをメルカリ方式で使いまわしたりしていたが、さすがに日本最大の大名である加賀前田藩に嫁ぐ女性には新品ということで、金品ではなく。大きな門をプレゼント品としたわけだ。それが赤門である。つまり古いだけではなくエピソード付き。
東大は神田橋から飛鳥山公園まで南北に延びる本郷通りに面しているが、中央が正門で南が赤門、北が今回の農正門。東大と言えば「本郷三丁目駅」といわれ、駅から近いのが赤門という事情もある。
おそらく、容疑者は東京メトロに詳しくなかったのではないだろうか。路線図に「東大」と書かれているのは南北線の「東大前」駅なので、乗り換えを重ねてたどり着いたのではないだろうか。
8. 今回の受験生は東大の前だからといって東大を受けているわけではないのに何を考えたのだろう。これも勘違いだろうか。
9. 拡大自殺事件に触発された可能性もある。
基本的に防ぐのは難しい。共謀罪の論議の時もあったように、日本では犯罪を犯そうと思っただけでは原則的には無罪である。凶器を隠し持っただけではまだ捕まらない。気が変わるかもしれないからだ。むしろ、銃器や刃物、ガソリンなどのような手段を厳重管理するということから始めるべきだ。
10.改正少年法施行前だからだろうか
4月1日から施行される改正少年法を意識していたのかどうかは不明。
16日の追記:
1.切腹する気だったそうだが、そもそも後ろから人を切るというのは武士道に反するわけで、切腹しても武士とは認められない。さらに、成績が落ちた敵討というなら、落ちた原因は自分以外にいないはず。
2.報道では、駅構内でエタノール(=エチルアルコール)にチャッカマンで火をつけようとして失敗したとなっているが、本当は成功しているのかもしれない。エタノールの炎は無色なのだ。さらに単一化学物質は全量が同じ性質を持つため、仮に蒸気に引火してもあっという間の短時間で灰も残さず燃え尽きるはず。CO2と水蒸気になる。
東大至上主義は確かにその通りですが、
普通に試験を続行したのも寒気がします。
ある意味、「暴力には屈しない東大」を表明したかったのかもしれませんね(JOKE)。
実際には、「門の外のできごとだったから、大学には関係ない」ということのようですね。