千葉市の人気者に会ったが・・

2005-11-01 23:37:09 | 市民A
5fb2c4d6.jpg福井では、観光客バッシングの中をかいくぐり、観光地に辿り付いたのだが、一転して千葉市の話。以前、千葉の学校を卒業したため、時々クラス会に行くのだが、先週末には、諸般の事情で宿泊まですることになる。泊まって、帰るだけでは能が無いので、少し市内を見ておこうと思うところまでは普通だが、何しろ千葉市には観光地がほとんどない。

もともと江戸に近い千葉は、幕府が締め付けていたり、地形的に平地でアクセントがつけられない町であり、独自文化が無かった。政令指定都市になったものの、約束の「将来の100万人構想」を全国ではじめて破り、「千葉でも政令指定都市になったのだから、我々も・・」という声で「堺市」も指名を受けることになった。当の千葉市は”ほっかぶり”。

市内には最近、高額モノレールが走っていて、福井とは逆に、観光ガイド板が氾濫する。が、天は二物を与えずという諺どおり、ガイド板は無数にあっても、世間に訴える観光地が無い。「出自の怪しい千葉城」「開かずの踏み切り工事で見る影もなくなった幕張の昆陽神社」「日本最大のゴミ箱(加曾利貝塚)」といったもののほか、突然、もっとも人気の出てきた場所が登場した。千葉市動物公園。

この動物園、しかしごく普通の動物園なのだ。一応、モンキー類が一つのウリで、世界のサル類がそろっている。大中小ありだ。そして比較的広い面積の中に、数頭ずつの野生動物がのんびりしている。さらに家畜の原種(といっても普通の動物)が飼育されていたり、小動物に触れたり、最近は観覧車やコースターもある。ただし、パワー不足は否めないといったところだったのだが・・・

レッサーパンダが立ち上がったのだ。「風太君」。人間が、樹上生活をやめ、最初に地上に降りた時のような騒ぎになり、一夜にして、千葉市随一の人気者になったのだ。(その後、あちこちで、うちの動物園のパンダも立つ、とか歩くとかという話が続出したが、これこそ先行者利得というもの。)「風太」という名前も本人になりかわり動物園が商標登録。そしてJR千葉駅からモノレールで僅か11分の動物園を覗いてみたのである。

まず、既に風太人気は「沸騰状態」ではなく「ぬるま湯状態」のようだ。別に、そこだけに人気が集中しているわけではない。何しろ風太のいるエリアは、「小動物コーナー」といって、動物園の基本構想では傍系であるわけだ。そして、柵は狭い。カンガルーの1/10、ゴリラの1/20くらいではないだろうか。しかし、予期していた通り、柵の前には、ぐるっとカメラを持った人間たちが・・・

5fb2c4d6.jpgそして、私も思わずカメラを取り出してみたのだが、まず最大の問題は、レッサーパンダが二頭いた。そして、二頭とも、あっちこっちに動き回る。その動きの中のある一瞬に立ちあがるのだが、それは風太だけなのだ。そしてしばらく、やみくもにカメラを振り回しても何も起きない。そのうち、カメラの列に新規参入者が加わり、「どっちか見分けがつかないなあ」と「多くの人が悩んでいる本音の声」が出るのだが。親切な別の先駆者から、「見分け方は、そこに書いてあるよ」と助言。掲示板に詳しく書いてある。目の周りの模様の形か尻尾の長さ(短い方が風太)を見るようにということ。千葉は至れり尽くせりだ。福井とは全然違う。もちろん顔の模様よりも尻尾の長さの方が見分けは簡単だ。

よくみると風太の方は、相当運動神経がいい。猫やサルのように身軽に、小屋の屋根に登ったり降りたりする。私がいる時には残念ながら二足立ちはなかったが屋根に登るためにジャンプするところは一瞬二足だったし、屋根から飛び降りる時には一瞬逆立ち状態になっている。そして、まだ、短い時間で本物に会えたのは運が良かったわけで、毎日、たっぷりと昼休みやおやつの時間があり、その時には、室内でお昼寝タイムになる。どこかの社長みたいだ。

5fb2c4d6.jpgそんなことで、風太はまさに動物園の脇役だったのが、あっという間に主役になったのだが、もっと広いところに移してあげたらどうなのだろうとは、おそらく皆が思うのだろうが、そうなると誰かが狭いところに移転しなければならないのだろうか・・議院会館みたいなものか・・

そして、一回りしてから、千葉市の次の場所へ向ったのだが、駅舎に懐かしいポスターがあった。「亥鼻祭(いのはなさい)」。秋祭りではない。千葉市内の亥鼻地区にあるC大学医学部の学園祭。どうも長い年月、休んでいたのが数年前に復活したようなのだ。11月2日、3日の両日。

実はずっと以前、小中学生の頃、この医学部祭は常に町で評判だったのだ。なにしろ迫力の出し物。冷凍マンモスならぬ「人間解剖(本物)」。ある部屋の入口のカーテンをあけると、ホルマリン漬けの大脳とか並んだ中で、ホトケさまがご開帳していた、という話なのだ。だいたいクラスで一人が何らかの罰ゲームで見に行くことになっているのだが、リアルな話は聞いたことがなかった。

動物公園駅のポスターを見る限り、ただのどこにでもある学園祭である。気になってしばらくネット上で学園祭の内容の様子をうかがっていたのだが、冷静に考えると、「単なる学園祭なら、つまらないから行かない」し、「解体ショーがメインイベントの場合は怖すぎて行かない」ということに思い至り、余計な詮索をすることはやめにした。


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