市町村別寿命を発表しただけ?

2008-05-09 06:40:04 | 市民A
厚生労働省が平成17年の平均寿命を市町村別に発表した。



17年の結果は、18年中にわかるのだから、今ごろ発表するとは、遅すぎると思うが、仕事が下手なのか、早く発表する気がないのか、あるいは別の仕事が忙しすぎて手が回らなかったのか、いずれかあるいは全部の理由だろう。何しろ、厚生労働省だからだ。

そして、発表された資料について、説明がないので、どう考えればいいのか、よくわからないが、日本には、『寿命の長い地域』と『寿命の短い地域』がある、ということがわかる。

その前に、その地域性について、男女別の分布状況を見ると、女性の方は、平均に近い年齢で、地域性が少ないのに対して、男性の方は、ばらつきが大きいことがわかる。つまり、男性の方が地域差が出やすいということを示している。

そのため、女性のベスト10、ワースト10ではなく、男性のベスト10、ワースト10の方が特徴が出やすいだろうから、男性の方の市町村別を検討してみる。



まず、男性ベスト10の1位は横浜市青葉区。私の居住地に隣接している。というか、1分歩くと青葉区になる。そして2位の川崎市麻生区は青葉区の隣である。また、3位、4位5位、8位になっている東京西部の区や市もかなり近接している。さらに6位と7位が長野県。こうなると、何らかの理由があるのではないか、と思いたくなる。

実は、この件について、朝日新聞の神奈川版で取り上げられていた。あらかじめ書いておくと、○○が長寿の原因というような断定できるようなハッキリした因果関係は書かれていない。

ある老人会の会長の談として、「富裕層が多く、成長したこどもに支えられている人が少なくない。病院も多く、医療を受けやすい。また社会との接触を続けている人が多い」と朝日新聞らしくないリッチマン長寿説を紹介している。

しかし、青葉区も麻生区も富裕層が多いといったところで、都内居住者と比べものにならないほどストックは少ない。1980年代にちょっと優雅なサラリーマンが東急や小田急の分譲地を買ったようなものだろうか。病院が多いといっても、超有名病院があるわけではない。



また、青葉区役所の人は、「緑が多い住環境の良さと、文化活動が盛んなこと」を挙げていたが、自画自賛に聞こえる。

また、自殺や事故死の率が低いという理由もあるようだが、そういうことがデータで示されているのだろうか。なにか、よくわからない。


私の感じでは、サラリーマンが多いことから、定期健診の受検率が高く、退職してからも健康診断を続けている、ということなのではないだろうか。(長野県の長寿の理由にはならないが)

次に、大問題なのは、ワースト10。



ずらり、青森である。一位こそ大阪の西成区に譲ったが、ワースト10の中、7つが青森の市町村。それも青森県の西側、いわゆる「津軽」の寿命が短い。寒いから、というのはあまり理由にならない。世界の長寿国は北欧に多い。寒いし、太陽は遠い。

結局、ベスト10の裏返しなのだろうとは思うが、病院が少なく、文化活動が少なく、貧民層が多く、自殺や事故が多い、ということらしい。一概に、そうかどうかはよくわからないが、津軽出身の最も有名人は『太宰治』だということだ。

少なくても、ベスト10の理由を考えるより、ワースト10の理由を考えた方が建設的だと思われるのである。

ところで、この寿命を日本地図に色分けした画像も厚生労働省のホームページで確認することができるが、よく見ると「北方四島は日本ではない」と言われそうである。


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