同じ演目の『お化け長屋』を演:柳家権太楼で聴いている。この演目、サゲが噺家によって違うそうだ。途中の展開はほぼ同じ筋なので前回のブログから抜粋すると、
「お化け長屋」(演:柳家権太楼)
講談ではなく落語なので、お化け屋敷も怖くない。長屋の一部屋が空いていて、それを共同荷物置き場として利用していた店子たちが、大家が他人に貸さないように、部屋の下見に来た希望者に、家賃は無料だが、殺人事件があった部屋なので幽霊が出ると言葉巧みに事情を話す。そうすると誰も借り手がつかず、次々と撃退できていたのだが、ある日の希望者は、まったく異なる態度だったわけだ。
このあと権太楼演の方は、あまり怖がらない客に対し、長屋仲間が幽霊の実演をして追い出し、最初の客ががま口を忘れて逃げていったのを、二番目の客が持って帰ってしまったという方向になる。
一方、桃月庵白酒演の方は、追い出すところまではいいが、そのあと、幽霊役のおばあさんが、逃げた客をみて、「知り腰(しりこし)のない奴だ」というのをもう一人が「引越し(ひっこし)のない奴だ」と聞き違えるというところに落とす。
つまりどちらのサゲも笑いの側に落とすということだが、自分が台本書くとしたら、本物の幽霊を登場させ、下見客を恐怖のどん底に突き落として呪い殺してしまい、始末に困った長屋衆が床下にこっそり穴を掘って埋めようとするが、穴を掘ると、そこには既に別の遺体が。
ついに大家を呼んで穴の中を確かめさせると、「この遺体は、急に里に帰って離婚したと偽っていた元の妻で、実はね、・・・」
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