ストロベリームーン

2019-06-18 00:00:08 | 市民A
6月の満月をストロベリームーンと呼ぶのは、月が赤いからではなく。インディアンが毎月の満月それぞれに季節の物にちなんだ名前を与えたからだそうだ。ちなみに1月は狼月、8月はチョウザメ月、10月はハンター月だそうだ。



月と雪と花は古来より日本の美の三要素だが、6月(梅雨)の季節の月を眺める句はあまりない。

和歌の世界を眺めると、幻想的な一首があった。

天の海に雲の波立ち月の船 星の林に漕ぎ隠る見ゆ (柿本人麻呂)


雲の合間に月の船が星の林に漕ぎだして隠れるように見えることを詠んだ幻想的な和歌だ。


有明のつれなく見えし別れより曙ばかりうきものはなし(壬生忠岑)

百人一首にも登場。平安時代人は、何か有明の月を好んだ。貴族たちは愛人の家に潜入し、一晩を過ごし、さあ家に帰ろう、と思うときに空に残っているのは有明の月である。

その後、有明の月を見るたびにあなたのことを思い出しますという歌。有明の月を見るのは別の愛人宅のはずだから、何とも虫のいい歌ともいえる。