レッド・オクトーバーを追え(1990年 映画)

2018-10-09 00:00:23 | 映画・演劇・Video
トム・クランシーが1984年に発表した長編小説の映画化である。原作とほとんど同じなのかよくわからないが、小説の構造は同じだろう。ソ連時代の末期の海軍のエリート艦長ラミウス大佐(ショーン・コネリー)が、最新鋭の原潜の処女航海で、そのまま数人の将校とともにアメリカに亡命しようと計画する。

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ショーン・コネリーといえば007シリーズ。特に名作は「ロシアから愛をこめて」。鉄道の個室や屋根の上で格闘するシーンが有名だ。今回は、そのソ連側として登場。存在感が大きすぎる。後で冷静に考えると、主演はCIAの情報分析官ジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)であるべきだ。トム・クランシーはジャック・ライアンシリーズの第一作として、この小説を書いたわけだ。

そして、ソ連の方は、あちこちに同胞を監視する人間を配置し、レッド・オクトーバー号にもKGBや政治士官も乗り込んでいて共産党の指示で動いているわけだ。その政治士官の名前が、プーチン。ご存知のとおり元KGBである。トム・クランシーは後になかなかやめない大統領になったプーチンのことを知っていたのだろうか。

大統領の経歴を調べると、やはり小説を書いた頃にはレニングラードのKGBで内勤の人事課だったようだ。そして、映画が完成した頃には、東ドイツにいて、東ドイツにいるソ連の大学生の監視をしていたようだ。そしていろいろあった結果、年金受給開始年齢を引き延ばそうとしていて、国内での人気が凋落しているようだ。

そして、映画の中のプーチン氏は、艦長の所作に不審を感じ密かに艦長室を捜索中に見つかり、ショーン・コネリーに絞められてしまう。そのまま、生死の判定もなく、海葬または冷凍処理されてしまう。

そして、最新鋭の原潜なので追跡されないまま、どんどんと米国海岸に近づいていき、ソ連海軍は大西洋に大群を配置し原潜ごと沈没させようとするがなかなか魚雷は当たらないわけだ。なぜ当たらないかというと、原作とおりだからだ。


ところで、潜水艦に乗ったことがある。海中ではなく、陸上。呉の海軍記念館の隣に退役した潜水艦が展示されていて中に入ることができるが、かなりの狭空間である。艦長室というのが畳二枚分位で、通路をすれ違う時は体を横にしなければならない。何しろ水中にいるわけだ。敵に音で場所を知られる可能性があるので、会話はできるだけしない。

潜水艦に乗るような忍耐はない、と思って出口を出ると、「海上自衛官募集」のパンフが用意されているのだが・・